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自然・サイエンス

単位のしくみ入門|SI基本単位と接頭語、尺貫法やヤード・ポンドとの換算の考え方

メートルやキログラムはどう決められているのか。SIの7つの基本単位と、物理定数による定義、キロやミリなどの接頭語、組立単位の読み方、単位記号の正しい書き方、尺貫法やヤード・ポンド法との換算、測るときの誤差と有効数字の考え方までをまとめました。

長さや質量、時間を測る道具が並ぶ机

一メートルの長さや一キログラムの重さは、誰が、何をもとに決めているのでしょうか。ふだん当たり前のように使っている単位にも、長い歴史と、世界中で同じ値を使えるようにするための工夫があります。2019年には、キログラムをはじめとするいくつかの単位の定義が大きく改められ、すべての基本単位が自然界の定数によって決められるようになりました。

この記事では、国際単位系(SI)の7つの基本単位と、その定義の考え方、キロやミリなどの接頭語、ニュートンやワットのような組立単位の読み方、単位記号の正しい書き方を順に紹介します。後半では、尺貫法やヤード・ポンド法との換算、そして実際に何かを測るときに知っておきたい誤差と有効数字の考え方をまとめます。料理の計量や日曜大工、天気予報の気圧の数字など、身近な場面とつなげながら読んでみてください。

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単位とは何か――「比べるための基準」

単位とは、量を比べるための基準のことです。「この机の幅は1.2メートル」と言うとき、私たちは机の幅を「1メートル」という基準と比べて、その1.2倍だと表しています。数字だけでは量は伝わらず、必ず「何を基準にしたのか」という単位とセットで意味を持ちます。

昔は、基準は身近なものから取られていました。人の体の長さ(手の幅、足の長さ、腕の長さ)や、穀物の粒の重さ、ある容器に入る量などです。わかりやすい反面、地域や時代によって値がばらばらになり、商売や工事で混乱が起きました。

そこで十八世紀末のフランスで、地球の大きさをもとに長さの基準を決めようという試みが始まり、メートル法が生まれました。その後、十九世紀に国際的な条約(メートル条約)が結ばれ、各国が共通の基準を使う仕組みが整えられていきます。現在の国際単位系(SI)は、この流れを受けて二十世紀半ばに定められたもので、今では科学の世界だけでなく、多くの国の日常生活の単位の土台になっています。

SIの7つの基本単位

SIでは、7つの量を「基本量」とし、それぞれに基本単位を決めています。ほかのすべての単位は、この7つを組み合わせて表すことができます。

量 単位の名前 記号 身近な例
時間 秒 s 時計、料理のタイマー
長さ メートル m 定規、身長、距離
質量 キログラム kg 体重計、キッチンスケール
電流 アンペア A 家電の消費電流、ブレーカー
熱力学温度 ケルビン K 科学の温度表記(セルシウス度のもと)
物質量 モル mol 化学の反応の計算
光度 カンデラ cd 光源の明るさ

このうち、ふだんの生活で直接目にするのは秒、メートル、キログラム、アンペアくらいでしょう。ケルビンは、私たちが使うセルシウス度(℃)のもとになっている単位で、温度の差はケルビンとセルシウス度で同じ大きさです。0℃はおよそ273.15ケルビンにあたります。

モルは、原子や分子のような目に見えない粒を「ひとまとまり」で数えるための単位です。鉛筆を「ダース」で数えるように、とても多くの粒をまとめて数えるための単位と考えるとイメージしやすいでしょう。

生活でよく出会う基本単位(秒(s)、メートル(m)、キログラム(kg)、アンペア(A))
ほかの単位は、これらを組み合わせて作る。
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単位はどう決められているのか

単位の定義は、時代とともに「もの」から「自然の定数」へと移り変わってきました。この変化を知ると、単位がなぜ信頼できるのかがよくわかります。

「もの」に頼っていた時代

メートルは、もともと地球の北極から赤道までの子午線の長さの一千万分の一として決められました。その後、その長さを刻んだ金属の棒「メートル原器」が作られ、長く基準として使われました。キログラムも同じように、金属でできた「国際キログラム原器」の質量を1キログラムと定めていました。

ところが、ものには弱点があります。どれだけ大切に保管しても、表面のわずかな汚れや変化で、ごくわずかに質量が変わってしまう可能性があります。実際、国際キログラム原器とその複製を比べると、長い年月の間に、ごくわずかな差が生じていることがわかっていました。基準そのものが変わってしまうと、世界中の測定がまとめてずれてしまいます。

自然の定数で決める時代へ

そこで、変わることのない自然界の定数を使って単位を決める方法が考えられてきました。

  • 秒は、セシウム原子が出す特定の光(電磁波)の振動を数えることで決められています。原子の性質はどこでも同じなので、条件をそろえれば世界中どこでも同じ1秒を作れます。
  • メートルは、光が真空中を決まった時間に進む距離として定められています。光の速さを決まった値と定め、そこから長さを決めるという考え方です。
  • キログラムは、2019年の改定で、量子の世界の定数であるプランク定数の値をもとに決められるようになりました。

2019年の改定では、キログラムのほかにアンペア、ケルビン、モルの定義も改められ、7つの基本単位すべてが定数をもとに決められるようになりました。基準が「もの」ではなく「自然の法則」になったことで、将来にわたって変わらない単位が実現したといえます。

単位の決め方の移り変わり(原器で決めると定数で決めるの比較)
ものに頼る方法から、定数で決める方法へ。

もちろん、ふだん使う定規や体重計が、直接この定義で作られているわけではありません。国の研究機関が定義にもとづいて基準を作り、そこから段階的に校正された測定器が社会に広がっていく、という仕組みになっています。この「基準をたどれる」ことをトレーサビリティと呼びます。

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  1. 秋の戸口に並ぶかぼちゃの明かりとかぶ、麦束
  2. 資料を手に落ち着いて話し合う二人
  3. ノートパソコンと資料、外付け記憶装置がある机
  4. 冬の木で越冬する卵のうやミノムシ、テントウムシ
  5. 青い折り鶴と三角に折った紙、無地の折り紙