PREP法とは?報告と提案が伝わる話し方の基本と具体的な実践例
PREP法とは、結論・理由・具体例・結論の順に話を組み立てる方法です。報告や提案の例文を使い、理由と具体例の違い、説明を短くするコツ、向かない場面を解説します。話が長くなりやすい人が、相手に判断してほしいことを明確にする練習法も紹介します。

仕事の経緯を順番に説明していたら、「それで、どうしたいの?」と聞かれた。情報は揃えていたのに、話の目的が伝わらない。そんなときは、説明の順番を見直す余地があります。
PREP法は、結論、理由、具体例、結論の順に話を組み立てる方法です。先に話の行き先を共有するので、聞き手は後に続く情報の意味を追いやすくなります。ここでは職場の報告や提案を想定し、型の意味から例文の作り方、使い分けまで紹介します。
PREP法の四つの要素
PREPは、Point、Reason、Example、Pointの頭文字を並べたものです。最初のPointでは自分の主張を示し、Reasonで理由を説明します。Exampleで具体的な場面を補い、最後のPointで主張を確かめます。
それぞれを埋める前に、相手に何を判断してほしいのかを一つ決めると整理しやすくなります。状況を知ってもらうのか、方針を承認してもらうのかでは、冒頭に置く内容が変わるためです。

「確認会を追加したい」という結論なら、理由は「認識の違いを早めに見つけたいから」です。具体例は「前回は完成後に対象範囲の違いが分かった」という出来事になります。理由と具体例は役割が違い、同じ説明を言い換えて二度置く必要はありません。
| 要素 | 答える問い | 確認会を提案する例 |
|---|---|---|
| 結論 | 何を伝えたいか | 制作途中に確認会を設けたい |
| 理由 | なぜ必要か | 完成前に認識の違いを直せるため |
| 具体例 | どの場面で分かるか | 前回は完成後に対象範囲を修正した |
| 結論 | どう進めたいか | 次回の制作から試す承認をお願いしたい |
この例の出来事は、説明のために設定した架空のものです。実際の報告では、自分が確認した事実を入れます。相手を説得しやすくするために、都合のよい事例や実績を作ってはいけません。
報告と提案の例文
進捗報告では現在地を先に置く
進捗を聞かれたときに、朝から行った作業をすべて話すと、予定どおりなのかが後回しになります。まず現在の状態を伝え、予定への影響がある部分を補うと、聞き手が確認したい点に近づきます。

たとえば、架空の資料作成なら次のように伝えられます。
資料は予定どおり、明日の午前中に共有できる見込みです。主要な内容の確認が終わり、残りは表記の統一だからです。担当部署からの確認結果も届いています。表記の修正後に共有します。
この文では、完了した事実と今後の見込みを分けています。「共有できる見込み」を「完成しています」に変えると、状態の説明が変わります。結論から話すときも、未確定な部分は未確定のまま伝えてください。
提案では相手が決めることを示す
提案の場合、「改善が必要です」だけでは、聞き手が何を承認すればよいか分かりません。何を、どの範囲で変える提案なのかを冒頭で示します。
次の案件で、初稿の段階に確認会を一度設けることを提案します。完成後の大きな修正を減らしたいからです。前回は、完成後に対象範囲の認識が違うと分かり、構成から直しました。まず一案件で試し、修正内容と負担を振り返りたいので、実施してよいか判断をお願いします。
最後の結論では冒頭をそのまま繰り返すより、承認してほしい範囲を示すと実務につながります。相手に考えてほしいことを増やしすぎず、確認会の導入と別の制度変更を一度に混ぜないことも大切です。
理由と具体例を選ぶコツ
理由は、自分の都合だけでなく、相手が判断するときの基準とつながっているかを確かめます。締め切りへの影響、品質、対応の負担など、何を重視する提案なのかを明らかにしてください。
「便利になるからです」では、便利になる人や作業が分かりません。「同じ内容を複数の場所に入力する手間を減らせるためです」と書けば、検討する対象が具体的になります。理由を増やす前に、一つの理由を説明できる形にする方が役立つ場合があります。
具体例は、理由を裏付けたり理解を助けたりする情報です。ただし、一度起きたことが、いつでも同じように起きるとは限りません。前回の一案件で修正が多かったなら、案件の難しさや参加者の違いも考えられます。
そのため、「前回こうだったので必ず効果があります」とは言い切れません。「同じ問題を減らせるか、一案件で確かめたい」とすれば、根拠の範囲に合った提案になります。型に沿っていることと、内容に十分な根拠があることは別に確認しましょう。

