棒針編みのゲージの取り方|試し編みの大きさ、測り方、目数と段数の調整
幅と丈の比例計算は単位をそろえて使う
幅30cmに必要な目数を求める例
計算で調整しやすいのは、増減目が少なく、寸法を自分で決められる四角い編み地です。ここでは、洗って乾かした自分のゲージが「10cmで22目30段」、欲しい幅が30cm、丈が25cmとします。数字は計算の例で、特定の編み図の指定ではありません。
幅に必要な目数は、「欲しい幅cm×10cm当たりの目数÷10」です。30×22÷10なので66目になります。丈に必要な段数は、25×30÷10で75段です。目と段を入れ替えず、それぞれ横と縦の値を使います。1cm当たりでは2.2目、3段と考えても同じ結果です。
- 欲しい編み地の幅と丈を、cmで紙に書きます。
- 仕上げ後の自分のゲージを、目数と段数に分けて書きます。
- 幅に目数ゲージ、丈に段数ゲージを掛け、それぞれ10で割ります。
- 模様の繰り返しと端の目を確認し、実際に編める整数へ調整します。
- 調整した目数と段数から、仕上がり寸法を逆算します。
逆算は「目数÷ゲージの目数×10」です。66目なら66÷22×10で30cmに戻ります。式を逆にしていないか、その場で確認できます。電卓へ数字を入れる前に、22目で10cmなら倍の44目は20cmになる、という大まかな見当を付けておくと、桁違いにも気づけます。
編み図の目数から換算するときは密度の比を使う
編み図が20目のゲージで60目を指示しているなら、想定される幅は30cmです。自分のゲージが22目なら、「元の60目×22÷20」で66目になります。自分の目が小さい分だけ数を増やし、同じ幅を確保する計算です。
| 求めるもの | 計算例 | 結果の意味 |
|---|---|---|
| 幅30cmの目数 | 30×22÷10=66目 | 自分のゲージで必要な数 |
| 丈25cmの段数 | 25×30÷10=75段 | 直線部分の長さの見積もり |
| 元の60目を換算 | 60×22÷20=66目 | 元と同じ幅を目指す数 |
| 60目をそのまま編む幅 | 60÷22×10≒27.3cm | 調整しない場合の寸法 |
編み図の60目に、とじるための端の目が含まれるなら、模様の部分と端の部分を分けて考えます。全ての数字へ同じ比率を掛けると、端の処理まで変えてしまいます。計算式は寸法を見積もる道具なので、編み図の構造を読む代わりにはなりません。
模様の繰り返しと増減目に合わせて数を整える
端数を丸めた後の寸法を確認する
比例計算の答えが66目でも、模様が8目一組で、左右の端に1目ずつ必要なら、そのまま使えるとは限りません。模様部分が64目なら8組にでき、端の2目を足して66目になります。この例では偶然合いますが、常に合うわけではありません。
たとえば必要な総目数が計算上68目なら、同じ条件で近い候補は66目か74目です。ゲージ22目なら、66目は約30cm、74目は約33.6cmです。どちらを選ぶかは「数字が近い方」だけでなく、使う物に必要な幅、縁の扱い、模様を左右対称に置けるかで決めます。狭くしたくない物なら、別の縁取りや模様を検討することもできます。
模様の中心が目の上に来るか、目と目の間に来るかでも、左右の配分は変わります。中央から左右へ組数を割り振る図を紙に描くと、片側だけ半端な模様になるのを避けられます。いきなり作り目をするより、端、模様、端の順に数字を並べて合計する方が確認しやすくなります。
段数は丈だけでなく形を変える
指定が10cmで28段、自分が30段なら、同じ28段を編んだ高さは約9.3cmです。直線部分に「実寸20cmまで編む」と指定があれば長さで判断できますが、「8段ごとに減らす」とある部分では、同じ段間隔が同じ高さになりません。減らす回数と配置を合わせて見直す必要があります。
増減目を最初や最後へまとめると、斜めの線が途中から急に曲がります。どこからどこまでに何回の増減が必要か、開始と終了の寸法を図に書き、模様の区切りも含めて考えます。初めての衣服でこの調整が大きくなるなら、指定に近い糸と針へ戻す方が進めやすいでしょう。
衣服のサイズ変更では、胸囲だけでなく肩幅、袖ぐり、袖山、衿ぐり、とじ合わせる長さも関係します。目数を一律に比例換算するだけで完成すると考えず、複雑な形の変更は編み図の解説や編み物教室などで確認してください。
ボタン穴の数や位置、模様の開始段など、寸法とは別の条件も残ります。変更する場合は、元の指示の上へ直接数字を書き重ねるより、「変更前」「変更後」「変えた理由」を別紙に残すと、途中で戻っても読み違えにくくなります。
