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自然・サイエンス

ミョウバンの結晶の育て方|飽和水溶液と種結晶のしくみ、大きな八面体を作るコツ

種結晶を作る

種結晶とは

種結晶は、大きな結晶を育てるための「もと」になる小さな結晶です。過飽和の液の中に種結晶をつるしておくと、液の中の余分なミョウバンが種結晶の表面に少しずつ積み重なり、結晶が大きくなっていきます。

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浅い皿からピンセットで種結晶を選ぶ手元
形のよい一粒を種結晶に選ぶ

形のよい大きな結晶を作るには、形のよい種結晶を選ぶことが大切です。種結晶の形がゆがんでいると、育った結晶もゆがみやすくなります。

種結晶を作る手順

  1. 耐熱の容器に水を入れ、温めます。やけどに気をつけ、熱すぎるお湯は避けます。
  2. ミョウバンを少しずつ加え、よく混ぜて溶かします。溶け残りが出始めたら、そこで加えるのをやめます。
  3. 溶け残りがあれば、こして取り除きます。
  4. 浅い皿に液を少し移し、ほこりが入らないよう軽くふたをして、そのまま置きます。
  5. 一晩から数日すると、皿の底に小さな結晶がたくさんできます。

液の量と濃さを記録する

ミョウバンをどれだけ溶かしたかは、はかりで量って記録しておきます。溶け残りが出始めたところで加えるのをやめる方法は手軽ですが、毎回の量が分からないと、うまくいったときもいかなかったときも、理由を振り返りにくくなります。

水の量を決め、ミョウバンを少しずつ量りながら加え、溶かしたときの温度と一緒にメモします。次の回では、同じ水の量と温度で、ミョウバンの量だけを少し変えてみると、自分の道具と部屋に合った濃さが見つかります。液の量は、種結晶をつるしたときに、結晶が底や壁から十分に離れる深さがあれば足ります。

形のよい種結晶を選ぶ

皿の底にできた結晶の中から、形のよいものを選びます。選ぶときの目安は、次のとおりです。

  • 八面体の形がはっきりしている
  • ほかの結晶とくっついていない
  • 透明で、内部に気泡やにごりが少ない
  • 大きさは数ミリ程度

くっついた結晶は、そのまま育てると、複数の結晶が組み合わさった形になります。それも観察としては面白いのですが、一つの八面体をきれいに育てたい場合は、単独の結晶を選びます。選んだ結晶は、ピンセットで皿からそっと取り出し、乾いた紙の上に置きます。

種結晶の選び方(八面体の形がはっきりしている、ほかの結晶とくっついていない、透明で気泡が少ない、数ミリ程度の大きさ、欠けや割れがない)
形のよい種がよい結晶を育てる。

種結晶をつるして液に入れる

細い糸で結ぶ

種結晶は、細い糸で結んで液の中につるします。糸は、釣り糸のように細くて表面がなめらかなものが向いています。木綿の糸のように毛羽立ったものは、毛羽の部分に余計な結晶ができやすいため、避けた方がよいでしょう。

種結晶に糸を結ぶのは、細かい作業です。結晶の角に糸がかかるように結ぶと、外れにくくなります。うまく結べない場合は、接着剤で糸を付ける方法もありますが、接着剤の部分から結晶の形が乱れることもあるため、少量にとどめます。

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つるす位置を決める

種結晶をつるす位置は、液の真ん中あたりにします。容器の底や壁に近いと、そこにできた結晶とくっついてしまうことがあります。また、液面に近すぎると、液が蒸発して濃さが変わる影響を受けやすくなります。

糸の上の端は、割りばしや棒に結び、容器の口に渡して固定します。棒の位置を調整して、種結晶が液の中でまっすぐ下がるようにします。

液を作り直して、温度を確かめてから入れる

種結晶をつるす液は、種結晶を作ったときと同じように、温かい水にミョウバンを溶かして飽和に近い状態にしたものを使います。ここで大切なのは、液が熱いうちに種結晶を入れないことです。熱い液はまだ過飽和になっていないため、種結晶が溶けてしまいます。

液を少し冷まし、室温よりやや高い程度になってから種結晶を入れます。目安は、溶かしたときの温度から少し下がったころです。温度計で測りながら記録しておくと、うまくいったときの条件を次に生かせます。

種結晶をつるす流れ(1. 糸で結ぶ、2. 棒に固定する、3. 液を作る、4. 少し冷ます、5. 静かに入れる)
液の温度を確かめてから入れる。

ゆっくり冷まして大きく育てる

なぜゆっくり冷ますのか

液を急に冷やすと、過飽和の度合いが一気に大きくなり、液のあちこちで新しい結晶ができ始めます。そうなると、余分なミョウバンが種結晶だけでなく、容器の底や壁、液面などに分かれてしまい、種結晶は大きくなりません。

ゆっくり冷ますと、過飽和の度合いが少しずつ大きくなるため、すでにある種結晶の表面に、ミョウバンが少しずつ積み重なっていきます。新しい結晶ができるより、すでにある結晶が育つ方が起きやすい状態を保つことが、大きな結晶を作るコツです。

断熱の箱を使う

ゆっくり冷ますには、容器を発泡スチロールの箱などに入れて、外の温度の影響を受けにくくする方法があります。箱の中にタオルを入れてすき間を埋めると、さらに冷め方がゆるやかになります。

置き場所も大切です。日の当たる窓際や、暖房や冷房の風が当たる場所は、温度が大きく変わるため避けます。人の出入りが多い場所も、振動で液が揺れたり、ほこりが入ったりしやすくなります。静かで温度の変化が少ない場所を選びます。

動かさずに待つ

種結晶を入れたら、できるだけ容器を動かさないようにします。液が揺れると、結晶の表面に積み重なっていくミョウバンの流れが乱れ、形が崩れることがあります。様子を見たいときは、ふたを少しだけ開けて、上からそっとのぞく程度にします。

一日ほどたつと、種結晶が少し大きくなっているのが分かります。毎日同じ時刻に、結晶の大きさや形をメモしたり、写真を撮ったりしておくと、変化を比べやすくなります。

次のページへ液を入れ替えて、さらに育てる
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