名字と家紋の調べ方|墓石・紋付・戸籍と資料から、わが家の紋を確かめる手順
お墓で家紋を確かめる
お墓は、家紋を確かめるうえでとくに頼りになる場所です。着物は嫁いできた人が実家の紋を持ち込むことがありますが、墓石の紋はその家として使ってきたものであることが多いからです。
紋が彫られている場所
家紋は、墓石のいちばん上の竿石(さおいし)と呼ばれる部分の正面や、その下の台石、花立てや水鉢、香炉などに彫られていることがよくあります。正面に見当たらなくても、側面や裏面、墓地を囲む石の柱に入っている場合もあります。
古いお墓では、石の表面が風化したり、苔や汚れで紋が見えにくくなったりしています。光が斜めから当たる朝や夕方に見ると、彫りの凹凸に影ができて形がわかりやすくなります。
お墓で気をつけたいこと
墓石を傷めないように、汚れを落とすときは水と柔らかい布やスポンジを使い、硬いブラシや金属のへら、洗剤は避けます。紋の形を写し取るために紙を当てて鉛筆でこする方法(拓本のような方法)もありますが、石を汚したり傷めたりすることがあるので、写真で記録するほうが安全です。
お墓は家族や親族、ほかの家と共有している場合があります。自分の家のお墓でも、墓石の清掃や記録のために手を入れるときは、管理する親族や霊園・寺に一言伝えておくと行き違いを防げます。ほかの家のお墓には触れないようにしましょう。
本家のお墓と分家のお墓
自分の家のお墓が比較的新しい場合、紋は建てたときに選んだものかもしれません。本家や先祖代々のお墓が別の場所にあるなら、そちらの紋も確かめておきます。分家が本家の紋を少し変えて使っていることがあり、二つを見比べると、家の紋がどこから来たのかがわかることがあります。
同じ墓地に同じ名字のお墓がいくつも並んでいる地域もあります。それらの紋を見比べると、親戚筋の家どうしで同じ紋を使っているのか、それとも別々なのかが見えてくることがあります。
親族への聞き取りを進める
家の中やお墓に手がかりがなくても、親族の記憶や手元の品から見つかることはよくあります。とくに年長の親族の話は、時間がたつほど聞けなくなるので、早めに聞いておく価値があります。

誰に聞くか
まず聞きたいのは、両親や祖父母、おじやおばなど、家の行事や法事に長く関わってきた人です。本家を継いでいる家や、仏壇やお墓を守っている家があれば、そこに紋付や道具が残っている可能性が高くなります。
父方と母方では、たどる紋が違うことにも注意します。一般に家紋は父方の家に伝わるものとして扱われることが多いですが、地域によっては、女性が実家の紋を受け継ぐ「女紋(おんなもん)」の習慣があります。母や祖母の着物に入っている紋が、父方の家の紋と違うのはそのためかもしれません。
聞き方の工夫
「家紋は何?」とだけ聞くと、「わからない」で終わってしまうことがあります。次のように、具体的な場面を思い出してもらう聞き方にすると、手がかりが出てきやすくなります。

見つけた紋の写真を見せながら話すと、「この紋は母の実家のものだ」「これは本家の紋で、うちは少し違う」といった具体的な話が出てくることがあります。話の内容は、聞いた日付と話してくれた人の名前とあわせて記録しておきましょう。
地域の習慣も聞いておく
紋の使い方には地域ごとの習慣があります。嫁いだ女性が実家の紋を使うのか、嫁ぎ先の紋を使うのか、喪服に入れる紋はどちらなのかといった習慣は、親族の中でも記憶がはっきりしていることが多い部分です。こうした習慣を知っておくと、家の中で違う紋がいくつも見つかったときに整理しやすくなります。










