電子工作の電源の選び方|乾電池・電池ボックス・USB給電の違いと、電圧と電流の考え方
電池ボックスで電圧を組み立てる
電池を回路につなぐときは、電池ボックス(電池ホルダー)を使います。電池を入れる本数と、つなぎ方によって電圧が決まります。

直列と並列
電子工作で使う電池ボックスの多くは、電池を直列につなぐ作りです。直列では、電圧が本数分だけ足し算になり、容量は1本分のままです。単三アルカリ2本なら3V、3本なら4.5V、4本なら6Vという具合です。
並列は、電圧は1本分のまま、容量が増えるつなぎ方です。ただし、電池どうしの残量の差で電池のあいだに電流が流れることがあるため、乾電池を自分で並列につなぐのはおすすめしません。長く動かしたいときは、並列にするより、容量の大きい電池や別の電源を選ぶほうが確実です。

スイッチやふた付きを選ぶ
電池ボックスには、配線が2本出ているだけのもの、スイッチが付いたもの、ふたで電池が落ちないようになっているものなどがあります。試作の段階では、スイッチ付きのものが便利です。回路を組み替えるたびに電池を抜かなくても、スイッチで電気を止められるからです。
配線の色は、多くの場合、赤がプラス、黒がマイナスです。ただし、色の決まりは製品によって違うことがあるので、最初に一度、テスターで向きを確かめておくと安心です。
電圧が少し高すぎるとき
電池の本数で、ちょうどよい電圧が作れないこともあります。たとえば5Vで動く回路に、アルカリ3本の4.5Vでは少し低く、4本の6Vでは高すぎる、という場合です。部品の動作範囲に4.5Vが入っていればそのまま使えますし、入っていなければ、後で紹介するレギュレーターで電圧を整える方法があります。
ダイオードを1本はさんで電圧を少し下げる、という工夫が紹介されることもありますが、下がる量は流れる電流によって変わり、正確ではありません。初めのうちは、電池の本数を選ぶか、レギュレーターを使うほうがわかりやすいでしょう。
USB給電を使うときの考え方
USBは、パソコンや充電器から5Vが取れる身近な電源です。電子工作のマイコンボードの多くは、USBのケーブル1本で、書き込みと電源の両方をまかなえるように作られています。
取れる電流の目安
USBから取れる電流は、つなぐ先によって違います。パソコンのUSB端子は、規格によって決められた電流までしか流せないことが多く、古いUSB 2.0の端子なら500mAほどが目安です。それを超える電流を流そうとすると、パソコン側が保護のために端子を止めることがあります。
スマホ用のUSB充電器は、パソコンの端子より大きな電流を出せるものが多く、モーターを少し回すくらいの工作には十分なことが多いでしょう。どれだけ出せるかは、充電器本体に書かれた出力の表示で確かめます。
急速充電の充電器でも5V
急速充電に対応した充電器は、9Vや12Vなどの高い電圧を出せるものがあります。ただし、多くの急速充電の方式では、つないだ機器と充電器が通信して、機器が求めたときにだけ高い電圧に切り替わる仕組みです。そうした通信をしない簡単なマイコンボードや電子工作の回路には、通常は5Vが出力されます。
とはいえ、規格に沿わない作りの製品や、端子を自分で加工したケーブルでは、思わぬ動き方をすることもあります。安全のため、USBの電源は、信頼できるメーカーの充電器とケーブルを使い、配線を自作する場合は、先にテスターで5Vが出ているかを確かめてからつなぎます。
パソコンを守るために
パソコンのUSBに試作中の回路を直接つなぐと、配線を間違えたときにパソコンの端子に負担がかかることがあります。モーターを使う回路や、配線が込み入っている試作では、パソコンとは別の充電器から電源を取るか、USBハブを間にはさむなど、パソコンへの影響を小さくする工夫をしておくと安心です。
モバイルバッテリーとACアダプター
持ち運べるUSB電源としてはモバイルバッテリー、机の上で長時間動かすならACアダプターが候補になります。
モバイルバッテリーの「自動で切れる」問題
モバイルバッテリーは、USBの5Vを長時間出せる便利な電源ですが、電子工作で使うと、しばらくして電源が切れてしまうことがあります。これは、流れる電流が少ないと、スマホの充電が終わったと判断して出力を止める仕組みを持つ製品があるためです。
消費電流の少ないマイコンの回路では、この仕組みが働きやすくなります。対策としては、低い電流でも出力を続けるモードを持つ製品を選ぶ、電池ボックスなど別の電源に替える、といった方法が現実的です。わざと電流を流して止まらないようにする工夫もありますが、電気の無駄が多く、初心者にはおすすめしません。
ACアダプターは完成品をそのまま使う
ACアダプターは、家庭用コンセントの電気を、低い電圧の直流に変えて出してくれる機器です。電子工作で使う場合は、必ず完成品をそのまま使い、出力側のプラグやケーブルの先だけを回路につなぎます。本体を分解したり、コンセント側の配線を加工したりしないでください。
ACアダプターを選ぶときは、次の三つを確かめます。
| 確認すること | 見る場所 | 合っていないとどうなるか |
|---|---|---|
| 出力電圧 | 本体の表示の「出力」 | 高すぎると部品が壊れる |
| 出力電流 | 同じく「出力」の電流 | 足りないと電圧が下がる |
| プラグの形と極性 | 外径・内径と極性の図 | 合わない、逆接続になる |
プラグの中心がプラスかマイナスかは、本体の表示に小さな図で描かれています。中心がプラスの製品が多いものの、すべてではないので、必ず確認します。










