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ものづくり・DIY

電子工作の電源の選び方|乾電池・電池ボックス・USB給電の違いと、電圧と電流の考え方

電圧をそろえるレギュレーターの基本

電源の電圧と、部品が必要とする電圧が合わないときに使うのが、電圧レギュレーター(定電圧の部品)です。マイコンボードの基板にも、多くの場合このしくみが組み込まれています。

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三端子レギュレーターの考え方

もっともよく使われるのは、入力・出力・グラウンドの三つの足を持つ三端子レギュレーターです。たとえば、6Vや9Vを入れると、5Vや3.3Vに整えて出してくれます。

このタイプは、入力と出力の電圧の差を熱として捨てて、電圧を下げています。電圧の差が大きいほど、また流れる電流が大きいほど、部品は熱くなります。9Vから3.3Vに下げて大きな電流を流すと、触れないほど熱くなることがあるので、電圧の差をなるべく小さくする電源を選ぶのが基本です。

また、レギュレーターには、入力が出力より少なくともこれだけ高くないと働かない、という差(ドロップアウト電圧)があります。差が小さくても働くタイプは低ドロップアウト(LDO)と呼ばれ、電池で使う回路に向いています。

DC-DCコンバーターという選択肢

電圧の差が大きいときや、電池を長持ちさせたいときは、DC-DCコンバーターという部品も使われます。電圧の差を熱にするのではなく、高い速度でスイッチを入れたり切ったりすることで、効率よく電圧を変えます。電圧を下げるだけでなく、上げることができるものもあります。

基板に組み込まれた小さなモジュールとして売られていることが多く、初心者でも扱いやすい形になっています。ただし、出力の電圧を調整できるタイプは、つなぐ前にテスターで電圧を確かめてから回路につなぐ習慣をつけてください。

電圧を整える部品の比較(レギュレーターとDC-DC変換器の比較)
電圧差と電流の大きさで選ぶ。

逆接続・ショートを防ぐ工夫

電源まわりの失敗でもっとも多いのは、プラスとマイナスを逆につなぐ逆接続と、プラスとマイナスが直接つながるショートです。どちらも、部品の故障や発熱の原因になります。

配線の習慣

  1. 電源をつなぐ前に、回路図とブレッドボードの配線を見比べる
  2. プラスは赤、マイナスは黒など、線の色を自分で決めて守る
  3. 電源は最後につなぎ、配線を変えるときは先に電源を外す
  4. 初めて電源を入れたら、部品が熱くなっていないか、においがしないかを数秒確かめる
  5. おかしいと感じたら、すぐ電源を外してから原因を探す

ブレッドボードの電源用の列は、ボードの端から端までつながっていないものもあります。途中で切れているタイプかどうかを、最初にテスターで確かめておくと、思わぬ断線や接続ミスを防げます。

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部品で守る

逆接続から回路を守るために、電源の入口にダイオードを入れる方法があります。逆向きにつないだときに電流が流れないようにするしくみで、電圧が少し下がる代わりに安全性が上がります。また、ヒューズ(決められた電流を超えると切れる部品)を入れておけば、ショートしたときに大きな電流が流れ続けるのを防げます。

電池ボックスのコネクターに、逆向きにはささらない形のものを使うのも、手軽で効果のある工夫です。

電源を入れる前の確認(電圧が部品の範囲に入っている、プラスとマイナスの向きが合っている、電源の列がつながっている、裸の線どうしが触れていない、電池の種類と残量がそろっている、電源を外せる位置に手がある)
つなぐ前の数十秒が、部品を守る。

リチウムイオン電池を使う前に知っておくこと

スマホやモバイルバッテリーに使われているリチウムイオン電池は、小さくて軽く、容量も大きい電池です。電子工作でも、筒形の単セルや、薄いパウチ形の電池が売られています。

ただ、リチウムイオン電池は、充電しすぎや使いすぎ、ショート、強い衝撃などで、発熱や発火のおそれがある電池です。安全に使うには、保護回路のついた電池を選ぶ、専用の充電回路で充電する、傷や膨らみのある電池は使わない、といった知識が必要になります。

初めての電子工作では、乾電池やニッケル水素の充電池、USB給電で十分なことがほとんどです。リチウムイオン電池は、電源の扱いに慣れてから、保護回路と充電回路がまとまったモジュールや、メーカーが用途を明示している製品を使って試すのがよいでしょう。スマホやモバイルバッテリーを分解して、中の電池を取り出して使うことはしないでください。

