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歴史・文化

ハロウィンの由来|古代ケルトのサウィン祭から、かぼちゃのランタンと仮装が広まるまで

ハロウィンはどこから来た行事なのかをまとめました。古代ケルトの暦と収穫の区切りのサウィン祭、キリスト教の諸聖人の日との結びつき、かぶからかぼちゃに変わったランタンの話、仮装やお菓子をもらう習わしの由来、移民とともにアメリカで広まった経緯、日本での受け止められ方までを順に紹介します。

秋の戸口に並ぶかぼちゃの明かりとかぶ、麦束

10月の終わりが近づくと、店先にかぼちゃの飾りやお化けの絵が並び、街に仮装した人が出かけていきます。日本でもすっかりおなじみになったハロウィンですが、なぜかぼちゃをくりぬくのか、なぜ仮装をするのかを聞かれると、意外と答えに迷うかもしれません。

ハロウィンの背景には、古代ヨーロッパの季節の祭り、キリスト教の暦、そして海を渡った移民の暮らしが重なっています。ここでは、ケルトの人びとの暦とサウィン祭から始めて、名前の由来、ランタンと仮装の話、アメリカで広まった経緯、世界の似た行事、日本での広がり方までを順にたどります。由来には諸説あるものも多いので、よく知られた説明を中心に、確かな部分とそうでない部分を分けて紹介します。

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ハロウィンの始まりとされるサウィン祭

ハロウィンの起源のひとつとしてよく挙げられるのが、古代のケルトの人びとが行っていたサウィン(Samhain)という祭りです。ケルトの人びとは、紀元前から現在のアイルランド、イギリス、フランス北部などに暮らしていた人びとで、独自の言葉や信仰を持っていました。

一年を二つに分ける暦

ケルトの人びとの暦では、一年を大きく「明るい半年」と「暗い半年」に分けて考えていたといわれます。夏の終わり、家畜を牧草地から戻し、収穫を終える時期が、その切り替わりにあたりました。サウィンは、この暗い半年、つまり冬の始まりを告げる祭りで、現在の暦でいえば10月の終わりから11月の初めごろに行われていたと考えられています。

ケルトの暦では、一日は日没から始まると考えられていたという説明もあり、そのため祭りは前の晩から始まったとされます。のちにハロウィンが「前夜」の行事として定着したことと、どこか通じるところがあります。

この世とあの世の境があいまいになる夜

サウィンの夜は、生きている人の世界と、死者や精霊の世界との境があいまいになると信じられていたといわれます。亡くなった家族の霊が戻ってくる一方で、いたずらをする精霊や悪いものもやってくると考えられ、人びとは火をたいたり、食べ物を供えたりしたと伝えられています。

ケルトの人びとは文字による記録をあまり残さなかったため、サウィンの具体的な内容の多くは、のちの時代の書物や民間の言い伝えから推測されたものです。「こうだった」と断定できる部分は限られている点に注意してください。

サウィン祭の特徴(季節の境目、収穫の区切り、前夜から始まる、霊が戻る夜)
季節の区切りと、霊が戻る夜が重なる。

季節の変わり目に祖先の霊を迎えるという考え方は、日本のお盆や、冬至・正月の行事とも重なるところがあります。日本の季節の行事の意味については、冬至の風習や正月の風習の意味でも紹介しています。比べて読むと、遠く離れた土地でも、季節の区切りに似た感覚を持っていたことがわかります。

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「ハロウィン」という名前の由来

ハロウィンという名前は、ケルトの言葉ではなく、キリスト教の暦から来ています。

諸聖人の日と、その前夜

キリスト教には、すべての聖人を記念する「諸聖人の日」(万聖節)という祝日があり、11月1日に置かれています。英語では古い言い方で「オール・ハロウズ・デー」と呼ばれました。「ハロウ(hallow)」は「聖人」や「聖なるもの」を意味する古い言葉です。

その前の晩、10月31日の夜は「オール・ハロウズ・イブ」と呼ばれ、これが縮まって「ハロウ・イーブン」、さらに「ハロウィーン(Halloween)」になったと説明されることが多いです。日本語では「ハロウィン」「ハロウィーン」の両方の表記が使われています。

死者を思う日とのつながり

諸聖人の日の翌日、11月2日は、亡くなったすべての信者を記念する「死者の日」(万霊節)とされる教派もあります。10月31日から11月2日にかけての数日間が、聖人と死者を思う時期としてまとまり、そこにケルトの地域に古くからあったサウィンの習わしが重なっていったと考えられています。

ただし、キリスト教会がサウィンを置きかえるために諸聖人の日をこの時期に移したのかどうかについては、研究者のあいだでも見方が分かれています。「古い祭りとキリスト教の祝日が、同じ時期に重なり合って混ざっていった」という程度に理解しておくのが無難でしょう。

日付 呼び名 おもな意味
10月31日 ハロウィン(諸聖人の日の前夜) 前夜祭。民間の習わしが多く残る
11月1日 諸聖人の日(万聖節) すべての聖人を記念する
11月2日 死者の日(万霊節) 亡くなった人を記念する(教派による)
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