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自然・サイエンス

天体望遠鏡の種類と初めての選び方|屈折・反射・架台の違いと、口径と倍率の考え方

架台は「上下左右」か「星の動きに沿う」か

架台は見え方そのものには関わりませんが、「目当ての天体を見つけ、見続ける」使い心地を大きく左右します。主な種類は三つです。

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経緯台(けいいだい)

カメラの三脚の雲台と同じように、上下(高度)と左右(方位)の二つの軸で動かす架台です。動かし方が直感的で、設置も三脚を広げて鏡筒を載せるだけと簡単です。

ただし、星は北極星のあたりを中心に、空を斜めに横切るように動いていきます。高い倍率で見ていると、天体はすぐに視野の外へ流れていくため、上下と左右の両方を少しずつ動かして追いかける必要があります。微動ハンドルが付いたものなら、ゆっくり動かしやすくなります。

赤道儀(せきどうぎ)

一つの軸(極軸)を地球の自転軸と平行に、つまり北極星の方向に向けて設置する架台です。設置が済めば、その一つの軸を回すだけで星の動きを追えます。モーターを付けて自動で追尾させることもでき、天体写真では欠かせない架台です。

一方で、観察のたびに極軸を北へ向ける手順が必要で、鏡筒とのバランスを取るおもり(バランスウエイト)も付くため、全体が重くなります。最初は動かし方が直感と違って戸惑うこともあります。

ドブソニアン

反射式の鏡筒を、地面に置く簡素な箱形の台に載せた形で、経緯台の一種です。構造が単純なぶん、同じ予算で大きな口径の反射鏡を手にしやすく、手で押して向きを変えるだけで使えます。重く大きくなりやすいため、置き場所と運び方を先に考えておく必要があります。

自動導入という機能

架台にモーターとコンピューターを組み込み、天体の名前を選ぶとその方向へ自動で向けてくれる「自動導入」の製品もあります。目当ての天体を探す手間が減る一方、電源が必要で、最初に位置合わせ(アライメント)の手順があります。星空に慣れたい人は、あえて手で探すことで星の並びを覚えられるという考え方もあります。

経緯台と赤道儀(経緯台と赤道儀の比較)
眼視中心なら経緯台、写真も考えるなら赤道儀。

口径が見え方を決め、倍率は後から選ぶ

望遠鏡の性能を表すいちばん大事な数字は「口径」、つまり対物レンズや主鏡の直径です。カタログでは「D=80mm」のように書かれます。

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口径が大きいと何が変わるか

口径が大きくなると、二つのことが変わります。

  • 集める光の量(集光力): 光を受ける面積は口径の二乗に比例します。口径が2倍になれば、集める光はおよそ4倍です。淡い星雲や星団が見やすくなります。
  • 細かいものを見分ける力(分解能): 口径が大きいほど、近くに並んだ二つの星を分けて見たり、惑星の細かい模様を見たりする力が高くなります。

倍率は焦点距離の割り算で決まる

倍率は、望遠鏡の焦点距離を接眼レンズの焦点距離で割った値です。たとえば焦点距離900mmの望遠鏡に、焦点距離20mmの接眼レンズを付ければ45倍、10mmを付ければ90倍になります。接眼レンズを替えれば倍率はいくらでも変えられるため、倍率の数字そのものは性能を表しません。

「最高○○倍」と大きく書かれた宣伝を見かけることがありますが、口径に見合わない高倍率では像が暗く、ぼやけて見えるだけです。目安としてよく使われるのは「口径(mm)の2倍程度まで」という考え方で、口径80mmなら160倍前後が上限の目安になります。実際には大気の揺らぎ(シーイング)の影響も大きく、その夜の空の状態によってはもっと低い倍率のほうがきれいに見えます。

F値(口径比)の意味

焦点距離を口径で割った値をF値(口径比)といいます。F値が大きい(焦点距離が長い)望遠鏡は高倍率を出しやすく、月や惑星向き。F値が小さい(焦点距離が短い)望遠鏡は低倍率で広い範囲を見やすく、星団や天の川を流して見るのに向きます。

カタログを読む順番(1. 方式を見る、2. 口径を見る、3. 架台を見る、4. 付属品を見る)
倍率の大きな数字より先に、口径を見る。
次のページへ接眼レンズとファインダーで使い心地が変わる
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