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自然・サイエンス

流星群の見方入門|放射点と出現数の読み方、月明かりと時間帯で変わる見え方

流星群をはじめて見る人に向けて、流れ星が光るしくみと流星群が毎年同じ時期に来る理由、放射点の意味、予報の「1時間あたり◯個」の読み方、月明かりや時間帯の影響、目を暗さに慣らすコツ、寒さ対策と安全な観察場所の選び方までをまとめました。

草原で夜空の流星を見上げる二人

夜空にすっと線を引いて消える流れ星は、偶然見かけるとうれしいものです。けれども「流星群」の時期を選んで空を見上げれば、一晩のうちに何個も見られることがあります。ニュースで「今夜は流星群が見頃」と聞いて外に出てみたものの、ほとんど見えなかった、という経験がある人もいるかもしれません。

流星群は、いつ、どこを、どのくらいの時間見るかで、見える数が大きく変わります。この記事では、流れ星が光るしくみと流星群が毎年同じ時期に来る理由、放射点の意味、予報に出てくる数字の読み方、月明かりや時間帯の影響、観察の準備と安全までを順に紹介します。特別な道具はいりません。暗い場所と、少しの準備と、空を眺める時間があれば始められます。

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流れ星が光るしくみ

流れ星(流星)の正体は、宇宙を漂う小さなちりです。大きさは砂粒ほど、あるいはもっと小さなものがほとんどです。このちりが、秒速数十キロメートルという猛烈な速さで地球の大気に飛び込むと、空気とぶつかって高温になり、まわりの空気とともに光ります。光るのは地上からおよそ100キロメートル前後の高さで、飛行機が飛ぶ高さよりもはるかに上です。

つまり、流れ星は「星が流れている」わけではありません。夜空に見えている星(恒星)は遠く離れた太陽のような天体で、流れ星とはまったく別のものです。流れ星は、地球のすぐ近くで、ほんの一瞬だけ起きる現象なのです。

火球と流星痕

ふつうの流れ星より、ずっと明るく光るものを「火球(かきゅう)」と呼びます。大きめのちりが大気に飛び込んだときに見られ、明るい星や惑星よりも明るく輝き、色がついて見えることもあります。また、明るい流星が通ったあとに、煙のような淡い光の筋がしばらく残ることがあり、これを「流星痕(りゅうせいこん)」と呼びます。どちらも頻繁に見られるものではありませんが、出会えたときの印象は格別です。

流星の色と速さ

流星をよく見ていると、色や速さに違いがあることに気づきます。速さは、ちりが地球にぶつかる向きで決まります。地球の進む向きと正面からぶつかるちりは、相対的な速さが大きくなるため、空をすばやく駆け抜ける流星になります。反対に、地球を後ろから追いかけるような向きのちりは、ゆっくり流れる流星になります。

色は、ちりに含まれる成分や、流星の明るさ、光る高さなどによって変わるとされ、青白く見えるもの、黄色やオレンジに見えるもの、緑がかって見えるものなどがあります。明るい流星ほど色が分かりやすいので、見えた流星の色を意識してみると、一つひとつの流星の個性が感じられます。

流星群と散在流星

流れ星には、毎年決まった時期にまとまって現れるものと、いつ現れるか分からないものがあります。前者が流星群に属する流星、後者は「散在流星」と呼ばれます。散在流星は一年中、毎晩のように少しずつ流れていて、暗い場所で1時間ほど空を見ていれば、流星群の時期でなくても何個か見られることがあります。

流れ星の基本(正体、光る高さ、火球、流星痕)
星そのものではなく、大気で光るちり。
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流星群が毎年同じ時期に来る理由

流星群のもとになるちりは、主に彗星が残していったものです。彗星は氷やちりでできた天体で、太陽に近づくと氷が蒸発し、ちりを宇宙空間にまき散らします。まき散らされたちりは、彗星とほぼ同じ軌道に沿って帯のように広がっていきます。この、彗星が残したちりの流れの元になった天体を「母天体」と呼びます。

地球は一年かけて太陽のまわりを回っています。その通り道が、ちりの帯と交わる場所があると、地球は毎年同じ時期にその帯の中を通り抜けることになります。そのときに、たくさんのちりが大気に飛び込み、流れ星がまとまって見えるのです。これが、流星群が毎年ほぼ同じ日付に来る理由です。

年によって数が変わる理由

ちりの帯は、どこも同じ濃さではありません。彗星が太陽に近づくたびに新しいちりが加わるので、帯の中には濃いところと薄いところがあります。地球が濃いところを通る年には、ふだんより多くの流星が見られ、「大出現」と呼ばれることもあります。反対に、薄いところを通る年はあまり多くありません。

ふたご座流星群のように、母天体が彗星ではなく小惑星と考えられているものもあります。母天体の種類や、ちりが放出されてからの時間によって、流星の速さや明るさ、出現の安定さにそれぞれ個性があります。

放射点とは何か

流星群の流星は、空のある一点から四方八方に飛び出すように見えます。この一点を「放射点(ほうしゃてん)」と呼び、放射点のある星座の名前が、流星群の名前になっています。ペルセウス座流星群なら、放射点がペルセウス座の中にある、という意味です。流星がペルセウス座の星から飛んでくるわけではありません。

なぜ一点から広がって見えるのか

ちりの帯の中のちりは、ほぼ平行に並んで同じ向きに進んでいます。それなのに一点から広がって見えるのは、遠近法によるものです。まっすぐな線路の上に立って先を眺めると、平行なはずの二本のレールが遠くで一点に集まって見えます。これと同じように、平行に飛んでくるちりの軌跡を地上から見上げると、遠くの一点から放射状に広がって見えるのです。

放射点を見つけておく意味

放射点の場所を知っておくと、見えた流れ星が流星群のものかどうかを見分けられます。流れ星の軌跡を逆向きにたどって、放射点に行き着けば流星群の流星、そうでなければ散在流星です。星座の位置を確かめるには、星座早見盤の使い方で紹介している方法が役立ちます。

放射点の近くに現れる流星は、こちらに向かってくるように飛ぶため、短く見えます。放射点から離れた場所の流星ほど、横から見る形になるので長く見えます。放射点だけを見つめるより、少し離れた広い範囲を眺めるほうが、見ごたえのある長い流星に出会いやすいのはこのためです。

流星群の流星か確かめる(1. 放射点を確認、2. 流星を見る、3. 逆向きにたどる、4. 見分ける)
軌跡を逆にたどるのがコツ。
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