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自然・サイエンス

冬のロゼット観察入門|地面に広がる草の形の理由と、葉で見分ける手がかり

葉の並び方と色に注目する

葉が重ならない工夫

ロゼットを真上から見ると、葉が少しずつずれて並び、なるべく重ならないように広がっていることに気づきます。多くの植物では、葉はらせんを描くように一枚ずつ一定の角度ずつずれて出てきます。この並び方によって、新しく出た葉が古い葉の真上に重なりにくくなり、それぞれの葉に光が当たりやすくなっていると考えられています。

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赤紫に色づいたロゼットの葉をルーペで観察する手元
放射状の葉の並びと冬の色づきを観察

また、外側の古い葉は長く、中心に近い新しい葉は短い、という形もよく見られます。中心の小さな葉が外側の大きな葉の上に重なっても、外側の葉は先の方まで光を受けられます。

葉が赤や紫になる理由

冬のロゼットには、葉がところどころ赤や紫、茶色がかった色に変わっているものがよくあります。これは、葉の中でアントシアニンという色素が増えるためです。低温の中で強い日差しを受けると、葉の中の光合成の仕組みに負担がかかることがあり、赤い色素はそれをやわらげる役割を持つと考えられています。

同じ種類でも、日当たりのよい場所のロゼットほど赤みが強く、日陰のものは緑色のまま、という違いが見られることがあります。並べて見比べると、色の変化と環境の関係を感じられます。紅葉の色の仕組みとも共通する部分があるので、紅葉の見方とあわせて読むと理解が深まります。

毛やつやの違い

ロゼットの葉には、やわらかい毛がたくさん生えているもの、つやがあってなめらかなもの、厚みがあるものなど、表面の様子に違いがあります。毛は、葉の表面の空気の流れをやわらげたり、乾燥を防いだりするのに役立つと考えられています。ルーペで見ると、毛の長さや向き、密度が種類によって違うことが分かります。

ロゼットを見るときの観察項目(全体の直径と葉の枚数、葉の切れ込みの有無と形、葉の毛とつやの様子、赤や紫になった部分の位置、日なたか日陰か、踏まれる場所か)
名前より先に、形と色と手ざわりを記録します。

越年草と多年草の違い

冬を一度越して花を咲かせる越年草

ロゼットで冬を過ごす草の多くは、越年草(えつねんそう)と呼ばれる仲間です。秋に種から芽を出し、ロゼットの形で冬を越し、春から夏にかけて花を咲かせ、種を残して枯れます。一年以内に一生を終えますが、年をまたぐので「越年」と呼ばれます。ナズナやヒメジョオン、マツヨイグサの仲間の多くがこのような生き方をします(同じように見えるハルジオンは多年草です)。

種類によっては、ロゼットのまま一年以上過ごし、十分に大きくなってから花を咲かせるものもあります。このような草は二年草と呼ばれることがありますが、実際の生育期間は環境によって変わります。

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寒さを経験することが花の合図になる

越年草の中には、冬の寒さを一定期間経験しないと花芽を作らない種類があります。寒い期間を「冬が来た」という合図として受け取り、春になってから花を咲かせる仕組みで、春化(しゅんか)と呼ばれます。秋に芽を出して冬を越すことは、春に確実に花を咲かせるための手順にもなっているのです。

毎年ロゼットを作る多年草

タンポポやオオバコのように、根が何年も生き続ける多年草も、冬にロゼットの形で過ごします。花が咲いた後も根は残り、季節がめぐると再び葉を広げます。多年草のロゼットは、同じ場所で毎年観察できるのが楽しいところです。

生き方 一生の流れ ロゼットの時期
越年草 秋に芽生え、冬を越して春〜夏に花、種を残して枯れる 冬の間
二年草とされるもの ロゼットで一年以上過ごし、大きくなってから花 一年以上続くこともある
多年草 根が何年も生き、毎年花を咲かせる 冬など、茎のない時期

地面の下の根にも目を向ける

太い一本の根と、細い根の束

ロゼットの姿は地上部だけでは分かりません。冬の間に養分をためる場所として、根はとても大切です。根の形には大きく二つの型があります。一つは、太い主根が地中へまっすぐ伸びる型で、タンポポの仲間が代表的です。タンポポの根は深くまで伸びることが知られ、地上の葉を刈っても、根が残っていれば再び葉を出します。

もう一つは、太い主根が目立たず、細い根が束のように広がる型です。オオバコのように、根元から多くの根が出て、浅いところで土をつかむように広がる草もあります。踏まれて土が固くなった場所でも、こうした根が株を支えています。

根を見るときの方法

根の形を見たいときは、自宅の庭や鉢、家庭菜園の畑など、自分で管理している場所の草を選びます。移植ごてを株の外側から深めに差し込み、根の周りの土ごと持ち上げると、根を切らずに観察しやすくなります。土を水で静かに洗い流すと、根の太さや枝分かれが分かります。

観察した株は、元の場所に植え戻すか、雑草として抜く予定のものを使うと無駄がありません。冬に掘った株と、春に花が咲いた後の株の根を比べると、冬の間にためた養分が春の成長に使われていく様子を想像する手がかりになります。

根から考えるロゼットの戦略

太い根に養分をためる草は、春に素早く茎を伸ばせる一方で、根を作るのに時間がかかります。細い根を広げる草は、浅い土や固い土でも株を保ちやすい特徴があります。どちらの型でも、地上では低く構え、地下に力をたくわえて冬を越すという点は共通しています。地上の葉の広がりと地下の根の広がりを一緒に考えると、ロゼットという形の意味がより立体的に見えてきます。

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