LEDに付ける抵抗の計算|オームの法則と順方向電圧、抵抗値の選び方とワット数の確かめ方
抵抗値の計算手順
三つの数字がそろったら、オームの法則で抵抗値を求めます。オームの法則は「電圧=電流×抵抗」の関係で、抵抗について直すと「抵抗=電圧÷電流」です。
抵抗に掛かる電圧を先に出す
ここで使う「電圧」は、電源電圧そのものではなく、抵抗に掛かる電圧です。LEDと抵抗を直列につなぐと、電源電圧のうち、順方向電圧の分はLEDが受け持ち、残りを抵抗が受け持ちます。
抵抗に掛かる電圧=電源電圧-順方向電圧
抵抗値=(電源電圧-順方向電圧)÷電流
という順番で計算します。

単位を直すところでまちがえやすい
計算でいちばんまちがえやすいのが、電流の単位です。オームの法則は、電圧をV(ボルト)、電流をA(アンペア)、抵抗をΩ(オーム)でそろえたときに成り立ちます。LEDの電流はmA(ミリアンペア)で考えることが多いので、計算の前に1000で割ってAに直します。10mAなら0.01A、5mAなら0.005Aです。
逆に、電圧をV、電流をmAのまま割り算すると、答えはkΩ(キロオーム)になります。3V÷10mAなら0.3kΩ、つまり300Ωです。どちらの方法でも構いませんが、途中で単位を混ぜないことが大切です。
計算の例
5VのUSB電源から、赤いLED(順方向電圧2.0V)に10mAを流す場合を考えます。
- 抵抗に掛かる電圧は、5V-2.0V=3.0Vです。
- 電流は10mA=0.01Aです。
- 抵抗値は、3.0V÷0.01A=300Ωです。
同じ5Vで白いLED(順方向電圧3.1V)に5mAを流すなら、(5-3.1)÷0.005=380Ωになります。3.3Vの電源で赤いLEDに5mAを流すなら、(3.3-2.0)÷0.005=260Ωです。
Arduinoを使ってLEDを光らせる具体的な手順は、Arduinoのはじめの一歩|開発環境の準備からLEDの点滅、ブレッドボードの使い方まででも紹介しています。
計算した値に近い抵抗を選ぶ
計算で出た300Ωや380Ωの抵抗が、そのまま売られているとは限りません。抵抗は、決まった値の並びで作られているからです。
抵抗はE系列という値の並びで作られる
抵抗の値は、「E系列」と呼ばれる決まった数の並びから選ばれています。よく見かけるのは、10倍までのあいだを12段階に分けたE12系列と、24段階に分けたE24系列です。これに10倍、100倍、1000倍を掛けて、さまざまな値の抵抗が作られています。
| 系列 | 10から100までの値 |
|---|---|
| E12 | 10, 12, 15, 18, 22, 27, 33, 39, 47, 56, 68, 82 |
| E24で増える値 | 11, 13, 16, 20, 24, 30, 36, 43, 51, 62, 75, 91 |
たとえば「33」の値なら、33Ω、330Ω、3.3kΩ、33kΩという抵抗があります。抵抗のセットや袋売りでは、E12系列の値がよく使われています。
計算値より少し大きい値を選ぶ
計算値にぴったりの抵抗がないときは、計算値より少し大きい、いちばん近い値を選びます。抵抗が大きくなると電流は少なくなるので、LEDが計算より少し暗くなるだけで、傷める心配はありません。
先ほどの例なら、300ΩはE24系列にはありますが、E12系列にはないので、E12系列なら330Ωを選びます。このときの電流は3.0V÷330Ω≒9.1mAで、10mAより少し少なくなります。人の目は明るさの小さな違いに気づきにくいので、この程度の差はほとんど分かりません。
抵抗の許容差も考えに入れる
抵抗には、表示の値からどのくらいずれてもよいかを示す「許容差」があります。±5%の抵抗なら、330Ωの表示でも313〜347Ωくらいの範囲に入っていれば正常です。LEDの電流は、この程度の差ではあまり変わりませんが、計算値の上限ぎりぎりで電流を決めないほうがよい理由の一つになります。
抵抗の値は、本体の色帯で読み取れます。色帯の読み方は、抵抗のカラーコードとコンデンサーの表記|電子部品の見分け方と読み間違いを防ぐコツで詳しく紹介しています。
抵抗の電力(ワット数)を確かめる
抵抗値が決まったら、もう一つ確かめたいのが、抵抗が耐えられる電力です。抵抗は、受け持った電圧と流れる電流に応じて熱を出します。この熱が、抵抗の定格電力を超えると、抵抗が熱くなりすぎて傷んだり、焦げたりします。
電力の計算
抵抗で使われる電力は、「抵抗に掛かる電圧×電流」で求められます。単位はW(ワット)で、小さな値ではmW(ミリワット)を使います。
5Vで赤いLEDに330Ωを使った例では、抵抗に掛かる電圧が3.0V、電流が約9.1mAなので、3.0×0.0091≒0.027W、つまり約27mWです。
電子工作でよく使う抵抗の定格
電子工作でよく使われるリード線付きの抵抗は、1/4W(0.25W)や1/6W(約0.17W)のものが多く見られます。27mWなら、どちらでも十分に余裕があります。
注意したいのは、電源の電圧が高いときや、電流を多く流すときです。たとえば12Vの電源で赤いLEDに10mAを流す場合、抵抗に掛かる電圧は10V、抵抗値は1kΩ、電力は10×0.01=0.1W(100mW)になります。1/6Wの抵抗だと、余裕があまりありません。
| 条件 | 抵抗値(E12) | 抵抗の電力 | 1/4Wの抵抗で |
|---|---|---|---|
| 5V・赤・約9mA | 330Ω | 約27mW | 十分に余裕がある |
| 5V・白・約5mA | 390Ω | 約9mW | 十分に余裕がある |
| 12V・赤・10mA | 1kΩ | 約100mW | 使えるが余裕は少なめ |
| 12V・赤・20mA | 500Ω→560Ω | 約180mW | 余裕がないので避ける |
定格の半分以下を目安にする
抵抗の電力は、定格ぎりぎりではなく、定格の半分以下に収まるようにするのが安心です。定格の範囲内でも、電力が大きいと抵抗はかなり熱くなり、周りの部品やケースに熱が伝わります。電力が大きくなる組み合わせになったら、定格の大きい抵抗を選ぶか、電流を減らすか、次の章のようにLEDを直列にして抵抗の受け持つ電圧を減らします。
抵抗が熱くなっているかを、通電中に指で直接触って確かめるのはやめましょう。思った以上に熱くなっていることがあります。気になるときは電源を切って少し待ってから確かめ、計算で電力を見積もる習慣をつけると安全です。










