スポンサーリンク
料理・食

米麹の甘酒の作り方|糖化のしくみと温度管理、炊飯器・保温ポットでの仕込み

米麹の甘酒を家で作りたい人に向けて、酒粕甘酒との違い、でんぷんが甘みに変わる糖化のしくみ、55〜60℃前後を保つ理由を紹介します。おかゆと麹で仕込む基本手順、炊飯器・保温ポット・ヨーグルトメーカーの使い分け、温度計の確認方法、冷蔵と冷凍、料理への使い方まで、安全側の判断を交えてまとめました。

米麹と器に注いだ甘酒、仕込み用の容器

米麹の甘酒は、砂糖を加えなくても米の甘みが出る飲み物です。材料は少ないものの、混ぜて待つだけでは仕上がりが安定しません。麹が持つ酵素が働く温度を保つことと、食品として清潔に扱うことを一緒に考える必要があります。

初めてなら、使う麹と保温器具のレシピを一つ選び、少量を温度計で確かめながら作ります。ここでは酒粕甘酒との違い、糖化のしくみ、おかゆを使う基本の仕込み、器具別の温度管理、完成後の保存と使い方を順に整理します。保温の途中で確認できる日に始めると、作業と片付けを落ち着いて進められます。

スポンサーリンク

米麹の甘酒と酒粕の甘酒は甘くなる理由が違う

「甘酒」という名前で売られるものには、米麹を使うものと、酒粕を使うものがあります。米麹の甘酒は、麹が持つ酵素で米のでんぷんを糖へ変えて作ります。酒粕の甘酒は、酒粕を湯などに溶き、砂糖などで甘さを調える作り方が一般的です。

米麹は、蒸した米に麹菌を育てた食品です。すでに麹の製造段階で酵素が作られているため、家庭での甘酒づくりでは、その酵素が働く条件を整えます。酒粕は、日本酒などを造る過程で生じるもので、米麹と同じ材料として置き換えることはできません。

比較する点 米麹の甘酒 酒粕の甘酒
主な材料 米麹、水、必要に応じて米やご飯 酒粕、水、砂糖など
甘さの出方 酵素がでんぷんを糖へ変える 加える砂糖などで甘さを調える
アルコール 通常の糖化工程では生じない 酒粕由来のアルコールが残る場合がある
家庭での中心作業 数時間の温度管理 溶かして加熱し、味を調える
確認したいこと 配合、保温温度、衛生状態 酒粕の表示、原材料、アルコール

米麹の甘酒には、酵母でアルコールを造る工程は必要ありません。ただし、酒粕などを加えたものや、原材料が異なる商品まで、名前だけで同じと判断しないようにします。アルコールを避ける必要がある場合は、原材料とアルコールに関する表示を確認し、必要ならメーカーへ問い合わせます。

酒粕を使ったものは、温めたからアルコールがすべてなくなったとは判断できません。家庭での加熱条件だけで残存量を保証することはできないため、飲酒を避ける人へ出す際に、米麹甘酒の代わりとして扱わないでください。白酒も別の飲み物なので取り違えないようにします。

ここで扱うのは、酒粕や酒を加えない米麹の甘酒です。「砂糖不使用」と「糖分がない」は別の意味であり、作り方の違いを知ったうえで、飲む量も考えます。

前回の甘酒を継ぎ足さず、毎回新しく仕込む

甘酒づくりを、ぬか床のように菌の状態を育てながら長く続ける作業と同じには考えません。毎回、新しい材料で仕込み、決めた温度と時間の範囲で作り切ります。前回の甘酒を少し残して次回へ継ぎ足す方法は、この手順には含めません。

発酵食品ごとの手入れの違いを知りたいときは、ぬか漬けの始め方|ぬか床の作り方と毎日の手入れ、においや白い膜の対処も一例になります。ただし、食品ごとに管理方法は違うため、ぬか床のにおいや表面の見方を甘酒の安全判断へ流用しないでください。

スポンサーリンク

糖化は酵素の働きなので55〜60℃前後を保つ

でんぷんが甘みに変わる流れ

米のでんぷんは、糖が長くつながった成分です。麹に含まれるアミラーゼなどのでんぷん分解酵素が、そのつながりを切り、ぶどう糖などの小さな糖を生み出します。この変化が糖化です。砂糖を加えていないのに甘くなるのは、もともとの米の成分が変化するためです。

