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自然・サイエンス

砂の観察入門|砂浜や川の砂をルーペで見て、鉱物や貝のかけらを見分ける楽しみ方

身近な砂をルーペや顕微鏡で見る楽しみ方をまとめました。砂の粒が何からできているか、石英・長石・黒い鉱物・貝殻や有孔虫のかけらの見分け方、採り方とマナー、洗って乾かす下ごしらえ、磁石を使った簡単な実験、標本の作り方と記録のしかたまでを順に紹介します。

白い紙に広げた砂粒とルーペ、小瓶、観察用の筆

海辺や河原で足もとに広がる砂は、ふだんは「ただの砂」として通り過ぎてしまいます。けれども、ひとつまみをルーペで見ると、透明なガラスのような粒、桃色の粒、真っ黒な粒、小さな巻き貝のような粒など、思いがけないほど多くのものが混じっていることに気づきます。

砂の粒は、近くの山や川の岩石が崩れたもの、海の生き物の殻が砕けたもの、火山から出たものなど、その場所の成り立ちを映しています。ここでは、砂が何からできているかという基本から、道具と採り方、下ごしらえ、粒の見分け方、簡単な実験、標本の作り方と記録までを順に紹介します。特別な知識がなくても、ルーペと紙が一枚あれば始められます。

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砂とは何か 大きさで決まる呼び名

地質学でいう「砂」は、材料ではなく粒の大きさで決まる呼び名です。一般に、直径がおよそ2ミリから16分の1ミリ(約0.06ミリ)までの粒を砂と呼び、それより大きいものを礫(れき)、小さいものをシルトや粘土と呼び分けます。つまり、同じ石英でも大きさによって礫にも砂にもなります。

砂の粒は、岩石が雨や風、温度の変化、水の流れなどで少しずつ壊されてできます。山の岩が崩れ、川に運ばれるあいだに角が取れ、小さくなり、最後は河口や海岸に集まります。運ばれる距離が長いほど、壊れやすい鉱物は細かく砕けてなくなり、硬くて壊れにくい石英が多く残る傾向があります。

砂ができて集まるまで(1. 岩が風化する、2. 川に運ばれる、3. ふるい分けられる、4. 海岸や河原にたまる)
岩が壊れ、運ばれ、ふるい分けられる。

砂浜の砂が場所によって白っぽかったり、黒っぽかったり、粗かったり細かかったりするのは、もとになった岩石の種類と、運ばれてきた道のりが違うからです。近くに花こう岩の山があれば石英や長石の多い明るい砂に、火山が近ければ黒っぽい鉱物や火山ガラスの多い砂になりやすくなります。サンゴ礁の海では、生き物の殻が砕けた白い砂が多くなります。

砂の観察は、こうした「その場所の歴史」を手のひらで読む遊びでもあります。地層や化石の観察が好きな人なら、地層と化石の観察入門と合わせて読むと、砂が積み重なって砂岩になるまでの流れもつながって見えてきます。

観察に使う道具

砂の観察に必要な道具は多くありません。最初はルーペと白い紙だけで十分です。慣れてきたら、少しずつ道具を足していきます。

ルーペと顕微鏡

ルーペは、倍率10倍前後のものが使いやすいでしょう。倍率が高すぎると見える範囲が狭く、ピントも合わせにくくなります。目に近づけて使う小型のルーペは、ルーペを目に当て、砂のほうを近づけたり離したりしてピントを合わせるのがこつです。

さらに細かく見たくなったら、実体顕微鏡が候補になります。実体顕微鏡は、両目でのぞいて物を立体的に見られる顕微鏡で、倍率は数十倍程度までのものが多く、砂粒の形や表面の様子を観察するのに向いています。生物の細胞を見るような高倍率の顕微鏡は、光を下から透かして薄いものを見る仕組みなので、砂のように厚みのあるものには向きません。

スマートフォンのカメラにクリップで付ける拡大レンズもあります。写真に残しやすいのが利点ですが、ピントの合う範囲が狭いので、スマホと砂の距離を一定に保てるよう、台や本を重ねて高さを調整すると撮りやすくなります。

道具 見えるもの 向いている使い方
肉眼 全体の色、粒の粗さ 採る場所を選ぶ、比べる
ルーペ(10倍前後) 粒の色・形・透明度 野外での観察、最初の一歩
スマホ用拡大レンズ ルーペと同程度 写真で記録する
実体顕微鏡 表面の模様、小さな殻 家でじっくり見る
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あると便利なもの

白い紙と黒い紙を一枚ずつ用意すると、色の違う粒が見分けやすくなります。黒い粒は白い紙の上で、透明や白い粒は黒い紙の上でよく見えます。粒を動かすには、つまようじや細い筆、ピンセットが便利です。

ほかに、採取用のチャック付きの小袋やフィルムケース、油性ペン、磁石、小さな茶こしや目の細かいふるい、乾燥用の紙皿などがあると、作業が進めやすくなります。磁石は冷蔵庫に貼るものでもかまいませんが、直接砂につけると取れにくくなるので、薄い袋に入れて使います。

砂を採るときのマナーと場所選び

砂を採る場所は、海岸、河原、湖のほとりなどさまざまです。どこでも同じように見えて、少し場所を変えるだけで砂の様子が変わるのも観察の面白さです。

採ってよいかを確かめる

国立公園や国定公園の特別な区域、天然記念物に指定された場所、私有地、管理された人工の砂浜などでは、砂や石の採取が禁じられていたり、許可が必要だったりすることがあります。有名な「星の砂」の浜などでも、持ち帰りを控えるよう呼びかけている場所があります。現地の看板や、自治体・管理者の案内を確認し、わからないときは持ち帰らずにその場でルーペで見るだけにしましょう。

採ってよい場所でも、持ち帰る量はひとつかみ程度、小袋に半分ほどで十分です。観察に使うのはそのうちのほんの少しです。

安全に気をつける

海岸では潮の満ち引きや波に注意し、波打ち際で夢中になりすぎないようにします。潮の時刻は潮の満ち引きの仕組みで紹介した潮見表で事前に確かめておくと安心です。河原では、上流で雨が降ると急に水かさが増えることがあります。天気の急変や増水の気配があれば、すぐに水辺から離れてください。

崖の下や、立ち入りが制限されている場所、増水した川には近づかないでください。砂の採取は、足場が安定した安全な場所で、短い時間で済ませましょう。

場所を変えて採る

同じ砂浜でも、波打ち際、満潮時に波が届く線のあたり、乾いた後ろの砂丘などで、粒の大きさや中身が違います。波打ち際には重い粒がたまりやすく、黒い筋のように見える部分には磁鉄鉱などの重い鉱物が集まっていることがよくあります。河原では、流れの速い場所には粗い砂、ゆるやかな場所や水たまりのあとには細かい砂が残ります。

複数の場所から採り、袋ごとに場所の名前と日付を書いておくと、あとで比べたときに違いの理由を考えやすくなります。

次のページへ持ち帰った砂の下ごしらえ
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  1. 秋の戸口に並ぶかぼちゃの明かりとかぶ、麦束
  2. 資料を手に落ち着いて話し合う二人
  3. ノートパソコンと資料、外付け記憶装置がある机
  4. 冬の木で越冬する卵のうやミノムシ、テントウムシ
  5. 青い折り鶴と三角に折った紙、無地の折り紙