日の入りがいちばん早い日はいつ?|冬至より前になる理由と、均時差のしくみ
夏にも同じことが起きています
このずれは冬だけの話ではありません。夏至のころにも同じしくみが働くので、東京では次のように順番が並びます。
- 日の出が最も早い日: 6月中旬
- 昼が最も長い日: 6月下旬(夏至)
- 日の入りが最も遅い日: 6月末から7月初め
冬は「夕方、至、朝」の順でしたが、夏は「朝、至、夕方」の順で、朝と夕方が入れ替わります。一見すると別の現象のようですが、どちらも南中が時計に対して遅れていく時期なので、同じ規則で説明できます。時刻の全体が後ろへ滑っていくと、いちばん早い時刻は至より前に、いちばん遅い時刻は至より後に来るのです。冬の日の入りと夏の日の出は「いちばん早い」を探しているので至より前になり、冬の日の出と夏の日の入りは「いちばん遅い」を探しているので至より後になります。
ただし、ずれの幅は夏のほうが小さくなります。東京では、冬の最早日と最遅日が冬至の前後それぞれ2週間以上離れるのに対し、夏は夏至の前後それぞれ8日ほどです。楕円軌道の効果は、公転が最も遅い7月初めのころには1太陽日を短くする向きに働き、地軸の傾きの効果を一部打ち消すからです。冬至のころの足し算に対して、夏至のころは引き算になり、南中の遅れは1日あたり10秒あまりにとどまります。
南半球では季節が逆なので、12月が夏に当たりますが、地球の軌道の位置は同じです。太陽の南中が毎日遅れていく時期そのものは同じなので、南半球の夏至(12月)の前後で、日の出の最も早い日と日の入りの最も遅い日が並びます。
太陽が描く8の字「アナレンマ」
均時差を一目で見られるものに、アナレンマがあります。同じ場所で、同じ時刻(たとえば毎週水曜の正午)に太陽の位置を記録していくと、空に細長い8の字が描かれます。
8の字の縦の広がりは、太陽の高さの変化、つまり地軸の傾きによる季節の変化です。横の広がりが、均時差です。もし均時差がなければ、太陽は毎回同じ東西の位置に戻るので、8の字ではなく、縦の線になるはずです。
8の字の上下の輪の大きさが違うのは、先ほどの二つの原因の周期の違いが表れた形です。夏の輪が小さく、冬の輪が大きいのは、夏と冬のずれの幅の違いと対応しています。
撮影でアナレンマを作る試みは世界中で行われていますが、太陽を直接撮るので、減光フィルターなしで行うとカメラのセンサーを傷めることがあり、ファインダーをのぞくと目を痛める危険があります。趣味で試すなら、次の項目で紹介する影の記録のほうが安全で手軽です。
棒の影で南中の遅れを確かめる
計算だけでなく、南中が毎日遅れていくことは、棒の影で確かめられます。12月の初めから1月にかけて、週に1回、数週間続けて測れば、時計に対する遅れが読み取れます。

太陽を直接見ることは、短時間でも目を傷める危険があります。観察は影だけで行い、双眼鏡や望遠鏡を太陽に向けないでください。
用意するもの
- 垂直に立てられるまっすぐな棒(台に固定します)
- 大きめの紙か段ボール(地面に固定できるもの)
- 鉛筆、糸、時計
- 水平を確認するもの(水の入った皿でも代用できます)

手順
- 午前10時ごろ、水平な台に紙を固定し、棒を垂直に立てます。棒の根元を中心に、影の先端が届きそうな半径で円を何重か描きます。
- 影の先端が円に触れた時刻を、円ごとに記録します。
- 午後も同じ円に影の先端が触れる時刻を記録します。
- 同じ円の午前と午後の時刻の真ん中を計算します。これが南中時刻です。
影の長さが最も短くなる瞬間を探す方法もありますが、南中の前後は影の長さがほとんど変わらないので、数分の誤差が出やすくなります。午前と午後で同じ長さになる時刻を使うと、その影響を避けられます。
記録の読み方
12月1日に東京で測ると、南中は11時30分ごろです。同じ場所で1週間後に測れば3分ほど遅く、1月8日には18分ほど遅くなっているはずです。1週間で3分前後の変化なので、測定の誤差が1分以内に収まっていれば、遅れていく様子が見えてきます。
天気の都合で測れない週があっても、数回の記録があれば傾向はつかめます。日付、時刻、棒の長さ、場所を記録しておくと、翌年に見比べられます。夕方の空と合わせて、月の満ち欠けのしくみの観察のように、ノートに毎週の記録を残す楽しみにもなります。
暦を調べるだけなら、国立天文台の各地のこよみで都道府県を選ぶと、日の出と日の入り、南中の時刻が日ごとに表示されます。最新の正確な値はこちらで確認してください。
まとめ
日の入りが最も早い日が冬至より前になるのは、日の入りの時刻が「南中時刻」と「昼の長さの半分」の足し算で決まり、12月は南中が毎日遅れていくからです。この遅れの背景には、地球の軌道が楕円であることと地軸が傾いていることの二つがあり、冬至のころは両方が同じ向きに働いて、1太陽日が約30秒長くなります。昼の長さの変化が小さい南の地域ほど、最も早い日は冬至から離れます。
最初の一歩として、今月の暦から自分の住む地域の日の入りの時刻を調べ、最も早い日と冬至の日で何分違うかを確かめてみてください。そして1月半ばの夕方に、同じ時刻の空の明るさを見比べると、数字で読んだ変化が目に見える形で確かめられます。
よくある質問
日の入りがいちばん早いのは何月何日ごろですか?
東京では12月上旬で、年によって1日ほど前後します。分単位の表示では同じ時刻が1週間以上続くので、「この日だけ」というより、12月初めの2週間ほどが最も早い時期と考えると実感に合います。
冬至は昼がいちばん短い日で合っていますか?
合っています。日の出から日の入りまでの長さは冬至のころが最短です。ただし最短の昼が時計の上で早い時間に来るとは限らず、日の出と日の入りの時刻はそれぞれ別の日に極値を迎えます。
均時差とは何ですか?
太陽の動きから決まる時刻と、時計が示す平均の時刻との差のことです。1年のあいだに増減し、差は最大で16分ほどになります。地球の軌道が楕円であることと、地軸が傾いていることの二つが原因です。
沖縄と北海道で日付が違うのはなぜですか?
昼の長さが季節で変わる度合いが緯度によって違うためです。南ほど昼の長さの変化が小さく、南中時刻の遅れの影響が目立つので、日の入りの最も早い日が冬至からより離れます。
南半球でも同じことが起きますか?
起きますが、季節が逆になります。南半球では12月の夏至のころに、日の出の最も早い日と日の入りの最も遅い日が夏至をはさむ形になります。










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