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自然・サイエンス

冬の昆虫の越冬を観察する|卵・幼虫・さなぎ・成虫で冬を越す虫の探し方と見守り方

さなぎで冬を越す虫

さなぎは、幼虫から成虫へと体を作り替えている途中の姿です。動くことはほとんどできませんが、硬い殻に守られ、えさを食べずに長い期間を過ごせるため、冬越しに向いた姿の一つです。

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アゲハチョウの仲間のさなぎ

身近なチョウでは、アゲハチョウの仲間の多くがさなぎで冬を越します。秋の終わりに幼虫が食草を離れて歩き回り、木の枝や幹、建物の壁、フェンスなどに体を糸で固定してさなぎになります。さなぎは腰のあたりを糸の帯で支えられ、頭を上にして斜めにとまっている姿が特徴です。

さなぎの色は、緑色のものと茶色のものがあり、さなぎになる場所のまわりの状態によって色が変わることがあると考えられています。冬の枯れた枝や壁の上では、茶色のさなぎが景色に溶け込んでいて、なかなか見つかりません。幼虫が食べていた植物(ミカンの仲間やサンショウなど)の近くの壁やフェンスを、目線より低いところから探してみると見つかることがあります。

さなぎの観察で気をつけること

さなぎは、殻をつついたり、糸から外したりすると、羽化できなくなってしまうことがあります。観察は見るだけにとどめ、写真を撮るときもカメラや手が触れないように気をつけます。春に羽化した跡(殻が割れて空になったさなぎ)を見つけるのも、冬に見つけたさなぎを見守る楽しみの一つです。

土の中で越冬するさなぎ

蛾の仲間の中には、土の中にもぐってさなぎになり、冬を越すものもいます。こうしたさなぎは掘り返さないと見つからないので、冬の観察では無理に探さず、図鑑で知っておく程度にしておくのがよいでしょう。地面を掘り返すと、ほかの虫の冬越しの場所も壊してしまいます。

卵とさなぎの越冬の違い(卵とさなぎの比較)
どちらも動かずに春を待ちます。

成虫で冬を越す虫

成虫の姿で冬を越す虫は、暖かい日に少し動いたり、日光浴をしたりすることがあるので、冬でも「生きている虫」に出会える楽しみがあります。

集まって冬を越すテントウムシ

テントウムシの仲間には、成虫で冬を越すものがいます。秋の終わりになると、建物の壁のすき間や、樹皮の下、石の下などに集まり、たくさんの個体が身を寄せ合って冬を越すことがあります。集まることで寒さや乾燥をしのいでいると考えられています。同じ場所に毎年集まる例も知られていて、日当たりのよい目立つ建物や岩の近くが選ばれやすいとも言われます。

集まっているテントウムシを見つけても、すき間から引き出したりせず、そっと観察するだけにします。体の模様の違いを数えてみると、同じ種類でも模様にいろいろな型があることが分かることがあります。

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成虫で越冬するチョウ

チョウの中にも、成虫で冬を越す種類があります。落ち葉の中や、木の枝、建物のすき間などで翅を閉じてじっとしていて、翅の裏側が枯れ葉のような色や模様になっている種類も多く、見つけるのはなかなか難しいものです。冬でも、風のない暖かい晴れた日に、日だまりで翅を広げて日光浴をしている姿を見かけることがあります。

家の中に入ってくる虫

カメムシの仲間などは、冬越しの場所を探して秋に家の中に入ってくることがあります。においを出すことがあるので、見つけたら刺激しないように紙などにそっと乗せて、外に出します。秋のうちに網戸のすき間や、窓まわりのすき間を確かめておくと、入ってくるのを減らせます。

冬にこそ活動する虫もいる

冬の虫はじっとしているものばかりではありません。数は多くありませんが、わざわざ寒い時期を選んで成虫になり、活動する昆虫もいます。冬の観察では、こうした「冬の虫」に出会えるのも楽しみの一つです。

冬に現れる蛾の仲間

冬の夜、街灯のまわりや林の縁で、地味な色の蛾が飛んでいるのを見かけることがあります。蛾の中には、晩秋から早春にかけての寒い時期に成虫が現れる種類があり、日本では「冬尺蛾(ふゆしゃく)」と呼ばれる仲間がよく知られています。

冬尺蛾の多くは、メスの翅が小さく退化していて飛べないのが特徴です。メスは木の幹を歩いて登り、においでオスを呼び寄せると考えられています。成虫は口が退化していて、えさをほとんどとらない種類が多いとされます。鳥やほかの虫の活動が少ない冬に繁殖することで、天敵に食べられにくくしているのではないか、という見方があります。

冬尺蛾は、夜に木の幹を懐中電灯で照らしながら探すと見つかることがあります。ただし、夜の林は足元が見えにくく危険もあるので、明るい公園の木など、安全な場所に限りましょう。

雪の上を歩く虫

雪の多い地域では、晴れた日の雪の上を、小さな黒い虫が歩いていることがあります。カワゲラの仲間などの中には、冬の雪の上で活動する種類がいることが知られています。幼虫の時期を川の中で過ごし、冬に成虫になって雪の上を歩いて上流へ向かうと考えられているものもいます。雪の上は黒い虫がよく目立つので、雪国に出かけたときには足元を見てみてください。

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暖かい日に飛ぶ虫

成虫で越冬するチョウや、一部のハエやアブの仲間は、冬でも風のない暖かい日には飛び回ることがあります。冬の日だまりでは、ほかの季節には気づかない小さな虫の動きが目につきやすくなります。気温と日当たりを記録しておくと、何℃くらいから虫が動き出すのかが少しずつ見えてきます。

冬の虫 見られる時期 探し方
冬に現れる蛾 晩秋から早春 夜に木の幹や街灯の近くを見る
雪の上を歩く虫 雪のある冬 晴れた日に雪面の黒い点を探す
越冬中の成虫のチョウ 暖かい晴れた日 風のない日だまりを見る

朽ち木や土の中、屋根裏などでは、スズメバチなどハチの仲間が冬を越していることがあります。冬でも、朽ち木を割ったり、ハチの巣のように見えるものに近づいたりするのは避けてください。種類の分からない虫は、素手で触らず見るだけにするのが基本です。

次のページへ観察のマナーと、持ち帰らない理由
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  1. 秋の戸口に並ぶかぼちゃの明かりとかぶ、麦束
  2. 資料を手に落ち着いて話し合う二人
  3. ノートパソコンと資料、外付け記憶装置がある机
  4. 青い折り鶴と三角に折った紙、無地の折り紙
  5. 酉の市で縁起熊手の店を眺める人々の後ろ姿