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ものづくり・DIY

はんだごての選び方とこて先の手入れ|ワット数と温度調節の見方、こて先の形、黒くなったこて先の戻し方

はんだごては、ワット数よりも温度を保つ力とこて先の形で使いやすさが決まります。こての種類の違い、ワット数と温度調節の読み方、はんだに合わせた設定の目安、こて先の形の使い分け、こて先が黒くなる理由と毎回の手入れ、はんだをはじくこて先の戻し方、交換の目安までまとめました。

こて台に置かれたはんだごてと小さな基板、糸はんだ

はんだ付けを始めようとしてはんだごてを探すと、数百円の簡単なものから、温度を数字で設定できる台付きのものまで、さまざまな種類が並んでいます。「何ワットがいいのか」「温度調節は必要なのか」「こて先はどれを選べばいいのか」と迷い、とりあえず手ごろなものを買ったら、はんだがうまく流れず苦労した、という話もよく聞きます。

はんだごての使いやすさは、ワット数の大小だけでは決まりません。こて先の温度をどれだけ安定して保てるか、作業に合ったこて先の形を選べるか、そしてこて先をよい状態に保てるかが大きくかかわります。この記事では、はんだごての中で起きていることから、種類と選び方、温度の考え方、こて先の形の使い分け、毎回の手入れと、黒くなったこて先の戻し方までを順に見ていきます。

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はんだごての中で起きていること

ヒーターからこて先へ熱が流れる

はんだごては、握りの先にある「ヒーター」で熱を作り、その熱を金属の「こて先」へ伝える道具です。ヒーターには、細い金属線を巻いたニクロム線式と、発熱体をセラミックで包んだセラミックヒーター式があります。セラミックヒーターは温まるのが早く、こて先の近くに熱源を置きやすいため、温度の安定したこてによく使われています。

はんだ付けでは、こて先から部品の足と基板のランド(銅の部分)へ熱が移ります。熱が移った分、こて先の温度は下がり、ヒーターがそれを補います。この「熱を奪われて下がり、また戻る」を繰り返しながら作業していると考えると、こての性能の違いが分かりやすくなります。

熱容量と「温度の戻り」

こて先がたくさんの熱をため込める度合いを「熱容量」といいます。こて先が大きく太いほど熱容量は大きく、接合部に当てても温度が下がりにくくなります。反対に、細いこて先は熱容量が小さく、広い銅箔や太い線に当てると、すぐに温度が下がってしまいます。

もう一つ大切なのが、下がった温度がどれだけ早く戻るか、つまり「温度の戻り(熱回復)」です。ヒーターの力が十分で、ヒーターとこて先の距離が近いほど、戻りは早くなります。続けていくつもの接合をするとき、戻りの遅いこてでは、2か所目、3か所目と進むにつれて温度が足りなくなり、はんだが流れにくくなります。

はんだ付け中の熱の流れ(1. 発熱、2. 伝わる、3. 奪われる、4. 戻る)
こて先は、奪われた熱をヒーターから受け取り続けます。

「うまく付かない」の多くは熱の問題

はんだが丸く盛り上がって広がらない、表面がざらつく、といった失敗の多くは、腕前よりも熱の不足が原因です。温度が足りない、こて先が接合部に小さな点でしか触れていない、こて先が汚れて熱が伝わらない、のいずれかが重なっていることがほとんどです。はんだごて選びと手入れは、この熱の伝わり方を整えるためのものだと考えると、判断の軸がはっきりします。

はんだ付けの基本的な動かし方ははんだ付けの基本|道具選びから接合・検査・修正までの実践手順にまとめているので、手順を確認したい人はあわせて読んでみてください。

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はんだごての種類

主な種類と向いている人

はんだごてには、いくつかの形があります。使う場面と予算に合わせて選びます。

種類 特徴 向いている人・場面 注意点
温度調節なし(コンセント直結) 構造が簡単で安価。ワット数で温度がおおよそ決まる 時々の簡単な作業、まず試したい人 温度が上がりすぎやすく、こて先が傷みやすい
温度調節付き(ペン型) 握りや本体のダイヤルで温度を設定できる 初めての1本、置き場所が限られる人 機種により温度の安定性に差がある
ステーション型 台座の制御部で温度を保つ。こて先の交換もしやすい 電子工作を続ける人、鉛フリーを使う人 場所を取り、価格も高め
USB給電などの小型 小さく持ち運びやすい 出先での軽い修理、細かい部品 電源の能力によって熱量が足りないことがある
ガス式 コードがなく、どこでも使える 屋外や電源のない場所での作業 火気の扱いに注意。室内の細かい作業には向きにくい

温度調節の仕組みの違い

温度調節付きのこてには、大きく二つの方式があります。一つは、ヒーターに流す電気の量を決まった割合で絞るだけの方式です。設定の目盛りは目安で、実際のこて先の温度は作業の状態によって上下します。

もう一つは、こて先の近くに温度を測るセンサーがあり、温度が下がると自動でヒーターを強める方式です。ステーション型の多くや、一部のペン型がこの方式で、温度の戻りが早く、設定した温度に近い状態を保ちやすくなります。製品の説明に「温度制御」「センサー付き」などとあるかを確かめると、違いが分かります。

最初の1本の考え方

これから電子工作を続けるつもりなら、温度調節ができ、こて先を交換できるものを選ぶと、あとで困りにくくなります。交換用のこて先が手に入りやすいか、対応するこて台が付いているか、説明書や保守部品の情報があるかも確かめておきましょう。

一方、ほんの数か所をはんだ付けしたいだけなら、温度調節のない手ごろなこてでも作業はできます。その場合は、こて先を高温のまま長く放置しない、作業が終わったらすぐ電源を切る、といった扱いで傷みを抑えます。

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