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ものづくり・DIY

はんだの種類とフラックス|共晶・鉛フリー・ヤニ入りの違いと、線の太さ・フラックスの選び方

糸はんだの太さの選び方

太さで変わる「一度に出る量」

糸はんだの太さ(線径)は、0.3mmほどの細いものから、1.6mmほどの太いものまであります。太さの違いは、こて先に押し当てたときに一度に溶け出す量の違いです。

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細いはんだは、少しずつ送り込めるので量を調整しやすく、小さな部品に向いています。その代わり、大きな接合部では何度も送り込む必要があり、時間がかかります。太いはんだは一度にたくさん溶けるので、大きな端子にはすばやく盛れますが、小さな部品では量が多すぎて、隣の端子とつながる(ブリッジ)原因になります。

用途ごとの目安

線径の目安 向いている作業 注意点
0.3〜0.5mm 足の間隔が狭い部品、小さな表面実装部品 送り込みに時間がかかる。こてを当てすぎない
0.6〜0.8mm 一般的な抵抗やコンデンサ、ICソケット、ピンヘッダ 最初の1本に選びやすい
1.0〜1.2mm 太い線、電源の端子、大きなコネクタ 小さな部品では量が多くなりやすい
1.6mm前後 太いケーブルや金属板など、熱を多く必要とする所 電子基板の細かな作業には向かない

初めての1本なら、0.6〜0.8mmあたりがよく勧められます。ユニバーサル基板や、ピンヘッダの付け外しまで、多くの作業をこなせるからです。細かな部品を扱うようになったら、0.3〜0.5mmを買い足すという順番で十分です。

太さとこて先の組み合わせ

太さを選ぶときは、こて先の形と大きさも一緒に考えます。小さなこて先に太いはんだを当てると、こて先の熱が足りず、溶け残ったり丸い玉になったりします。逆に、太いこて先で細いはんだを扱うと、隣の部品まで温めてしまうことがあります。

目安としては、「こて先の太さ」「接合部の大きさ」「はんだの線径」をそろえることです。大きな端子には太いこて先と太めのはんだ、小さな部品には細いこて先と細いはんだ、という組み合わせにすると、作業が安定します。

ヤニ入りはんだとフラックスの役割

「ヤニ」は松やにから来た言葉

電子工作用の糸はんだの多くは、中心に細い空洞があり、そこにフラックスが詰められています。これを「ヤニ入りはんだ」と呼びます。ヤニは、昔からフラックスの原料に松やに(ロジン)が使われてきたことから来た呼び名です。

はんだをこて先に押し当てると、まず中のフラックスが溶け出して接合部に広がり、その後からはんだが流れ込みます。はんだとフラックスが一緒に、ちょうどよい順番で届く仕組みです。

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フラックスがしていること

フラックスには、おもに三つの役割があります。

  1. 金属の表面の酸化膜を取り除く。部品の足や銅のランドの表面は、空気に触れて目に見えない酸化膜で覆われています。この膜があると、はんだが金属になじみません。
  2. 加熱中に、金属が再び酸化するのを防ぐ。温めた金属は、空気に触れるとすぐに酸化します。フラックスが表面を覆うことで、はんだが流れ込むまでの間、表面をきれいに保ちます。
  3. はんだを広がりやすくする。溶けたはんだは、そのままでは表面張力で丸くなろうとします。フラックスはこの性質をやわらげ、はんだが金属の上を薄く広がるのを助けます。

熱で使い切られるという性質

フラックスは、加熱されると煙になって消えていきます。こて先にはんだを長く当てっぱなしにすると、フラックスだけが先に飛んでしまい、肝心のはんだが流れ込むときには、もうフラックスが残っていません。

よくある失敗が、こて先にはんだを溶かして乗せ、それを接合部まで運ぶやり方です。運ぶ間にフラックスが煙になってしまい、はんだはこて先の上で丸くなって、うまくなじみません。はんだは、温めた部品の足とランドに直接当てて溶かすのが基本です。そうすれば、フラックスが働くちょうどよいタイミングで接合部に届きます。

ヤニ入りはんだが働く順番(1. 温める、2. 当てる、3. 清める、4. 流れる、5. 待つ)
フラックスが先に、はんだが後から流れ込みます。

フラックスの種類

成分で分ける三つのグループ

フラックスにはいくつかの種類があり、成分によって働きの強さや、作業後の後始末が違います。

液体フラックスの小瓶、ペン型、ペーストの缶
追加のフラックスは液体・ペン・ペーストの3つの形
種類 主な成分 働きの強さ 作業後の扱い
ロジン系 松やにを主成分にしたもの 中程度。電子工作で一般的 製品の表示に従う。残りが気になるときは洗浄する
無洗浄タイプ 固形分を少なくしたもの 弱め 残っても問題が出にくいように作られている
水溶性タイプ 有機酸など 強め 必ず洗浄する。残すと腐食の原因になる

ロジン系のフラックスは、さらに活性(酸化膜を取り除く力)の強さで分けられることがあります。活性の弱いものは残りがおとなしく、強いものは汚れた金属にもなじみやすい反面、残りを洗い流す必要が出てきます。家庭の電子工作では、電子基板用と書かれた一般的なものを選べば、まず困ることはありません。

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配管用のフラックスは使わない

ホームセンターでは、配管や板金の作業用に、強い酸を含むフラックスが売られていることがあります。これらは銅管などの厚い金属をしっかり付けるためのもので、作業後に洗い流すことを前提にしています。

電子基板にこうしたフラックスを使うと、細い配線や部品の足が、時間をかけて腐食します。作ったときは動いていても、しばらくしてから接触が悪くなり、原因が分からないまま壊れてしまうことがあります。電子工作には、必ず「電子工作用」「電子基板用」と表示されたはんだとフラックスを使ってください。

液体・ペースト・ペンの使い分け

追加で使うフラックスには、形の違うものがあります。

形 向いている場面 気をつけること
液体(筆やスポイトで塗る) 広い範囲や、表面実装部品の多い足 流れて広がりやすい。塗りすぎない
ペースト・ジェル 付け直しや吸い取り、狭い所 少量で長く働く。残りが目立ちやすい
ペン型 ピンポイントで少しずつ塗りたいとき 先が乾きやすいので、使ったらキャップを閉める

最初の1本としては、ペン型か少量のペーストが扱いやすいでしょう。必要な所だけに塗れるので、後始末も楽です。液体は、表面実装部品を多く扱うようになってからで十分です。

ヤニ入りと追加フラックス(ヤニ入りだけとフラックスを足すの比較)
ふだんはヤニ入りで足り、付け直しで足します。
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