灯台めぐりの楽しみ方|塔の形と塗り分け、レンズ、光り方の見方と訪ねるときの心得
灯台めぐりを始めたい人に向けて、灯台が果たしている役割、塔の材料や形の違い、白黒や紅白に塗り分けられる理由、港の赤い灯台と白い灯台の意味、フレネルレンズのしくみと等級、光り方(灯質)の読み方、夕暮れに点灯を見る楽しみ、岬を歩くときの安全とマナーまでを紹介します。

岬の先や港の入口に、白い塔がぽつんと立っている。灯台は、そこにあるだけで海の景色を引き締めてくれる存在です。旅先で見かけて写真を撮ったことがある人も多いでしょう。けれども、塔の形や色、てっぺんのレンズの違い、夜の光り方にまで目を向けると、灯台は一つひとつがまったく違う顔を持っていることに気づきます。
灯台めぐりは、海辺の散歩の延長として気軽に始められる楽しみです。建物としての見どころもあれば、船の安全を守るための工夫を読み解くおもしろさもあります。ここでは、灯台の役割と種類、塔の形や塗り分けの意味、レンズと光り方のしくみ、夕暮れに点灯を見る楽しみ方、そして岬を歩くときの安全とマナーまでを順に紹介します。
灯台は何のためにあるのか
灯台は、船に自分の位置や危険な場所を知らせるための目印です。陸の地形がわかりにくい夜や、海から陸を見たときに、「あの光はあの岬の灯台だ」とわかれば、船は自分がどのあたりにいるかを判断できます。浅瀬や岩礁の近くに置かれた灯台は、そこに近づいてはいけないことを知らせる役割も持っています。
灯台を含め、船の航行を助けるために置かれる目印をまとめて航路標識と呼びます。日本の航路標識は、主に海上保安庁が管理しています。昼間に形や色で見分けてもらう目印、夜に光で知らせる目印、電波で位置を知らせる設備など、いくつもの種類があり、灯台はその中で光を出して位置を知らせる代表的なものです。
人工衛星を使った位置の測定が広まった今でも、灯台の役割がなくなったわけではありません。機器の故障や電波が届かない場面に備えて、目で見て確かめられる目印は、今も大切な安全の手段とされています。一方で、役割を終えて廃止されたり、より簡素な設備に置き換えられたりする灯台もあります。灯台めぐりでは、今も現役で光っている灯台と、歴史的な建物として残されている灯台の両方に出会います。

日本で西洋式の灯台が本格的に建てられ始めたのは、明治時代の初めごろです。開港にあわせて外国から技術者が招かれ、各地の岬に石やれんがの灯台が建てられました。そのころの灯台の中には、今も現役で光り続けているものがあり、歴史的な建造物としても価値が認められています。
塔の形と材料の違い
灯台めぐりでまず目に入るのは、塔そのものの姿です。灯台の塔は、建てられた時代や場所の条件によって、材料も形もさまざまです。
古い灯台には、石を積み上げた石造の灯台や、れんがを積んだれんが造の灯台があります。石造の灯台は、どっしりとした重みのある姿で、表面に石の継ぎ目が見えることもあります。れんが造の灯台は、表面を白く塗られていることが多いものの、近づくとれんがの形が浮かんで見える場合があります。鉄の板を組み立てた鉄造の灯台は、細身で、継ぎ目のボルトの並びが見どころです。現在多いのは鉄筋コンクリート造の灯台で、なめらかな表面の円筒形や、角のある多角形の塔がよく見られます。
| 材料 | 見た目の特徴 | 見るときの注目点 |
|---|---|---|
| 石造 | どっしりとした太い塔 | 石の積み方と継ぎ目 |
| れんが造 | 塗装の下にれんがの形 | 入口まわりの装飾 |
| 鉄造 | 細身で板を組み立てた形 | ボルトの並びと継ぎ目 |
| 鉄筋コンクリート造 | なめらかな円筒や多角形 | 塔の高さと全体の比率 |
形にも違いがあります。円筒形の塔、根元が太く上に向かって細くなる塔、八角形などの多角形の塔、四角い建物の上に灯室を乗せた形などです。塔の高さも、見上げるほど高いものから、人の背丈より少し高い程度の小さなものまであります。崖の上の高い場所に建つ灯台は、海面からの高さを崖で稼げるので、塔そのものは低いこともあります。
塔のてっぺんには、ガラスに囲まれた灯室があり、その中に光を出す灯器とレンズが入っています。灯室の上には丸い屋根がかぶさり、屋根の頂上に風見のような飾りが付いていることもあります。灯室のまわりには、点検のための回廊(バルコニー)がぐるりと巡っています。下から見上げたとき、この灯室と回廊のつくりが、灯台ごとの個性を強く表している部分です。










