灯台めぐりの楽しみ方|塔の形と塗り分け、レンズ、光り方の見方と訪ねるときの心得
訪ねるときの安全とマナー
灯台は、海に向かって突き出した場所に立っています。眺めがよい反面、足場や天気の面では、ふだんの観光地より気をつけることが多い場所です。
岬の先端の灯台は、崖の上にあることがよくあります。柵がある場所では、決して柵の外に出ないでください。崖の縁は見た目よりもろく、風にあおられることもあります。防波堤の先にある灯台は、波が高い日や風の強い日には、堤防の上を波が越えてくることがあります。荒れた日には防波堤に近づかないのがいちばんの対策です。潮の満ち引きによって歩ける場所が変わる磯の近くでは、潮の時刻も確かめておきましょう。潮の動きについては潮の満ち引きのしくみ|1日2回の満潮と大潮・小潮の理由、潮見表の読み方でくわしく紹介しています。
防波堤や岬の先は、天気がよく見えても急に波や風が強まることがあります。立入禁止の表示や柵がある場所には入らず、荒天時や波の高い日には近づかないでください。釣り人や作業中の人の邪魔にならないよう、通路をふさがないことも大切です。
灯台は、今も船の安全を守っている施設です。塔に登ったり、扉や設備に触れたり、落書きをしたりしないことは言うまでもありません。灯台の周りの敷地が立入禁止になっている場合は、外から眺めるだけにします。一般に公開されている灯台では、決められた時間と順路を守り、急な階段では前後の人との間隔をあけて、手すりをつかんでゆっくり上り下りしましょう。
周辺は、住宅地や漁港の作業場、私有地に接していることもあります。車で訪れるときは、決められた駐車場を使い、漁港の作業スペースや住宅の前に車を止めないようにしてください。ごみは持ち帰り、早朝や夜の訪問では、話し声や車のドアの音にも気を配ります。
灯台めぐりを旅に組み込む
灯台めぐりは、ほかの旅の楽しみと組み合わせやすいのも魅力です。岬の灯台は景勝地になっていることが多く、海沿いの遊歩道や展望台とあわせて訪ねられます。港の灯台は、漁港の朝市や港町の散策と組み合わせると、半日ほどの小さな旅になります。
海の上から灯台を見るのも、一歩進んだ楽しみ方です。フェリーや遊覧船に乗ると、陸からは見えない角度で灯台を眺められます。夜の航路なら、岬ごとに違う光り方の灯台が次々と現れ、灯台が本来見せたい相手である「船から見た姿」を体験できます。夜を船で過ごす旅については長距離フェリー旅の楽しみ方|船室の種類と乗船の流れ、船内で過ごすコツも参考になります。
| 組み合わせ方 | 向いている灯台 | 楽しみ方の例 |
|---|---|---|
| 岬の散策 | 崖の上の灯台 | 遊歩道と展望台を一緒に歩く |
| 港町の散歩 | 防波堤灯台 | 赤と白の配置を確かめる |
| 船旅 | 航路沿いの灯台 | 海から光り方を見比べる |
| 島めぐり | 島の端の灯台 | 船の窓から島の目印を探す |
記録の残し方にも工夫ができます。訪ねた灯台の名前、日付、塔の材料と形、塗り方、灯質、見た時間帯を、ノートやスマートフォンのメモに残しておくと、灯台ごとの違いが少しずつ見えてきます。同じ灯台でも、昼に見た姿と夜に見た光は印象がまったく違うので、一度訪ねた灯台を、別の時間帯にもう一度訪ねるのもおすすめです。
どの灯台から訪ねるか迷ったら、まずは住んでいる地域や旅先の近くで、公共交通で行ける灯台を地図で探してみましょう。港の防波堤灯台は駅や港町から歩いて行ける場所にあることが多く、最初の一つとして向いています。岬の灯台は、バスの本数が少なかったり、駐車場から長い坂道を歩いたりすることがあるので、行き帰りの時間に余裕を持った計画にします。季節によって印象が変わるのも灯台の魅力で、空気の澄む冬は遠くの海まで見通せ、夏は夕暮れが遅いぶん点灯の時刻も遅くなります。訪ねた季節も記録に添えておくと、見比べる楽しみが広がります。
毎年11月1日は「灯台記念日」とされていて、この時期には、ふだん公開されていない灯台を特別に公開するなどの催しが行われることがあります。催しの有無や内容は年によって違うので、近くの灯台の情報を調べてみると、思いがけない機会に出会えるかもしれません。
まとめ
灯台は、昼は形と色で、夜は光の色と点滅の間隔で、自分がどの灯台かを船に知らせています。塔の材料や形には建てられた時代や場所の事情が表れ、白黒や紅白の塗り分け、港の赤い灯台と白い灯台の配置には、海から見つけやすくするための決まりがあります。灯室のフレネルレンズや、海図に書かれた「Fl W 10s」のような灯質の記号も、意味がわかると灯台を見る目が変わります。
一方で、灯台が立つ岬や防波堤は、風や波の影響を受けやすい場所です。柵の外や立入禁止の場所に入らないこと、荒れた日には近づかないこと、現役の施設として大切に扱うことが、灯台めぐりを長く楽しむための前提です。
最初の一歩として、まずは近くの港や海辺にある灯台を一つ選び、その灯台の灯質を調べてから、夕暮れどきに出かけてみてください。光り始めた灯台の点滅の間隔を数えて、調べた秒数と合っていたら、その灯台はもうあなたにとって「見分けのつく灯台」になっています。
よくある質問
灯台の中に入ったり、上まで登ったりできますか?
多くの灯台は航路標識として使われている施設なので、ふだんは中に入れません。ただし、一般に公開されていて、決められた時間に上まで登れる灯台もあります。公開の有無や時間、料金は灯台ごとに違い、変わることもあるので、出かける前に公式の案内で確かめてください。
港の入口にある赤い灯台と白い灯台は、何を表していますか?
日本では、港に入ってくる船から見て、右側にあたる防波堤に赤い灯台、左側に白い灯台が置かれるのが基本です。夜は赤い灯台が赤い光、白い灯台が緑の光を出します。船は二つの間を通ることで、安全な入口を判断できます。
灯台の光り方は、どこで調べられますか?
灯台ごとの光の色や点滅の間隔は、海上保安庁が公開している灯台の情報や、海図・灯台表で確かめられます。現地では、説明板に書かれていることもあります。調べた光り方と、実際に見た点滅の間隔を比べると、灯台めぐりの楽しみが一つ増えます。
灯台はいつ光り始めますか?
多くの灯台は、周りの明るさを感じて、日が暮れてくると自動で点灯し、明るくなると消灯します。夕暮れどきに近くで待っていると、灯台が光り始める瞬間を見られることがあります。帰り道が暗くなるので、明かりと帰りの交通手段を事前に確かめておきましょう。
灯台めぐりで気をつけることは何ですか?
灯台は岬の先端や崖の上、防波堤の先など、風が強く足場の悪い場所に立っていることが多いです。柵の外や立入禁止の場所には入らず、高い波や強風の日には防波堤に近づかないでください。施設に登ったり、設備に触れたりすることも避けましょう。











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