模様編みと輪編みでは本番の条件を再現する
ゴム編み、縄編み、透かし模様で測り方を変える
ゴム編みは横方向へ伸び縮みするため、自然に置いた幅と、着用を想定して伸ばした幅が違います。編み図に「伸ばさず」「軽く伸ばして」などの条件があれば、それに従います。条件が分からないまま、ものさしの長さまで引っ張って数を合わせないようにします。
縄編みは目を交差させるため、同じ目数のメリヤス編みより幅が縮むことがあります。透かし模様は、仕上げで広げて初めて形が出るものもあります。どちらもメリヤス編みの値をそのまま使わず、編み図がゲージに指定する模様を十分な組数で編みます。模様一組の幅を測る指定なら、その単位で記録します。
ガーター編みの横の畝は、表から見える畝一つが通常2段分になるため、畝の本数と段数を取り違えないようにします。模様によって目が読みにくい場合は、編む途中で段数を記録し、中央の一定段数の高さから換算すると確認しやすくなります。
往復編みと輪編みで手加減が変わることがある
往復のメリヤス編みは表目と裏目を交互に使いますが、輪編みのメリヤス編みでは基本的に表目を続けます。表目と裏目で糸の引き具合が違う人は、同じ針でもゲージが変わることがあります。輪で編む作品なら、可能な範囲で輪の試し編みを用意します。
輪の試し編みでは、置いたときの幅をそのまま片面の幅と取り違えないようにします。小さすぎる輪は編みにくく、糸を引く癖も出やすいため、測れる範囲と扱いやすさの両方を確保します。裏に糸を渡して輪編みに近い動作をする方法もありますが、初めは実際の輪で編む方が条件を理解しやすいでしょう。
編み込み模様では、裏に渡る糸が短いと幅を引き締めます。メリヤスの試し編みだけが合っていても、本番の編み込みで小さくなることがあるため、使う配色と模様で確認します。糸の本数を増やす引き揃えも別の条件です。一本のゲージを二倍しても、二本で編んだゲージにはなりません。

本番を編み始めた後も、ある程度の面積ができたところで幅を測ります。そのときは編みたての試し編みの記録と比較します。机に置いた大きな編み地は重さで引かれやすいので、全体を支えた状態にします。違いが見つかったら、作り目の数、模様、道具、測った状態の順に確認し、先へ編み進める前に原因を絞ります。
前身頃と後身頃などを別の日に編む場合は、両方を同じ状態で並べ、幅と丈の対応を途中でも確認します。片方だけ強く整えて比べると差を隠してしまいます。長い期間中断した作品では、残しておいた試し編みと記録を見直してから再開すると、その日の手加減の違いを早めに見つけられます。
まとめ
ゲージは10cmに入る横の目数と縦の段数です。中央を測れる大きさの試し編みを、本番と同じ糸、針、模様で作り、仕上げ条件をそろえると、作品の寸法を考えるための値になります。目数が合っても、段数と風合いは別に確認します。
調整するときは、まず針を一段階変えて比較します。計算を使うなら、幅に目数、丈に段数を使い、模様の繰り返しと端の目を確認してから逆算します。最初の一歩は、使いたい糸の帯と針の情報を紙に書き、中央に10cmを残せる試し編みを一枚作ることです。
よくある質問
ゲージを測るための試し編みは10cm角でよいですか?
測る範囲が10cm角なので、試し編み自体はそれより大きく作ります。15cm角程度から考え、丸まりや模様の幅に応じて余裕を増やすと、端の影響を避けて測れます。
試し編みは洗う前と洗った後のどちらを測りますか?
両方を記録し、作品の指定がなければ仕上げと同じ手入れをして完全に乾いた状態を基準にします。洗えない糸もあるため、糸の表示と編み図の仕上げ指示を先に確かめてください。
指定より目数が多いときは針を太くしますか?
同じ10cmの中に目が多いなら、一目が小さい状態なので、まず一段階太い針で試します。針を変えると段数や編み地の風合いも変わるため、別の試し編みを仕上げて測り直します。
目数は合うのに段数が合わない場合はどうしますか?
丈を実寸で決められる直線部分なら、必要な長さに合わせて段数を考えられます。袖ぐりや増減目の間隔、模様の区切りにも関わる部分は、段数だけを置き換えず構造全体を確認します。
メリヤス編みのゲージを模様編みに使えますか?
模様によって幅の縮み方や伸び方が違うため、そのままは使えません。編み図が指定する模様と仕上げ状態で測り、ゴム編みでは伸ばすか自然に置くかという条件もそろえます。









コメント
まだコメントはありません。最初の感想をどうぞ。