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ものづくり・DIY

テスター(マルチメーター)の基本|乾電池で覚える電圧・導通・抵抗の測り方

電流の測定で気をつけること

直列に入れて測る

電圧は二点に棒を「当てて」測るのに対し、電流は回路を一か所切り離し、その間にテスターを「挟んで」測ります。これを直列接続といいます。水道管の水の量を測るとき、管の途中にメーターを入れるのと同じ考え方です。

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この違いを理解しないまま、電流の端子のテスト棒を電池の両端に当てると、先に述べたようにほぼ短絡の状態になります。電流の測定が電圧の測定より事故が起きやすいのは、このためです。

練習するなら小さな回路で

電流を測るなら、乾電池とLED、抵抗器をつないだような、電流の小さな回路で練習します。

  1. 電源を外した状態で、回路の一か所(たとえば電池と抵抗器の間)を切り離します。
  2. 赤いテスト棒を mA の端子に差し替え、ダイヤルを直流電流に合わせます。
  3. 切り離した二点の間にテスト棒を入れ、ワニ口クリップなどで固定します。
  4. 電源をつなぎ、値を読みます。
  5. 電源を外してからテスト棒を外し、赤いテスト棒を V・Ω の端子に戻します。

モーターなど電流を多く流す部品や、容量の大きい電池を使った回路は、テスターの電流端子の上限を超えるおそれがあるため、最初の練習には使いません。端子の上限は機種によって違うので、説明書で確かめてください。

ヒューズが切れたら

電流の端子を使った後で、電流の表示がまったく出なくなった場合、内部のヒューズが切れていることがあります。交換するときは、説明書で指定された種類と定格のヒューズを使います。手近にある別のヒューズや針金で代用すると、本来守られるはずの場面で守られなくなるため、絶対に行わないでください。交換の手順が分からない場合は、メーカーに問い合わせます。

測定値がおかしいときの切り分け

テスター側から順に疑う

測定値が予想と違うとき、いきなり回路を疑うと遠回りになることがあります。まずはテスター側に原因がないかを、決まった順で確かめます。

症状 まず確かめること 考えられる原因
何を測っても 0 付近 テスト棒の差し込み、ダイヤル 棒が奥まで差さっていない、測る種類が違う
導通で音が鳴らない 先端どうしを当てて鳴るか テスターの電池切れ、棒の断線
電流がまったく出ない 電流端子のヒューズ 以前の操作でヒューズが切れた
抵抗が安定しない 指の触れ方、接点の汚れ 体の抵抗が入っている、酸化
表示が薄い、ちらつく テスター本体の電池 電池の消耗
電圧に「-」が付く 赤と黒の当て方 極性が逆になっている

テスターの電池が弱ると、表示が薄くなるだけでなく、値が不正確になる機種もあります。電池マークが表示されたら早めに交換しましょう。

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測り方を比べて確かめる

テスターが正常かどうか自信がないときは、値の分かっているものを測るのが近道です。新しい乾電池の電圧、カラーコードを読んだ抵抗器、先端どうしの導通などを試し、いつもどおりの値になれば、テスター側の問題ではないと判断できます。

回路を調べるときは、「電源 → 配線 → 部品」の順に、電気が流れる道筋に沿って確かめていくと、原因の場所を絞り込みやすくなります。

切り分けの順番(1. テスターを確かめる、2. 電源を確かめる、3. 配線を確かめる、4. 部品を確かめる)
テスター側から順に疑います。

記録を残す

測った値は、紙やノートにメモしておくと役立ちます。「どこからどこを測ったか」「どのモードで測ったか」「値はいくつだったか」を残しておけば、後から見直したときに比較ができます。回路図のコピーに直接書き込むのも分かりやすい方法です。

安全に使い続けるための決まりごと

測らないものを決めておく

テスターは、本来は家庭用の電源も測れるように作られている機種が多い道具です。しかし、測れることと、安全に測れることは別です。電子工作の範囲で使うなら、次のものは測らないと最初から決めておくと安心です。

  • 家庭用のコンセントや延長コード、分電盤
  • 家電の内部(電源を切っていても、部品に電気が残っている場合がある)
  • 車やバイクのバッテリー、大容量のリチウムイオン電池
  • 太陽光発電の設備や、大きな電源装置

こうしたものの点検や修理は、電気工事士やメーカー、専門の業者に任せてください。

道具の手入れ

テスト棒の被覆にひびや裂け目がないか、使う前に確かめます。傷んだテスト棒は交換します。使い終わったら、ダイヤルを「OFF」に戻して電池の消耗を防ぎ、長く使わないときは本体の電池を外しておくと、液漏れを防げます。

テスト棒の先は、細かいところに当てやすい反面、手を傷つけやすい形です。先端のキャップがある機種なら、使わないときは付けておきましょう。

一歩進んだ使い方

慣れてきたら、次のような機能も試せます。

  • ダイオードの確認:LED の向きや、ダイオードが壊れていないかを調べられます。LED がうっすら光る機種もあります。
  • ワニ口クリップの併用:両手を空けて測れるため、回路を触りながら値の変化を見られます。
  • ホールド機能:表示を固定できる機種なら、狭い場所で測って後から値を読めます。

どの機能も、まずは低い電圧のキットで、説明書を読みながら試してください。

まとめ

テスターは、見た目では分からない電圧や配線のつながりを、数字や音で教えてくれる道具です。黒は COM、赤は測るものに合わせた端子、ダイヤルは測る種類に合わせる、という三つの確認を習慣にすれば、多くの失敗は防げます。電圧は当てて測り、導通と抵抗は電源を外して測り、電流は直列に挟んで測る、という違いも押さえておきましょう。

最初の一歩としては、手元にある乾電池を何本か並べ、新しいものと使いかけのものの電圧を測って記録してみてください。続けて、テスト棒の先どうしを当てて導通のブザーを鳴らし、ジャンパーワイヤーを一本ずつ確かめてみると、テスターの操作が手になじんできます。

よくある質問

家庭のコンセントの電圧を測って練習してもよいですか?

この記事ではおすすめしません。家庭用の電源は感電や短絡の危険が大きく、測定器の安全表示や正しい手順を理解したうえでも事故が起こりえます。練習は乾電池やUSB電源など低い電圧で行い、屋内配線や家電の内部は電気工事士やメーカーに任せてください。

乾電池の電圧が表示どおりなら、まだ使えますか?

目安にはなりますが、テスターで測るのは電流をほとんど流していない状態の電圧です。機器につないで電流が流れると電圧が下がる電池もあるため、電圧が十分でも機器が動かない場合があります。

導通チェックで音が鳴らないのは故障ですか?

まずテスト棒がジャックの奥まで差さっているか、ダイヤルが導通の位置か、先端どうしを当てて音が鳴るかを確かめます。先端どうしで鳴るなら、テスターではなく測っている配線や接点の側を疑います。

抵抗を測ると表示が毎回少しずつ違うのはなぜですか?

テスト棒の当て方、接点の汚れ、指が部品の両端に触れていることなどで値は変わります。抵抗には許容差もあるため、表示が数字どおりにならないことは珍しくありません。

電流の測定は最初から覚えたほうがよいですか?

最初は電圧と導通、抵抗を確実にするほうが役立ちます。電流は回路に直列に入れて測る必要があり、差し込み口を間違えるとヒューズが切れやすいため、慣れてから低い電圧の回路で試すのが安心です。

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