家庭の水の備蓄と断水時の使い分け|飲み水と生活用水の量の目安、くみ置きの保存期間、給水袋での運び方
飲み水の備え方
飲み水は、市販のペットボトルの水を中心に備えるのが手軽で確実です。
ふだん飲む水と長期保存の水
市販の水には、ふだん飲むための水と、長く保存できるように作られた保存用の水があります。保存用の水は、容器や製法を工夫して、ふつうの水より賞味期限が長くなっているのが特徴です。
どちらを選ぶかは、家の事情に合わせて決めてかまいません。保存用の水は入れ替えの手間が少ない一方、しまい込んで期限を忘れやすいという面があります。ふだん飲む水を多めに買って、古いものから使い、使った分を買い足していく「ローリングストック」という方法なら、日常の中で自然に入れ替えができます。
2リットルと500ミリリットルの使い分け
ペットボトルの大きさにも、それぞれ向き不向きがあります。
- 2リットルのボトルは、本数を少なくまとめられ、調理や家族で分けて使うのに向いています。
- 500ミリリットルのボトルは、一人ずつ持ち歩けて、開けたあとも飲みきりやすいのが利点です。避難するときに持ち出す分にも向いています。
家での備えは2リットルを中心にし、持ち出し袋や家族一人ずつの分として500ミリリットルを何本か用意する、という組み合わせが使いやすいでしょう。
置き場所の決め方
水は重く、まとまった量になると場所をとります。置き場所を決めるときは、次の点に気をつけます。
- 直射日光の当たらない、涼しい場所に置く。高温の場所に長く置くと、容器が傷んだり、においが移ったりすることがある。
- 洗剤や灯油など、においの強いものの近くに置かない。ペットボトルを通してにおいが移ることがある。
- 一か所にまとめず、台所や寝室、玄関の近くなどに分けて置く。家の一部が使えなくなっても、どこかの水を取り出せるようにする。
- 箱で積み上げるときは、崩れて人の上に落ちないよう、低く安定させて置く。
開けたあとの水の扱い
ペットボトルの水は、一度開けて口をつけると、そこから雑菌が入りやすくなります。開けた水は、できるだけ早めに飲みきるようにしましょう。家族で分けるときは、直接口をつけず、コップに注いで飲むと長持ちします。
水道水をくみ置きする
断水が予想されるときや、ペットボトルの備えを補いたいときは、水道水を容器にくみ置きしておく方法もあります。
水道水がしばらくもつ理由
水道水には、消毒のための塩素がわずかに残るように調整されています。この塩素のはたらきで、水道水は雑菌が増えにくくなっています。くみ置きした水道水がしばらく飲み水として使えるのは、この塩素のおかげです。
逆にいえば、塩素が抜けた水は傷みやすくなります。浄水器を通した水や、一度沸かした水は塩素がほとんど残っていないため、くみ置きには向きません。
容器の選び方と入れ方
くみ置きには、清潔でふたがしっかり閉まる容器を使います。手順は次のとおりです。

口元までいっぱいに入れるのは、空気に触れる部分を少なくし、塩素が抜けにくくするためです。くんだ日を書いたメモを貼っておくと、いつ入れ替えればよいかが分かります。
保存期間の目安
くみ置きした水道水の保存期間は、常温でおよそ3日、冷蔵庫に入れた場合はおよそ10日が目安として、水道局などで案内されることが多いです。期限が過ぎた水は、飲み水には使わず、トイレや掃除などの生活用水に回します。
保存期間や容器の扱いについては、住んでいる地域の水道局が案内していることがあるので、最新の情報を確かめておきましょう。
くみ置きした水が濁っている、においがおかしい、容器の中にぬめりがある、といった場合は飲まないでください。飲み水として使えるかどうか迷う水は、生活用水に回すのが安全です。
断水の予告があったとき
工事や寒波などで断水が予告されたときは、始まる前に次の準備をしておくと慌てずに済みます。
- 飲み水用のふた付き容器に水道水をくむ
- 浴槽に水をためておく
- やかんや鍋にも水を入れておく
- 洗い物や洗濯を先に済ませておく
寒い地域で、凍結による断水が心配なときの備えは、水道管の凍結を防ぐ方法の記事で紹介しています。
生活用水を確保する
トイレや洗い物に使う生活用水は、量がたくさん必要になります。飲み水とは分けて、別の方法で確保します。
浴槽の水を使う
もっとも多くの量を確保しやすいのが、浴槽の水です。ふだんから、入浴したあとのお湯をすぐに捨てずに、次の入浴まで浴槽に残しておく家庭もあります。浴槽いっぱいの水は、トイレを何回も流せる量になります。
ただし、浴槽の水は飲み水や調理には使いません。トイレを流す、床や道具を洗う、といった用途に限ります。
小さな子どもがいる家庭では、浴槽に水を張ったままにしておくと、転落して溺れる事故につながるおそれがあります。浴槽にふたをし、浴室のドアを閉めて、子どもが一人で入れないようにしておきましょう。また、追いだきの配管がある浴槽では、長く水をためると汚れが気になることもあるので、こまめに入れ替えます。
ポリタンクと水の容器
浴槽のほかに、ポリタンクや折りたためる水の容器があると、生活用水を台所やトイレの近くに分けて置くことができます。給水所から水を運ぶときにも使えるので、一つ用意しておくと役に立ちます。
| 容器 | 向いている使い方 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 市販のペットボトル | 飲み水の備え | 期限と置き場所を管理する |
| ふた付きの容器 | 水道水のくみ置き | 清潔に保ち、日付を書く |
| ポリタンク | 生活用水・給水所からの運搬 | 満杯にすると重い |
| 折りたためる給水袋 | 給水所からの運搬 | 運ぶための袋や台車も用意 |
| 浴槽 | トイレ・洗い物用の生活用水 | 飲まない。子どもの転落に注意 |
トイレを流すときの注意
断水中にトイレを流すときは、まず流してよいかどうかを確かめることが大切です。大きな地震のあとなどは、建物の排水管や下水道が壊れていることがあり、水を流すと汚水が逆流したり、下の階にあふれたりするおそれがあります。自治体や建物の管理者から案内が出ていないか確かめましょう。
流してよい場合は、バケツにくんだ水を、便器の中へ一気に注いで流します。少しずつ注ぐと、汚物が流れきらないことがあります。トイレットペーパーが詰まりの原因になる場合もあるので、便器や建物の案内に従ってください。
流せない、あるいは流してよいか分からないときは、携帯トイレや簡易トイレを使います。便器に袋をかぶせて使うタイプなら、ふだんのトイレの形のまま使えます。携帯トイレは、水の備えと同じくらい大切な備えです。家族の人数と日数を考えて、多めに用意しておきましょう。










