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自然・サイエンス

雲の種類の見分け方|十種雲形の基本と、空から天気の変化を読むコツ

空に浮かぶ雲は、高さと形で十種類に分けられます。上層・中層・下層の雲の特徴、すじ雲やうろこ雲などの呼び名との対応、雨の前に見られやすい雲の移り変わり、積乱雲に気づいたときの行動まで、雲の観察を始めたい人が最初に知っておきたい基本をまとめました。

草原で空を見上げる人と白い雲

空を見上げると、白く筋を引いた雲、細かな粒が並んだ雲、もくもくと盛り上がる雲など、さまざまな形の雲が浮かんでいます。なんとなく眺めていた雲も、名前がわかると、空を見る楽しみがぐっと増えます。

雲は、浮かんでいる高さと形によって十種類に分けられています。これを十種雲形(じっしゅうんけい)と呼びます。ここでは、十種類の見分け方の考え方と、身近な呼び名との対応、雲の移り変わりから天気の変化を読むコツ、観察を続けるための記録のしかたを紹介します。

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雲は「高さ」と「形」で分ける

十種雲形を覚えるときは、十個の名前をそのまま覚えるよりも、二つの軸で整理すると理解しやすくなります。一つ目は、雲がどのくらいの高さにあるか。二つ目は、横に広がっているか、上に盛り上がっているかという形です。

雲の漢字の名前には、この二つの手がかりが含まれています。「巻」がつくものは高いところにある雲、「高」がつくものは中くらいの高さの雲です。「層」は横に広がる雲、「積」は粒やかたまりになった雲、「乱」は雨や雪を降らせる雲を表します。

上層・中層・下層の雲

高いところにある上層の雲は、巻雲(けんうん)、巻積雲(けんせきうん)、巻層雲(けんそううん)の三つです。とても冷たい空気の中にできるため、氷の粒でできていて、薄く白く見えるのが特徴です。

中層の雲は、高積雲(こうせきうん)と高層雲(こうそううん)です。高積雲は白いかたまりがまだらに並んだ雲で、高層雲は空を灰色の膜のように覆う雲です。下層には、層積雲(そうせきうん)と層雲(そううん)があります。層雲は地面近くまで低く垂れこめる雲で、山にかかると霧のように見えます。

残りの三つは、高さで分けにくい雲です。乱層雲(らんそううん)は空一面を暗く覆って雨や雪を長く降らせる雲、積雲(せきうん)は晴れた日のもくもくした雲、積乱雲(せきらんうん)は積雲が大きく発達した、いわゆる入道雲です。

高さで分けた雲の仲間(上層の雲と中層の雲と下層の雲の比較)
高いほど薄く白く、低いほど厚く灰色に見えやすい。

乱層雲は中層に分類されることが多いものの、雲の底は低いところまで下がってきます。積雲と積乱雲は、雲の底は低いのに、上は高く伸びていく雲です。分類のしかたは資料によって少し違うので、細かな線引きよりも、見た目の特徴をつかむことを大切にしましょう。

身近な呼び名との対応

十種雲形の名前は少し堅苦しく感じますが、多くの雲には昔からの親しみやすい呼び名があります。呼び名と結びつけて覚えると、空を見たときにすぐ思い出せます。

身近な呼び名と十種雲形(すじ雲、うろこ雲・いわし雲、うす雲、ひつじ雲、わた雲、入道雲)
呼び名から入ると、名前を覚えやすい。

うろこ雲とひつじ雲は、どちらも粒が並んだ雲なので迷いやすい組み合わせです。腕をまっすぐ伸ばして空にかざし、粒が小指の幅より小さければうろこ雲(巻積雲)、それより大きく陰がついていればひつじ雲(高積雲)というのが、よく知られた見分け方です。

