灯台めぐりの楽しみ方|塔の形と塗り分け、レンズ、光り方の見方と訪ねるときの心得
白黒、紅白……塗り分けの理由
多くの灯台は白く塗られていますが、中には白と黒の横じま、白と赤のしま模様など、塗り分けられた灯台もあります。これは見た目の飾りではなく、昼間に海から見つけやすくするための工夫です。
昼間の灯台は、光ではなく形と色で見分けてもらう必要があります。背景が緑の山や青い空なら、白い塔はよく目立ちます。けれども、雪が積もる地域では白い塔が雪景色に溶け込んでしまいますし、背景に白っぽい崖がある場所でも同じことが起こります。そうした場所では、白と黒の横じまなどに塗り分けて、遠くからでも塔が見えるようにしています。近くにある灯台どうしを見分けやすくするために、塗り方を変えている場合もあります。
港の入口にある防波堤灯台は、さらにはっきりした決まりにしたがって塗られています。日本の港では、外から港に入ってくる船から見て、右側の防波堤に赤い灯台、左側の防波堤に白い灯台を置くのが基本です。夜には、赤い灯台は赤い光を、白い灯台は緑の光を出します。船は、赤と白(夜は赤と緑)の間を通れば安全に港に入れる、と判断できます。

港を訪れたら、堤防の上から港の入口を眺めて、赤と白の灯台の位置関係を確かめてみてください。自分が海から入ってくる船だったら、と想像して左右を考えると、配置の意味がよくわかります。この左右の決まりは、国や地域によって逆になっている場合もあり、海外の港では赤と緑の位置が日本と反対のこともあります。
ほかにも、黄色く塗られた灯台や、黒と黄色の組み合わせなど、さらに別の意味を持つ塗り分けもあります。気になる色の灯台を見つけたら、どんな場所に立っているのか、周りに岩礁や浅瀬がないかを地図で確かめてみると、色の意味を推理する楽しみが生まれます。
レンズのしくみと等級
灯台のてっぺんの灯室をのぞくと、ガラスでできた大きな、段々に刻まれた器のようなものが見えることがあります。これが灯台のレンズで、多くはフレネルレンズと呼ばれる形をしています。
ふつうの凸レンズで遠くまで光を届けようとすると、とても厚く重いガラスが必要になります。フランスの物理学者フレネルが考えた方法は、凸レンズの曲面の役割を残したまま、レンズを同心円状の細い輪に分けて、段のように並べるというものでした。こうすると、ガラスをずっと薄く軽くしながら、光を一方向に集めることができます。灯器から出た光をこのレンズで細い光の束にまとめることで、遠くの船まで光が届きます。

灯台のレンズには、大きさによって等級があります。いちばん大きいものが第1等で、そこから第2等、第3等と順に小さくなります。等級は、レンズの中心から光を集める位置までの距離(焦点距離)をもとに決められていて、等級が大きい(数字が小さい)ほど、レンズ全体が大きく堂々としています。大型のレンズは、遠くまで光を届ける必要がある主要な岬の灯台に使われてきました。
大型のレンズを使っている灯台は多くありません。一般に公開されている灯台の中には、灯室の大きなレンズを間近で見られる場所や、使われなくなったレンズを資料館などで展示している場所もあります。間近で見ると、ガラスの段が幾重にも重なって、光を受けてきらめく様子に驚かされます。
最近では、電球の代わりにLEDを使った小型で消費電力の少ない灯器に置き換えられた灯台も増えています。古いレンズが外されて別の場所で保存されていることもあるので、灯台を訪ねる前に、どんなレンズが使われているか、展示があるかを調べておくと見どころが増えます。










