虹と暈(かさ)のしくみ|虹が出る方角と高さ、幻日・環天頂アークの見つけ方
虹は太陽を背にした側に、暈は太陽のまわりに現れます。水滴でできる虹と、氷の粒でできる暈・幻日・環天頂アークの違い、見える方角と角度の目安、夕焼けや空の青さのしくみ、観察するときの安全な見方まで、空の光の現象を楽しむための基本をまとめました。

雨上がりの空に大きな虹がかかると、思わず足を止めて見入ってしまいます。けれども、虹がどちらの方角に出るのか、なぜ色が並ぶのかを知っている人は意外と多くありません。しくみがわかると、「今なら虹が出そうだ」と見当をつけて空を探せるようになります。
空には虹のほかにも、太陽のまわりを囲む光の輪や、太陽の横に現れる明るい光の点、頭の上に浮かぶ逆さまの虹のような弧など、さまざまな光の現象があります。ここでは、水滴でできる現象と氷の粒でできる現象に分けて、それぞれのしくみと見つけ方、観察を楽しむための考え方を紹介します。
空の光の現象は「何に当たるか」で分かれる
空に現れる色や光の輪は、太陽や月の光が、空気中にある何かに当たって進む向きを変えることで生まれます。当たる相手によって、大きく三つに分けて考えると整理しやすくなります。
一つ目は、雨粒のような比較的大きな水滴です。光は水滴の中に入るときと出るときに屈折し、内側で反射します。このとき色によって曲がり方がわずかに違うため、白い光が色ごとに分かれます。虹はこの仕組みでできます。
二つ目は、上空の冷たい空気の中に浮かぶ氷の粒(氷晶)です。氷晶は六角形の柱や板の形をしていることが多く、プリズムのように光を曲げます。太陽のまわりの暈(かさ)や、太陽の横の幻日(げんじつ)は、氷晶がつくる現象です。
三つ目は、空気そのものや、とても細かな水滴です。空気の分子は青い光を強く散らすため、昼の空は青く、夕方は赤く見えます。また、細かな水滴の縁を光が回り込むと、月のまわりの小さな色の輪のような現象が生まれます。

この三つの区別を頭に入れておくと、空で光の現象を見つけたときに、それが太陽の反対側にあるのか、太陽の近くにあるのかで、おおよその見当がつけられます。
虹ができるしくみと色の順番
虹の正体は、無数の雨粒に反射して戻ってきた太陽の光です。太陽の光は白く見えますが、実際にはさまざまな色の光が混ざっています。この光が雨粒に入ると、表面で屈折して内側に進み、粒の奥で反射して、もう一度屈折しながら外へ出ていきます。
水の中での光の曲がり方は、色によってわずかに違います。赤い光は曲がり方が小さく、紫に近い光ほど大きく曲がります。そのため、雨粒から戻ってくる光は、色ごとに少しずつ違う角度に集まります。赤い光は太陽と反対の点からおよそ42度、紫の光はおよそ40度の方向に強く戻ってきます。
ここで大切なのは、一つの雨粒から見えるのは一つの色だけだということです。空の高いところにある雨粒からは赤い光が、少し低いところにある雨粒からは紫の光が目に届きます。たくさんの雨粒がそれぞれの角度で一色ずつ光を返してくれることで、外側が赤、内側が紫の帯になって見えます。
虹は「円」の一部
太陽と反対の方向、つまり自分の影の頭がある方向を、対日点(たいじつてん)と呼びます。虹は、この対日点を中心とした半径およそ42度の円です。地上からは円の下半分が地平線にかくれるため、弧の形に見えます。
飛行機の窓や高い山の上から、太陽を背にして雨や霧を見下ろすと、まれに丸い虹が見えることがあります。これは、地平線にさえぎられずに円全体が見えるためです。
虹が円の形に見えるということは、見る人の位置が変われば、虹をつくる雨粒も変わるということでもあります。隣に立っている人が見ている虹と、自分が見ている虹は、実は別の雨粒がつくった別の虹です。虹の根元に近づこうとしても近づけないのは、このためです。

色の数は、文化によって数え方が違います。日本では七色といわれることが多いものの、実際の虹は色がなめらかに移り変わっていて、はっきりした境目はありません。何色に見えるかを人と話してみるのも、虹の楽しみ方の一つです。