膨らんだり、熱を持ったりしたリチウムイオン電池は、使うのをやめて、自治体の決まりに従って処分します。捨て方は地域によって違うので、自治体の案内で確認してください。

作品の使い方から電源を決める

最後に、作るものの使い方から電源を選ぶ考え方をまとめます。

机の上で試すとき

ブレッドボードで試作しているあいだは、USB給電がいちばん手軽です。マイコンボードへの書き込みもできて、電池切れの心配もありません。モーターなど電流の多い部品を使うときは、パソコンのUSBではなく、スマホ用の充電器から取ると余裕が出ます。

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持ち運ぶもの・置いておくもの

身につけるものや、外へ持ち出すものは電池が向いています。使う時間が短く、消費電流が少ないならボタン電池、数時間以上動かしたいなら単三や単四の電池ボックスが候補になります。部屋に置いて長く動かすなら、ACアダプターやUSB充電器で給電すると、電池の交換がいりません。

長く動かしたいときの工夫

電池で長く動かしたいときは、回路の消費電流を減らすことも考えます。使わない時間はマイコンを省電力の状態にする、LEDの明るさを抑える、などの工夫で、電池の持ちは大きく変わります。容量の計算では、待機中の電流も足し算に入れるのがコツです。

たとえば、容量がおよそ2000mAhの単三ニッケル水素充電池を4本直列にした電池ボックスで、平均40mAを使う回路を動かすとします。直列では容量は1本分のままなので、計算のうえでは2000÷40で50時間ほどです。ただ、電池は最後まで使い切れるわけではなく、回路が動かなくなる電圧まで下がった時点で終わりになるので、実際にはその7〜8割ほどを目安に見ておくと、見積もりが外れにくくなります。寒い屋外で使う場合や、モーターのように大きな電流が流れる場合は、さらに短くなると考えておきましょう。

計算と実際がどれくらい違うかは、一度試してみると分かります。新しい電池で回路を動かし始めた時刻を記録し、止まった時刻と比べてみると、自分の回路に合った見積もりの感覚がつかめます。

マイコンを使った工作の始め方はArduinoの始め方、ブレッドボードの回路を基板にまとめる方法はユニバーサル基板への組み替えで紹介しています。電源の線を基板にはんだ付けするときは、線の太さと向きをいっそう注意して確かめてください。

まとめ

電子工作の電源選びは、回路が必要とする電圧を確かめ、流れる電流を見積もり、そのうえで電池やUSB、ACアダプターから使い方に合うものを選ぶ、という順番で考えると迷いにくくなります。電池は種類によって1本の電圧が違うこと、USBやACアダプターは出せる電流に上限があること、つなぐ前に向きと電圧を確かめることが、失敗を減らす基本です。

最初の一歩として、いま使っている部品の動作電圧と消費電流を、表にして書き出してみてください。そのうえで、手持ちの電池ボックスの電圧を「1本の電圧×本数」で計算し、テスターで実際の電圧を測って比べてみると、電源の数字が手で触れるものとして見えてきます。

よくある質問

乾電池と充電池は同じように使えますか?

多くの場合は使えますが、電圧が少し違います。アルカリ乾電池は1本1.5V、ニッケル水素の充電池は1本1.2Vが目安なので、本数が増えるほど差が大きくなります。回路が動く電圧の範囲に入っているかを、本数をかけ算して確かめてください。

スマホの充電器で電子工作の回路を動かしてもよいですか?

USBの5Vで動く回路なら、使える場合が多いです。急速充電に対応した充電器でも、機器側が高い電圧を求めない限りは5Vで出力されるのが一般的です。ただし、取れる電流には限りがあるので、モーターなど電流の多い部品をつなぐときは余裕を見て選びます。

9Vの角形電池はマイコンの電源に向いていますか?

電圧は足りても、容量が小さく、長時間の動作には向かないことが多いです。マイコンボードを数時間以上動かしたいなら、単三電池を複数本使う電池ボックスやUSB給電のほうが扱いやすいでしょう。

モバイルバッテリーをつないだら、しばらくして電源が切れてしまいます。

モバイルバッテリーには、流れる電流が少ないと充電が終わったと判断して出力を止める製品があります。消費電流の少ない回路では起こりやすい現象です。この仕組みのない製品を選ぶか、電池ボックスなど別の電源を使うと解決しやすくなります。

家庭用コンセントの100Vを使う工作はこの記事の範囲ですか?

いいえ。100Vの配線や、ACアダプターを分解して改造するような作業は、感電や火災の危険があるため扱いません。コンセントから電源を取るときは、市販のACアダプターをそのまま使い、出力側の低い電圧だけで工作してください。

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