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雲の移り変わりから天気の変化を読む

雲や空の様子から天気の変化を予想することを、観天望気(かんてんぼうき)と呼びます。天気は西から東へ移ることが多いため、西の空の雲の変化が手がかりになります。

代表的なのは、低気圧や前線が近づくときの雲の移り変わりです。はじめに高いところにすじ雲が現れ、やがて空がうす雲に覆われます。うす雲がかかると、太陽や月のまわりに光の輪(暈、かさ)が見えることがあり、「日がさや月がさが出ると雨」と言われてきました。その後、雲は灰色のおぼろ雲(高層雲)になって太陽がぼんやりとしか見えなくなり、最後に厚い雨雲(乱層雲)が空を覆って雨が降り出します。

雨の前に見られやすい雲の変化(1. すじ雲が増える、2. うす雲が覆う、3. おぼろ雲になる、4. 雨雲が覆う)
雲がだんだん低く、厚くなっていくのが合図。

ただし、すじ雲が出ても天気が崩れないことはよくあります。観天望気は、天気予報と合わせて「そろそろ崩れるかもしれない」と気づくための手がかりとして使いましょう。

積乱雲に気づいたら早めに屋内へ

夏の午後などに、もくもくとした雲が上へ上へと伸び、頂上が平らに広がってきたら、積乱雲に発達しているサインです。積乱雲の下では、急な強い雨や雷、突風、ひょうが起こることがあります。

空が急に暗くなる、雷の音が聞こえる、冷たい風が吹いてくるといった変化は、積乱雲が近づいている合図です。

雷の音が聞こえたら、すでに落雷のおそれがある範囲にいると考えましょう。木の下は安全ではありません。鉄筋コンクリートの建物や車の中など、安全な場所へ早めに移動し、気象庁の雷注意報や雨雲の動きの情報も確認してください。

観察を続けるための記録のしかた

雲の観察は、記録を続けると上達が早くなります。毎日同じ時間に同じ場所から空を見る、と決めておくと、雲の違いや変化に気づきやすくなります。

雲が見える窓辺でノートに記録する手元
空の変化を写真とメモで残す
雲の観察で記録すること(日付と時刻、見た方角、雲の名前(わからなければ形の特徴)、空のうち雲が覆っている割合、風の強さや向き、その後の天気)
写真と一緒に、条件を短くメモする。

写真を撮るときは、地上の建物や木を少し入れておくと、雲の高さや大きさを比べやすくなります。名前がわからない雲も、「白い筋」「灰色の膜」のように特徴を書いておけば、後で図鑑と見比べられます。その後の天気を書き添えておくと、自分の住む地域でどんな雲が雨の前に出やすいかが、少しずつ見えてきます。

まとめ

雲は、高さを表す「巻」「高」と、形を表す「層」「積」、雨を降らせる「乱」という漢字の組み合わせで整理すると、十種類の名前を無理なく覚えられます。すじ雲、うろこ雲、ひつじ雲、わた雲といった身近な呼び名と結びつけると、空を見たときにすぐ思い出せます。

雲の移り変わりは天気の変化の手がかりになりますが、判断は天気予報と合わせて行い、積乱雲の気配があれば早めに屋内へ移動しましょう。まずは明日の同じ時刻に空を見上げ、見えた雲が上層・中層・下層のどれかを考えて、一枚写真を撮るところから始めてみてください。

よくある質問

雲の名前はいくつ覚えればよいですか?

まずは国際的な分類である十種雲形の十種類で十分です。さらに細かい種や変種もありますが、最初は高さが上層・中層・下層のどれか、形が広がっているか盛り上がっているかを見分けられれば、多くの雲に名前をつけられます。

雲を見れば天気予報は要りませんか?

雲からわかるのは、主に数時間から半日ほど先の大まかな変化の手がかりです。外れることも多いので、外出や登山などの判断は、気象庁などが出す天気予報や注意報と合わせて行いましょう。

雲の写真を撮るときに気をつけることはありますか?

太陽を直接見たり、カメラ越しにのぞいたりすると目を傷めるおそれがあります。太陽は建物や木で隠し、画面で確認するようにしましょう。あわせて、撮影した時刻と方角を記録しておくと、後で天気の変化と見比べやすくなります。

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