冬の静電気のしくみ|バチッとくる理由と帯電列、湿度・服の素材・触り方で減らす方法
体に静電気がたまる場面
静電気は、服だけでなく、日々の動作の中でも体にたまっていきます。どんな場面でたまりやすいかを知っておくと、放電する前に対策しやすくなります。
歩くとき
床を歩くと、靴の底と床が、くっついては離れることを繰り返します。そのたびに電子が移り、体に電気がたまっていきます。ゴム底の靴は電気を通しにくいため、体にたまった電気が床へ逃げにくくなります。カーペットの上を歩くと、特にたまりやすいことがあります。
座席から立ち上がるとき
車のシートや、布張りの椅子から立ち上がるとき、服とシートがこすれながら離れるため、静電気がたまります。車から降りるときにドアに触れてバチッとくるのは、立ち上がった瞬間に体にたまった電気が、車体の金属に向かって放電するためです。
服を脱ぐとき
重ね着した服を脱ぐときは、服同士が勢いよくこすれ合いながら離れるため、静電気が一気にたまります。暗い部屋で脱ぐと、小さな火花が見えることもあります。
髪をとかすとき
乾いた髪を、プラスチックのくしでとかすと、髪とくしのあいだで電子が移り、髪が広がったり、くしにくっついたりします。髪の一本一本が同じ種類の電気を帯びて、互いに反発し合うために広がるのです。

バチッとくる瞬間に起こっていること
ドアノブに手を近づけたとき、なぜ触れる直前に「バチッ」とくるのでしょうか。
空気を通り抜ける放電
空気は、ふだんは電気をほとんど通しません。しかし、体にたまった電気が多くなり、指先とドアノブのあいだの距離が近くなると、空気の中を電気が一気に通り抜けるようになります。このとき、空気がわずかに光り、音がします。これが、静電気の火花と音の正体です。
指先が痛い理由
放電が起こるとき、電気は指先の狭い部分に集中して流れます。指先には痛みを感じる神経が多く集まっているため、ほんの一瞬でも、はっきりとした痛みを感じます。
放電のときの電圧は、条件によっては数千ボルトになることもあると言われます。数字だけを見ると大きく感じますが、流れる電気の量はごくわずかで、時間もほんの一瞬です。そのため、ふつうはやけどやけがにはつながりません。
雷との共通点
雷も、静電気の放電の一種です。雲の中で、氷の粒どうしがぶつかり合うことで電気がたまり、それが一気に地面や別の雲へ流れるのが雷です。規模はまったく違いますが、電気がたまって、空気を通り抜けて一気に流れるというしくみは同じです。
痛みを感じにくい触り方
静電気を完全になくすことは難しくても、触り方を工夫することで、痛みを感じにくくすることはできます。
手のひら全体で触れる
指先でちょんと触れると、電気が指先の狭い部分に集中し、痛みを強く感じます。手のひら全体や、手の甲でぺたっと触れるようにすると、電気が広い面に分散して、痛みを感じにくくなります。
金属を握って触れる
鍵や硬貨など、金属の物を手のひら全体で握り、その先をドアノブに当てる方法もよく知られています。放電は金属の先とドアノブのあいだで起こるため、指先に電気が集中しません。
先に木や壁に触れる
ドアノブに触れる前に、木の扉やコンクリートの壁など、電気を少しずつ通す物に触れておくと、体にたまった電気がゆっくり逃げていきます。急に一気に流れるわけではないので、痛みを感じにくくなります。

車から降りるとき
車から降りるときは、シートから立ち上がる前に、ドアの金属部分に手を触れておき、触れたまま立ち上がって降りる方法があります。体にたまる電気が、そのまま車体に逃げていくため、降りたあとにドアに触れてもバチッとしにくくなります。
ガソリンスタンドでは、給油の前に静電気除去シートに触れるよう案内されていることがあります。燃料の気化したガスに静電気の火花が引火するのを防ぐためです。案内がある場合は、必ず従ってください。










