リード線とジャンパー線の加工|被覆のむき方・予備はんだ・より線の扱いと線どうしのつなぎ方
電子工作で使うリード線やジャンパー線の下ごしらえをまとめました。単線とより線の違い、太さの表し方、ワイヤーストリッパーでの被覆のむき方、より線のよじり方と予備はんだ、線どうしの接続と熱収縮チューブの使い方、ねじ端子で気をつけること、よくある失敗の直し方まで、手順に沿って紹介します。

電子工作の組み立てでつまずきやすいのは、部品のはんだ付けそのものより、その前の線の下ごしらえだったりします。被覆をむいたら芯線が何本か切れていた、より線がほつれてとなりのランドにふれた、つないだ線が少し引っぱっただけで抜けた。こうした不具合は、はんだごてを当てる前の加工でほとんど防げます。
この記事では、リード線(部品や基板をつなぐ被覆付きの電線)とジャンパー線(基板上や基板間の短い渡り線)を対象に、線の種類の見分け方から、被覆のむき方、より線の扱い、予備はんだ、線どうしの接続、絶縁と固定までを順に説明します。対象は乾電池やUSB電源で動かす低電圧の工作です。はんだ付けの基本動作ははんだ付けの基本で扱っているので、あわせて読むと流れがつかみやすくなります。
線の加工が仕上がりを左右する理由
不具合の多くは「線の端」で起きる
回路が動かないとき、部品の向きや値を疑う前に、線の端を見ると原因が見つかることがよくあります。芯線の一部が切れて細くなっている、被覆の中で芯線が折れかけている、むいた部分が長すぎてとなりの端子にふれている、といった状態です。どれも外から見ると「はんだは付いている」ので、見落としやすいのが厄介なところです。
線の端は、作業中に何度も曲げられ、引っぱられ、熱を受けます。被覆をむくときに芯線に刃が当たると、その場では切れなくても傷が残り、後の曲げで折れる原因になります。より線をほつれたまま穴に通すと、一部の素線(より線を構成する細い線の一本一本)だけが穴に入り、残りが外にはみ出します。
加工を一定にすると、検査と修正が楽になる
むく長さやよじり方を毎回そろえておくと、仕上がりの良し悪しを見分けやすくなります。同じ長さでむいた線が並んでいれば、一本だけ長いものはすぐ目に入ります。修正するときも、どこまで外して作り直せばよいかの見当がつきます。
加工の順番は、おおむね次のとおりです。それぞれの工程で何を確かめるかを意識すると、次の工程に問題を持ち越さずにすみます。

単線とより線、太さの見方
単線とより線の違い
被覆の中の導体が1本の太い線になっているものを単線、細い素線を何本も束ねてよったものをより線と呼びます。どちらも電気を通す役割は同じですが、曲げに対する性質が大きく違います。
単線は曲げた形を保つので、基板の上で決まった経路を通す配線や、ブレッドボードに差し込む線に向いています。その反面、同じ場所で何度も曲げると金属が疲れて折れます。より線はしなやかで、繰り返し動かしても折れにくいため、ふたを開け閉めするケースの中や、基板と外部のスイッチ・電池ボックスをつなぐ配線に向いています。ただし端がほつれやすく、そのままでは穴に通しにくいので、端の処理が欠かせません。
| 項目 | 単線 | より線 |
|---|---|---|
| 導体のつくり | 1本の線 | 細い素線を束ねてよったもの |
| 形の保ちやすさ | 曲げた形を保つ | 形を保たず、しなやか |
| 繰り返しの曲げ | 弱く、折れやすい | 強く、折れにくい |
| 端の扱い | そのまま穴に通せる | よじる・予備はんだが必要 |
| 向いている場所 | 基板上の渡り線、ブレッドボード | 外部部品への配線、動く部分 |
太さの表し方
電線の太さは、導体の断面積(mm²、スケアと呼ばれることもあります)や、AWG(米国の規格による番号)で表されます。AWG は番号が大きいほど細くなる点に注意が必要です。単線では導体の直径(mm)で表すこともあります。
太さは、流す電流の大きさに合わせて選びます。細すぎる線に大きな電流を流すと、線が熱を持ち、被覆が傷む原因になります。LED を点灯させる程度の小さな電流なら細い線で足りますが、モーターや複数の部品にまとめて電源を供給する線は、太めのものを選びます。具体的な許容電流は電線の種類や使い方で変わるため、電線の仕様表や、使う部品・電源の説明書で確かめてください。
被覆の種類にも目を向ける
被覆の素材によって、熱への強さや柔らかさが変わります。一般的な電子工作用のビニル被覆は扱いやすい反面、はんだごての熱が長く伝わると溶けて縮みます。被覆が熱で後退すると、むいた長さが勝手に伸び、導体の露出が増えます。熱に強い被覆の線もあるので、狭い場所で何度もこてを当てる配線では選択肢に入れるとよいでしょう。
色分けも大切な情報です。電源のプラスを赤、マイナス(GND)を黒にそろえるだけで、配線の確認がずっと楽になります。信号線の色も自分なりに決めておくと、後から見返したときに迷いません。










