古墳の見方入門|墳丘の形と埴輪・葺石・石室で読み解く、現地での歩き方
前方後円墳の各部の名前
前方後円墳は形が複雑なので、各部の名前を知っておくと、案内板の説明や見学の目印がわかりやすくなります。
後円部・前方部・くびれ部
丸い部分が後円部、四角い部分が前方部、二つがつながるくびれた部分がくびれ部です。くびれ部の横には、四角く張り出した「造り出し」と呼ばれる部分が設けられていることがあります。造り出しでは、埴輪が並べられたり、祭祀に使われたと考えられる土器が見つかったりしています。
段築(だんちく)
大きな古墳の墳丘は、一度に盛り上げた一つの山ではなく、何段かに分けて階段状に造られていることが多く、これを段築と呼びます。三段に築かれた前方後円墳がよく見られます。段の平らな部分(テラス)には、埴輪が並べられていました。
木が茂った古墳でも、斜面の途中に平らな段があることに気づくと、段築の跡だとわかります。段の数を数えながら外周を歩いてみると、墳丘の造りが見えてきます。
周濠(しゅうごう)と周堤
大きな古墳の周りには、墳丘を囲む堀(周濠)が設けられていることがあります。水をたたえた周濠もあれば、水のない空堀もあります。周濠のさらに外側に、堤(周堤)がめぐらされている古墳もあります。
周濠の一部が今では田んぼや住宅地になっていることも多く、道路の曲がり方や土地の区画に、かつての周濠の形が残っていることがあります。地形図で古墳の周りを見ると、等高線や区画からこうした跡を探すことができます。地形図の読み方は地形図と等高線の読み方にまとめています。

葺石(ふきいし)と埴輪(はにわ)
造られたばかりの古墳は、今のように木が茂った緑の丘ではなく、表面が石で覆われ、埴輪が並んだ姿をしていたと考えられています。

葺石は墳丘を覆う石
葺石は、墳丘の斜面に敷き詰められた石です。川原の石などを使い、盛り土が雨で流れるのを防ぐとともに、墳丘を白っぽく輝く姿に見せていたと考えられています。
葺石や埴輪を当時の姿に復元した古墳もあります。兵庫県神戸市の五色塚古墳は、墳丘に葺石を敷き、埴輪の複製を並べて、造られた当時の姿を再現した例として知られています。木の茂った古墳と見比べると、まったく違う印象を受けるはずです。
埴輪の種類
埴輪は、古墳の墳丘やその周りに並べられた素焼きの焼き物です。大きく分けると、筒の形をした円筒埴輪と、物や人の形をした形象埴輪があります。
円筒埴輪は、墳丘の段や頂上を取り囲むように、列になって並べられました。数がもっとも多い埴輪で、墳丘を区切る垣根のような役割があったと考えられています。円筒埴輪の上の部分が朝顔の花のように開いた、朝顔形埴輪もあります。
形象埴輪には、家の形をした家形埴輪、盾や靫(ゆぎ。矢を入れる道具)などの器財埴輪、鶏や馬などの動物埴輪、人の姿をした人物埴輪があります。時代が下るにつれて、人物や動物の埴輪が増えていきます。埴輪がどのように並べられたかを調べると、葬送の儀式の様子を考える手がかりになります。

資料館で埴輪を見る
古墳の現地では、埴輪そのものが残っていることはまれで、出土した埴輪は近くの資料館や博物館に収められていることが多くあります。古墳を訪ねる前後に資料館に立ち寄ると、現地で見た墳丘と、そこに並んでいた埴輪の姿を結びつけて理解できます。博物館での見学のコツは博物館を楽しむ見学の基本も参考にしてください。










