リード線とジャンパー線の加工|被覆のむき方・予備はんだ・より線の扱いと線どうしのつなぎ方
被覆のむき方と道具の選び方
使う道具の違い
被覆をむく道具には、いくつかの種類があります。どれを使う場合も、狙いは「導体を傷つけずに被覆だけを切る」ことです。


穴径を選ぶタイプのワイヤーストリッパーは、刃に太さごとの穴が刻まれていて、線の太さに合う穴で挟んで引きます。穴の表示は mm² や AWG、単線の直径などで書かれているので、線の太さと表示の単位をそろえて選びます。迷ったら一段太い穴から試し、むけなければ一段細い穴に移ると、芯線を傷めにくくなります。
ニッパーでむく方法は、刃を被覆に軽く当てて一周切れ目を入れ、その切れ目から先の被覆を引き抜くものです。道具が一つですむ反面、力が入りすぎると芯線まで切り込みます。慣れないうちは、むく専用の道具を使うほうが失敗は少なくなります。
作業前にそろえておくもの
被覆をむく道具のほかに、線を切るニッパー、線や基板を押さえるクリップ付きの保持具、むいた部分を確かめるルーペがあると作業が安定します。予備はんだまで続けて行うなら、はんだごてとこて台、こて先の清掃具、吸煙のための換気も最初に整えておきます。
線を切るときは、必要な長さに加えて、むき直しのための余りを数センチ見込んでおきます。むく位置に定規で印を付けるより、ストリッパーの刃から先の長さを一度測って覚えておくほうが、本数が多いときは早く、長さもそろいます。何本も同じ長さで作るときは、最初の一本を見本として机の端に置き、並べて比べながら切ると、ばらつきを抑えられます。
むく手順
- むく長さを決め、線の端から測って位置を確かめる。最初は短めにする。
- 線の太さに合う穴(またはむき位置)に線を置き、刃を閉じる。
- 線をまっすぐ引き抜くように、被覆を外す。ねじったり、斜めに引いたりしない。
- むいた部分を明るい場所で見て、素線の切れや芯線の傷、被覆の残りがないか確かめる。
- 問題があれば、その部分を切り落としてやり直す。
むく長さは、接続先で決まります。基板の穴に通してはんだ付けするなら、基板の厚みに少し余りを足した程度で足ります。線どうしを重ねてつなぐなら、重ねる長さ分が必要です。長くむくと露出した導体がとなりの端子にふれやすくなるので、必要最小限にとどめ、足りなければ追加でむくほうが安全です。
むいた後に確かめること
より線では、刃が当たって素線が数本切れることがあります。切れた素線が多いと、その分だけ導体が細くなり、残った素線に負担が集中します。目で見て明らかに本数が減っているときは、切り落としてむき直します。
単線では、刃が芯線に当たって細い溝ができていないかを確かめます。溝の部分は曲げると折れやすくなります。ルーペで見ると小さな傷も分かりやすくなります。被覆の切れ端が芯線に残っていると、はんだがなじまない原因になるので、指でつまんで取り除いておきます。
刃物でむくときは、刃の進む方向に指を置かないようにしてください。線を机に置いてカッターで被覆を削る方法は、刃が滑って手を切りやすいため、この記事ではおすすめしません。
より線をよじって整える
よじる理由
むいたばかりのより線は、素線が少し開いています。このまま穴に通そうとすると一部の素線だけが外に残り、はんだ付けしたあとに「ひげ」となって飛び出します。ひげがとなりのランドにふれると、ショートの原因になります。よじって素線をまとめると、穴に通しやすく、はんだも均一に回ります。
よじり方の手順
- むいた部分の素線を、指先で軽くまっすぐに伸ばしてそろえる。
- 素線がもともとよられている向きを見て、その向きに合わせてよじる。
- 根元から先に向かって、指先でつまんで軽く回す。強くねじりすぎない。
- 先端に飛び出した素線があれば、そろえてからもう一度よじるか、先端を少し切りそろえる。
もともとのより方向と逆向きにねじると、素線がほどけて広がってしまいます。線の外側から見て、素線が斜めに走る向きを確かめ、その流れを強める方向に回します。
素手でよじると、指の皮脂が芯線に付きます。皮脂や汚れははんだのなじみを悪くするので、手を洗ってから作業するか、よじったあとすぐに予備はんだをして、汚れが残る時間を短くします。
細い線と太い線の注意点
素線が非常に細い線は、強くよじると途中で切れることがあります。指先で軽くまとめる程度にとどめます。反対に太いより線は、よじりにくく、穴に入らないことがあります。その場合は、穴の大きさと線の太さが合っているかを先に確かめます。穴に入れるために素線を何本か切り落とす方法は、導体を細くすることになるので避けます。










