囲碁のルール入門|石の取り方と陣地の数え方、9路盤で始める最初の一局
囲碁を初めて打つ人に向けて、交点への着手、呼吸点とアタリ、石を取る仕組み、着手禁止点とコウ、二眼の意味を順に紹介します。日本ルールを中心に終局と地の数え方を整理し、中国ルールとの違い、9路盤の選び方、置き碁とコミ、詰碁を使う練習まで、最初の一局を終えるための手順をまとめました。

囲碁は、黒と白の石を交互に置き、囲んだ場所の広さを競う二人用のゲームです。盤面を見ただけでは陣地がどこにあるのか分かりにくいものの、最初に覚える動作は「交点へ打つ」「石の周りの空きを数える」「有効な手がなくなったら終局を確かめて数える」の三つから始められます。
最初の目標は、強い手を選ぶことより、一局を終えて勝敗を確認することです。ここでは日本ルールの考え方を中心に、石の取り方と生き方、終局時の数え方を整理します。9路盤を手元に置き、説明に合わせて少数の石を並べると、言葉だけで読むより関係を確かめやすくなります。
石はマスの中ではなく交点に打つ
線の端や角も打てる場所です
碁盤には縦横の線があり、その交わる点に石を置きます。将棋のようにマスの中へ置くわけではありません。線の端と端が交わる四隅も交点なので、盤の内側と同じように使えます。9路盤は縦横に九本ずつ線があり、交点は八十一か所です。
通常は黒が先に一個打ち、白が一個打ちます。その後も一手ずつ交互に打ち、すでに石のある交点へ重ねて置くことはできません。一度打った石は、相手に取られるなどの理由がなければ、その場所に残ります。自分の番に、前の手で置いた石を移動させることもできません。
盤上の小さな黒い印は「星」と呼ばれ、位置を見やすくする目印です。星へ打つことが義務ではなく、星だけに特別な得点があるわけでもありません。置き碁の配置に使われる場合がありますが、まずは線の交点として扱えば十分です。
石の数と陣地の広さを分けて考えます
日本ルールでいう「地」は、終局時に自分の生きた石で囲んだ空いている交点を、一定の条件で数えたものです。置いてある自分の石そのものを、一個一目として足すわけではありません。この違いを知っておくと、空き地を自分の石で全部埋めようとする迷いを減らせます。
例えば、盤の隅で自分の石と盤の端を使って空点を囲めば、四方を石だけで囲む必要はありません。盤の外へ相手が回り込むことはできないので、端も囲いの一部として働きます。ただし、その囲いを作る石が取られてしまうなら、安定した地にはなりません。
初心者同士なら、最初に「今日は9路盤、日本ルールで数える」と確認して始めます。アプリを使う場合も採点方式を見ておきましょう。用具やルール説明を先にそろえる考え方は、ユーロゲームの始め方|ドイツ系ボードゲームの特徴と最初の1本の選び方でも紹介しています。
呼吸点とアタリは一団ごとに数える
縦横でつながった石は一つの仲間です
石に縦横で直接接している空いた交点を、ここでは「呼吸点」と呼びます。囲碁の説明では「ダメ」という言い方も使われます。中央に一個だけ置いた石には、上・下・左・右に最大四つの呼吸点があります。辺なら最大三つ、隅なら最大二つで、斜めの点は呼吸点に入りません。
同じ色の石が縦横に接すると、一つのつながった一団になります。一団のどこかに呼吸点が残っていれば、その一団は盤上に残れます。斜めに並ぶ同色の石は、見た目が近くても、ルール上は直接つながっていません。間に相手が打てるかを考える場面では、この違いが大切です。
二個の石を横に並べたとき、石ごとの空きを単純に足してはいけません。一団の周囲をたどり、接している空いた交点を重複なしで数えます。複雑な形になったら、指で同じ色のつながりを確かめてから、周囲の空点を一つずつ見つけると数えやすくなります。
盤の中央で、周りにほかの石がない黒二個を横に並べると、呼吸点は六つです。上に二つ、下に二つ、左右の端に一つずつあります。二個の間は石で埋まっているため、そこを空きとして数えません。この六つを白が一つずつふさぐ例を作ると、一団全体が最後までまとめて残る様子が分かります。
今度は黒三個をL字に並べてみます。L字の内側の空点は二個の黒石に接しますが、空点としては一か所です。同じ場所を二回数えると、実際より呼吸点が多いと誤解します。慣れるまでは数えた空点を小さな紙片などで示し、重複がないことを確かめてもよいでしょう。
この練習の間、白を続けて置くのは形の観察のためです。実際の対局では黒にも手番があり、延ばしたり白を取ったりできます。完成した図の説明と、交互に打つ対局の手順を混ぜないようにすると、「なぜ途中で逃げないのか」という疑問も整理できます。
呼吸点があと一つならアタリです
一団の呼吸点が一つだけになった状態が「アタリ」です。相手が次にその最後の呼吸点へ打つと、一団が取られます。アタリになっても、その瞬間に石を取り除くわけではありません。手番が回ってきた側には、逃げる、別の石へつなぐ、相手の石を取るといった対応の可能性があります。

最初は「アタリ」と声に出して知らせる練習にすると、見落としに気づきやすくなります。ただし、正式な対局で相手にアタリを告げる義務はありません。親切な練習上の約束とルールを区別し、告げられなかったことを反則とは考えないようにします。
練習では、中央、辺、隅に一個ずつ石を置いて呼吸点を数えます。次に同色の石を一個足し、呼吸点がどう変わったかを見ます。端へ逃げると空きが減りやすいこと、仲間につながると一団で空きを共有することを、少ない石で確かめられます。
最後の呼吸点をふさぐと石を取れる
取るのは最後に打った石に接する一個とは限りません
相手の一団の呼吸点をすべてふさぐと、その一団を盤上から取り上げます。囲碁では取った石を「アゲハマ」や「ハマ」と呼びます。一団が十個なら十個まとめて取り、一手で別々の一団を同時に取る場合もあります。最後に打った石のすぐ隣だけを見ず、影響を受けた一団の全体を調べます。
取った石は自分の石入れへ混ぜず、相手の色ごとに分かる場所へ保管します。日本ルールの採点で使うためです。石を取り上げた跡は空点に戻るので、その後の手で再び使えます。ただし、すぐ同じ形に戻すコウの制限については、次の節で確認します。
石を取る手順は、次のように確かめると間違いを減らせます。
- 自分の石を、空いている交点へ一個置きます。
- その一手で、隣接する相手の一団の呼吸点がなくなったか確認します。
- 呼吸点のない相手の一団を、残さず取り上げます。
- 取り上げた後に、自分の石の一団へ呼吸点ができているか確認します。
- 取った石をアゲハマとして分け、相手の番にします。
逃げる前に、逃げた先の空きも見ます
アタリの石を一歩延ばせば、必ず助かるわけではありません。延ばした先でも呼吸点が一つしかなければ、またアタリになり、端へ追い込まれることがあります。助けたいときは、延ばした後の一団全体を数え、別の仲間につながる道があるかも見ます。
反対に、小さな石を一個助けようとして、大きな一団が切られることもあります。序盤の練習では「取られたら失敗」と決めつけず、何個を守るために何手使ったかを振り返ります。囲碁はすべての自分の石を最後まで残すゲームではなく、全体の得点を比較するゲームだからです。
「囲まれた石」と「取られる石」も同じではありません。外側を相手に囲まれていても、内側に安定した空きがあれば残れる場合があります。ここまでで石を取る条件を理解したら、次は打てない場所と、生きた石が残る理由を確認します。










