リード線とジャンパー線の加工|被覆のむき方・予備はんだ・より線の扱いと線どうしのつなぎ方
線どうしをつなぐ方法と絶縁
つなぎ方の種類
線どうしを延長したり、分岐させたりする場合、はんだで直接つなぐ方法があります。代表的なものを比べると、次のようになります。
| つなぎ方 | 手順の概要 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 突き合わせ(並べてつなぐ) | 2本の芯線を同じ向きに並べ、よじってからはんだ付け | 細い線、低い電流の延長 |
| 一直線につなぐ | 芯線を交差させて互いに巻き付け、はんだ付け | 引っぱる力がかかる延長 |
| ピッグテール | 複数の線の芯線を同じ向きにそろえてまとめる | 分岐、複数の線の合流 |
突き合わせは作業が簡単で、熱収縮チューブで覆うのも楽です。一直線につなぐ方法は、芯線が互いに巻き付いているので、はんだだけに頼らず機械的にも保持されます。どちらも、はんだは芯線のすき間に吸い込ませるようになじませ、表面に盛り上げないようにします。
熱収縮チューブの使い方
熱収縮チューブは、熱を加えると直径が縮む絶縁用のチューブです。接続部分を覆うと、絶縁と同時に、つなぎ目の補強にもなります。
- チューブを、接続部分を覆い、両側の被覆に少しかかる長さに切る。
- はんだ付けの前に、チューブを片方の線に通しておく。接続部から十分に離し、はんだ付けの熱で縮まない位置に置く。
- はんだ付けを終えたら、接続部が冷めるのを待つ。
- チューブを接続部の上に移動し、全体を覆う位置に合わせる。
- ヒートガンなどで、チューブの中央から両端に向かって均一に温める。
縮む前の内径は、接続部分が無理なく通る大きさにし、縮んだ後の内径が線の外径より細くなるものを選びます。チューブには収縮する割合が表示されているので、確かめてから選びます。
ライターの炎で温める方法は、チューブや被覆を焦がしやすく、火の扱いにも注意が必要です。はんだごての側面を近づけて温める方法もありますが、こて先がチューブにふれると溶けて穴が空きます。どの方法でも、周りに燃えやすいものを置かず、換気をして作業します。

絶縁テープを使う場合
熱収縮チューブを通し忘れて、接合を外せない場合は、ビニルの絶縁テープで巻いて絶縁します。テープは時間がたつと端からはがれやすいので、引っぱりながら少しずつ重ねて巻き、巻き終わりを押さえておきます。ケースの中で熱がこもる場所や、長く使う配線では、できれば作り直してチューブで覆うほうが安心です。
つないだ後の確かめ方
つないだ線は、見た目だけでなく、軽く引っぱって外れないか、手で曲げて途中で切れないかを確かめます。強く引っぱりすぎると接続を傷めるので、ふだん配線にかかる程度の力を目安にします。
電気的なつながりは、テスターの導通確認で調べます。線の両端にテスト棒を当てて導通があること、となりの線とは導通がないことを確かめます。テスターの使い方はテスター(マルチメーター)の基本で紹介しています。
よくある失敗と直し方
素線が切れた、芯線が傷ついた
むいたときに素線が何本も切れた、単線に刃の跡が残ったという場合は、その部分を切り落としてむき直すのが確実です。そのまま使うと、後で曲げたときにそこから折れます。線の長さに余裕を持たせて切っておくと、むき直しで短くなっても困りません。
被覆が溶けて縮んだ
はんだ付けの熱で被覆が後退し、導体の露出が増えた場合は、露出部分を熱収縮チューブや絶縁テープで覆います。何度も起きるなら、こてを当てる時間が長すぎるか、温度が高すぎる可能性があります。予備はんだを両側にして、本番の加熱時間を短くすると改善します。
ひげ(飛び出した素線)が出た
はんだ付けした後に、一本だけ素線が外にはみ出していることがあります。となりのランドにふれていなければ、ニッパーで根元から切り取ります。ふれているときは、通電前に必ず取り除き、テスターでとなりとの導通がないことを確かめます。
根元で折れる
はんだで固まった部分と、柔らかい被覆部分の境目は、曲げの力が集中して折れやすい場所です。線がよく動く場所では、境目に熱収縮チューブをかぶせて曲がり方をなだらかにしたり、線を基板やケースに固定して、境目に直接力がかからないようにします。

配線を長持ちさせる工夫
引っぱる力を接合部にかけない
はんだの接合は、電気を通すためのものです。ケーブルを引っぱる力まで接合部で受け止めると、いずれ外れたり、ランドがはがれたりします。基板から外に出る線は、結束バンドや穴を使って基板やケースに固定し、接合部の手前で力を受け止めるようにします。この固定を、ストレインリリーフと呼ぶことがあります。
長さと経路に余裕を持たせる
線をぴったりの長さに切ると、ふたを開けたり基板を取り出したりするときに引っぱられます。少し余裕を持たせて、ゆるくまとめておくと、点検や修理のときに作業しやすくなります。ただし余らせすぎると、ケースの中でほかの部品にからみます。経路を決めてから、余裕分を足して切るのが目安です。
記録を残す
色の決まりや、どの線がどこにつながっているかをメモしておくと、後から改造するときに役立ちます。基板の写真を撮っておくだけでも、線の経路を思い出す手がかりになります。
まとめ
リード線とジャンパー線の加工は、線の種類を選び、芯線を傷つけずにむき、より線を整え、接続先に合わせて予備はんだをするかどうかを決める、という順番で進めます。最後に絶縁と固定をして、引っぱる力を接合部にかけないようにすると、長く安定して使えます。
最初の一歩としては、余っている線を10cmほどに切り、ストリッパーで両端をむいて、よじり、予備はんだをする練習を5本ほど続けてみてください。仕上がりを並べてルーペで見比べると、むく長さやはんだの量のばらつきがよく分かります。そのうえで、熱収縮チューブを使った線どうしの接続を一度試しておくと、実際の工作で迷う場面がぐっと減ります。
よくある質問
単線とより線は、どう使い分ければよいですか?
曲げた形を保ちたい基板上の配線やブレッドボードには単線、動かす部分や基板と外の部品をつなぐ配線にはより線が向いています。単線は何度も曲げると折れやすいため、動く場所には使わないようにします。
被覆はどのくらいの長さをむけばよいですか?
接続先によって変わります。基板の穴に通すなら板厚と少しの余り、線どうしをつなぐなら重ねる長さ分が目安です。むきすぎると導体が露出して隣とふれやすくなるため、短めにむいて足りなければ追加するほうが安全です。
予備はんだは必ずしたほうがよいですか?
基板のランドや端子にはんだ付けするより線では、予備はんだをしておくとほつれず、短時間で付けやすくなります。一方で、ねじで締める端子には予備はんだをしないのが一般的です。接続先の説明書の指示を優先してください。
熱収縮チューブをはんだ付けの後で通し忘れました。どうすればよいですか?
片方の端が自由なら、いったん接合を外してチューブを通し直すのが確実です。外せない場合は、絶縁テープで代用するか、配線を作り直します。作業の前に、チューブを先に通す手順を習慣にしておくと防げます。
家庭用コンセントにつながる配線にも同じ方法を使えますか?
この記事は乾電池やUSB電源などの低電圧の電子工作を対象にしています。家庭用コンセントにつながる屋内配線の工事は資格が必要な作業があり、感電や火災の危険もあるため、自分では行わず電気工事の専門業者に依頼してください。










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