具体例が長くなるときは、結論の理解に必要な情報だけを残します。登場人物の細かなやり取りより、「どの条件で、何が起き、今回の提案とどう関係するか」を優先すると、説明を選びやすくなります。
PREP法が向く場面と使い分け
短い報告や、一定の根拠がある提案にはPREP法を使いやすいでしょう。一方で、相手の話を聞く場面や、状況が複雑な事故の報告まで、四つの要素に押し込む必要はありません。
| 場面 | 最初に伝えること | 補う情報 |
|---|---|---|
| 方針の提案 | 提案する内容 | 理由、根拠、判断してほしい範囲 |
| 短い進捗報告 | 現在の状態と見込み | 予定への影響、残っている点 |
| 結論が出ていない相談 | 相談したい論点 | 選択肢、制約、迷っている理由 |
| 不具合の初動連絡 | 起きている事象と影響 | 対応状況、未確認事項、次の連絡 |
| 相手の悩みを聞く対話 | 相手の理解と意向の確認 | 必要に応じた質問 |
不具合の連絡で原因がまだ分からないなら、もっともらしい理由を埋めてはいけません。確認できた事象と影響を先に伝え、原因は調査中と明示します。緊急連絡では、職場で定められた連絡手順を優先してください。
相談でも、初めから答えを持っている必要はありません。「A案とB案のどちらを優先するか相談したいです」と始めれば、話題は共有できます。相手の意見を聞いた結果、最初の考えが変わっても問題ありません。
また、相手の困りごとを聞いている途中で、すぐに自分の結論を述べると、十分に話せなかったと受け取られる場合があります。説明する場面と理解する場面を見分けることも、伝え方の一部です。
短い説明を作る練習
練習には、次に実際に伝える予定のある話題を一つ選びます。「論理的に話せる人になる」と広く構えるより、明日の報告を直す方が、必要な情報を具体的に考えられます。
- 相手に伝えたいことを一文で書く。
- 「なぜなら」に続く理由を一つ書く。
- 理由を説明する事実や場面を添える。
- 最後に求める判断や次の行動を書く。
- 声に出して読み、余分な経緯を削る。
書き終えたら、最初の一文だけを読んで用件が分かるかを確認します。「本件についてご報告があります」では題名しか伝わりません。「公開準備は予定どおり進んでいます」のように、報告する中身を置けているかが確認点です。
次に、理由と具体例の順番を入れ替えなくても読めるかを見ます。理由を読む前に大量の説明が必要なら、相手が知らない前提があるのかもしれません。その場合は、対象や条件を一文補うと理解しやすくなります。
話す練習では、全部を暗記するより「提案は何か」「理由は何か」の二つを自分の言葉で言えるかを試してください。途中で質問されたら、型を最後まで話し切ることにこだわらず、その疑問に答えます。
説明後は「うまく話せたか」という感覚だけでなく、相手からどんな確認があったかを振り返ります。目的を聞き返されたなら冒頭、根拠を聞かれたなら理由や具体例を見直す。直す場所を一つ決めると、次の練習につながります。
経緯から始まる文章を直す
たとえば「昨日、依頼部署から連絡があり、資料を見直したところ確認が必要な点があって」という書き出しを考えます。これだけでは、作業が止まった報告なのか、相手に確認を頼みたいのかが分かりません。出来事の順番を保つ前に、この連絡の用件を決めます。
確認を依頼したいなら、「掲載する対象商品の範囲について、本日中に確認をお願いします」と置けます。続けて「依頼書と参考資料で対象の記載が異なり、構成を確定できないためです」と理由を説明し、該当する二つの記載を示します。最後は、返答してほしい項目と期限を確かめる形にします。
このとき、相手が確認に使う資料を手元に持っているかも考えてください。「昨日の資料の件」だけでは、別の案件と混同するかもしれません。対象の資料名や該当箇所は、短くするために削らない方がよい情報です。
文字数を減らすことだけを目標にせず、読む人が探し直さずに答えられるかを見ます。口頭なら資料の場所を示し、文章なら確認する項目を分けるなど、同じPREP法でも伝える媒体に合わせて整えましょう。
まとめ
PREP法は、結論、理由、具体例、結論の順に説明を整理する型です。相手に求める判断を先に決めると、必要な情報を選びやすくなります。理由は結論を選ぶ根拠、具体例はその理由を理解する材料として使い分けてください。
明日の報告を一つ選び、最初の一文に伝えたい状態や提案を書いてみましょう。事実と見込みを分け、最後に確認してほしいことを添える。その短い練習から、職場で使える説明を整えられます。
よくある質問
PREP法では必ず四つの文に分ける必要がありますか?
四つの要素は説明を整理するための目安で、文の数を決めるものではありません。相手が理由を知っている場合などは、結論と必要な補足だけでも伝わります。
理由と具体例はどう区別すればよいですか?
理由は、なぜその結論を選ぶのかという説明です。具体例は、その理由を理解する手がかりになる出来事や場面で、結論とどうつながるかも示します。
結論がまだ出ていない相談にも使えますか?
最初に、何を相談したいのかを示す形で応用できます。無理に答えを決めず、分かっていることと迷っていること、相手に確認したい点を伝えてください。