アミラーゼという呼び方には複数の酵素が含まれ、それぞれが同じ切り方をするわけではありません。大きなつながりを切る酵素や、ぶどう糖を生じさせるグルコアミラーゼなどが働きます。家庭では酵素ごとの細かな最適条件を追うより、麹のレシピが示す全体の条件をそろえる方が実用的です。

米を炊いてから使うのは、水と熱によってでんぷんが酵素の作用を受けやすい状態になるためです。生米へ麹とぬるま湯を混ぜるだけでは、おかゆを使うレシピの代わりになりません。ご飯のかたまりが大きいと混ざりにくいため、加熱した米をほぐし、麹と水分が全体になじむようにします。

米のでんぷんが甘みになるまで(1. 米を加熱する、2. 温度を下げる、3. 麹を混ぜる、4. 保温する)
家庭では、酵素が働く温度と混ざり方を整えます。

高ければ早い、低ければ安心とは限らない

家庭向けのレシピでは、55〜60℃前後を保つ方法がよく使われます。酵素が働きやすい条件を確保しつつ、低すぎる温度で長く置くことを避けるための目安です。

温度が高すぎると酵素の働きが失われ、適温へ戻しても元どおりに働くとは限りません。「早く甘くしたいから熱くする」という調整は避けます。熱々のおかゆへ直接麹を入れず、全体を混ぜて温度を下げてから、温度計で確かめる工程が必要です。

一方、温度が低すぎると糖化が進みにくくなるだけでなく、微生物が増えやすい条件になるおそれがあります。麹を混ぜた食品を、室温に長く置いてゆっくり甘くする方法にはしません。55〜60℃なら無菌になるわけでもないため、温度だけで食品としての安全が保証されるとは考えないでください。

目標温度に一瞬達したことより、保温中の状態を把握することが大切です。最初と最後だけ測ると、途中で大きく下がった時間や、加熱で上がりすぎた時間を見落とします。レシピの範囲で途中も測り、維持できない器具では、その方法を無理に続けないようにします。

スポンサーリンク

米麹・水・器具を用意し、配合と衛生をそろえる

米麹には生麹と乾燥麹があり、含まれる水分が違います。レシピに乾燥麹と書かれているなら、初回は同じ種類を使います。生麹へ同じ重さで替え、水を自己流で減らすと、濃さや混ざり方が変わって比較しにくくなります。代用する場合は、麹メーカーの換算や専用レシピを確認します。

準備するのは、甘酒用として使える米麹、米またはご飯、水、はかり、計量カップ、食品用温度計、清潔なへら、保温器具、保存容器です。温度計は測れる範囲と測定部の位置を確認します。非接触式で表面だけ測る道具より、中身を測れる食品用のものが扱いやすいでしょう。

ご飯を使う場合の少量の配合例

一例として、乾燥米麹100g、炊いたご飯200g、水300mLを使う配合があります。麹の商品によって推奨の配合は異なります。使う麹や器具に別の配合が指定されている場合は、そちらを優先してください。

ご飯を水と加熱してやわらかくほぐせば、おかゆ状の土台として使えます。炊き上がりのおかゆを使う方法では、生米の重さと炊き上がりの水分量が関係するため、上の「ご飯200g」を同じ重さのおかゆへ置き換えません。最初はどちらか一つのレシピで量をそろえます。

ご飯は新しく炊いたものなど、適切に扱われたものを使い、常温に長く置いた残りご飯を発酵用として救済しません。冷凍ご飯を使う場合も、適切に保存したものを十分に温めて用います。保存と温め直しは、ご飯の冷凍保存のコツ|おいしさを保つ小分けと解凍・温め方の基本も参考になります。

器具は洗浄したうえで、耐熱性などの説明に合う衛生処理を行います。熱湯に対応しない容器へ無理に熱湯をかけたり、消毒剤を説明どおりに使わず食品へ残したりしません。温度計の先端、ポットの栓、へら、保存容器のふたも、食品に触れる部分として準備します。

手を洗い、生肉などの調理と同時に進めないようにします。味見に使ったスプーンを仕込みへ戻さず、温度計も使う前後に衛生的に扱います。初回は食べ切れる量にし、仕込みを始める前に、完成後に冷やす場所と冷蔵庫の空きを確保してください。

次のページへおかゆと麹を混ぜる基本の仕込み手順
スポンサーリンク
  1. 秋の戸口に並ぶかぼちゃの明かりとかぶ、麦束
  2. 資料を手に落ち着いて話し合う二人
  3. ノートパソコンと資料、外付け記憶装置がある机
  4. 冬の木で越冬する卵のうやミノムシ、テントウムシ
  5. 青い折り鶴と三角に折った紙、無地の折り紙