カセットコンロの防災備蓄|ボンベの本数と使用期限、室内で安全に使うための注意
停電やガスの停止に備えるカセットコンロの備え方をまとめました。ボンベの必要本数の考え方、製造年の見方と使用期限の目安、室内で使うときの換気と置き場所、爆発を防ぐ使い方、冬に火力が落ちる理由、燃料を節約する調理の工夫まで説明します。

災害のとき、まず困るのは食べるものそのものより、温かいものを作れないことかもしれません。電気が止まれば電気調理器もIHも使えず、都市ガスは地震のあと、安全の確認に時間がかかることがあります。そんなとき、燃料を手元に置いておけるカセットコンロは、家庭でできる備えの中でも効果の大きいものです。
一方で、カセットコンロは火を使う道具です。ふだんの鍋料理で慣れている人も、災害時の使い方には別の注意があります。この記事では、なぜ備えるのかを確かめたうえで、ボンベの本数の考え方、使用期限と保管のしかた、室内で安全に使うための注意、冬の使いにくさ、燃料を節約する調理の工夫までを順に説明します。
災害時にカセットコンロが役に立つ理由
カセットコンロのよいところは、燃料と器具を自分の手元で完結させられることです。
ライフラインから切り離されている
家庭の調理は、ふだんは電気かガスに頼っています。災害では、どちらも止まるおそれがあります。
- 電気が止まると、IH調理器、電子レンジ、電気ケトル、炊飯器が使えない
- ガスコンロも、機種によっては電池で点火できるが、ガスが止まれば使えない
- 都市ガスは、地震後に安全確認と復旧に時間がかかることがある
- オール電化の家は、停電すると調理の手段がなくなる
過去の災害では、電気の復旧に比べて、都市ガスの復旧に長くかかった例があります。家の中が無事でも、数日から数週間、調理の手段が限られる可能性があると考えておくとよいでしょう。
温かいものを作れる意味
非常食の多くはそのままでも食べられますが、温かいものを口にできるかどうかは、体力と気力に影響します。冬の停電では、体を内側から温める手段にもなります。寒さへの備えは冬の停電の寒さ対策で説明しています。
水があれば、湯を沸かすだけでアルファ米やカップ麺、インスタントの汁物が食べられます。冷凍庫の食品が解けはじめたときに、加熱して使い切ることもできます。
準備の位置づけ
カセットコンロは、防災のために特別に買うものというより、ふだんの鍋料理の道具を兼ねられる点が強みです。防災用品全体の考え方は防災グッズの揃え方にまとめています。

ボンベは何本備えるか
本数の考え方は、「1人でどれだけ使うか」と「どのくらいの期間を想定するか」の掛け算です。
公的な目安は1人1週間で6本
農林水産省の家庭備蓄の資料では、大人1人の1週間分の目安としてカセットボンベ6本が挙げられています。1日あたりに直すと1本弱です。
| 家族の人数 | 3日分の目安 | 1週間分の目安 |
|---|---|---|
| 1人 | 3本 | 6本 |
| 2人 | 6本 | 12本 |
| 3人 | 8本 | 18本 |
| 4人 | 11本 | 24本 |
3日分の数字は、1週間分の6本を日数で割って切り上げた計算です。実際の減り方は、作るものによって大きく変わります。
1本でどのくらい使えるか
一般的な家庭用のカセットボンベの中身は250gほどです。強火で使い続けると、1本がおよそ1時間で空になります。ただし、機種の火力によって差があり、弱火ならもっと長く使えます。正確な時間はコンロの説明書に書かれています。
湯を沸かす場合、1本の燃料で沸かせる量は、条件がよくても十数リットルが上限の目安です。実際には、ふたをしない鍋や、風のある場所、冷えた部屋では熱が逃げ、はっきりと減ります。「1本でだいたい1時間、湯なら1リットルを10回前後」くらいに考えておくと、計算しやすいでしょう。
家の条件で増減させる
目安の本数は、次の条件で調整します。
- オール電化の家は、調理の手段がほかにないので多めに持つ
- プロパンガスの家は、都市ガスより復旧が早いことが多いが、ボンベの備えはあったほうがよい
- 乳幼児や高齢者がいて、温かい食事や湯を多く使う家は多めに持つ
- 水の備蓄が少なければ、湯沸かしに使えるボンベの本数も限られる
最後の点は見落としやすいところです。燃料があっても水がなければ、できる調理は限られます。水の量の考え方は家庭の水の備蓄と断水時の使い分けで説明しています。
試しに一度、ボンベ1本で過ごす
机の上の計算より確かなのは、実際に試すことです。休日に、3食をカセットコンロで作り、ボンベがどのくらい減るかを見ます。重さを量れば、調理1回でどのくらい使ったかがわかります。











