古い写真とアルバムの保存|色あせの原因、台紙からのはがし方、スキャンして残す手順
実家の押し入れに眠る紙の写真やアルバムを残したい人に向けて、写真が色あせたり貼りついたりする原因、のりの付いた台紙のアルバムの扱い方、保存に向く袋や箱と置き場所の条件、裏書きの残し方、スキャンの解像度と保存形式、ネガフィルムの扱い、家族で分けて残すまでの手順を紹介します。

実家の押し入れを片づけていたら、分厚いアルバムが何冊も出てきた。めくってみると、写真が赤っぽく色あせていたり、台紙のフィルムが黄ばんでいたり、写真が台紙に貼りついてはがれなくなっていたり。紙の写真は、何十年もたつと、保存のしかたによって状態に大きな差が出てきます。
すべてを元どおりにするのは難しくても、これ以上傷みを進めないことと、画像としてデジタルに残しておくことは、家庭でも十分にできます。ここでは、写真が劣化する原因から始めて、のりの付いた台紙のアルバムの扱い方、保存に向く袋や箱と置き場所、裏書きの残し方、スキャンの設定と手順、ネガフィルムの扱い、家族で分けて残すまでを順に紹介します。
写真が色あせ、傷む原因
紙の写真が傷む原因は、主に光、温度、湿度、そして写真に触れている素材の4つです。原因ごとに傷み方が違うので、手元の写真を見て、どの原因が強く出ているかを考えると、対策の優先順位がつけやすくなります。
カラー写真の画像は、色素という物質でできています。この色素は、光や熱、空気中の物質の影響を受けて、少しずつ分解されていきます。色によって分解の早さが違うため、何十年かたつと、色の釣り合いが崩れて、全体が赤っぽくなったり、黄色っぽくなったりします。古いカラー写真が赤みがかって見えるのは、このためです。日の当たる場所に飾っていた写真は、光による退色が特に進みやすくなります。
白黒写真は、カラー写真に比べると画像そのものは長持ちしやすいといわれますが、湿気や空気中の物質の影響で、表面が銀色に光ったように変色したり、黄ばんだりすることがあります。

温度は、高いほど化学的な変化を早めます。夏の屋根裏や、外壁に面した押し入れなどは、気づかないうちにかなりの高温になることがあります。湿度が高いと、写真の表面がべたついて重ねた写真どうしが貼りついたり、カビが生えたりします。反対に、極端に乾燥すると、写真が反り返ることがあります。
見落とされがちなのが、写真に触れている素材です。のりの付いた台紙、酸性の紙でできた封筒や台紙、ある種のプラスチックの袋は、長い年月の間に写真を変色させたり、写真に貼りついたりすることがあります。古いアルバムの写真が傷んでいる場合、写真そのものより、アルバムの素材が原因になっていることも少なくありません。
まず状態を確かめ、仕分ける
古い写真を整理するときは、いきなりアルバムから写真をはがしたり、スキャンを始めたりする前に、全体の状態を確かめることから始めます。量が多いと、途中で疲れて投げ出しやすいので、作業を小さく区切るのがコツです。
作業する場所は、清潔で平らな机の上にします。飲み物や食べ物は離れた場所に置き、写真に触れる前に手を洗って、よく乾かしておきましょう。写真の表面は指の脂や汗の跡が残りやすいので、できれば薄手の手袋をつけ、写真のふちを持つようにします。

状態を見るときは、次のような点を確かめます。写真が台紙やほかの写真と貼りついていないか、表面に白っぽい斑点やカビのにおいがないか、台紙のフィルムが黄ばんだりべたついたりしていないか、写真が大きく反ったり割れたりしていないか、などです。カビが生えているものは、ほかの写真に広がらないよう、別の袋に分けておきます。
仕分けは、最初は年代ごとのざっくりした分け方で十分です。「自分が生まれる前」「子どものころ」「学生時代」のように大きく分け、細かい日付や行事ごとの整理は後回しにします。最初から細かく分けようとすると、一枚ごとに迷ってしまい、作業が進まなくなります。
| 写真の状態 | 考えられる原因 | まずすること |
|---|---|---|
| 全体が赤っぽい | 色素の退色 | スキャンして画像を確保 |
| 台紙に貼りついている | のりや湿気 | 無理にはがさず台紙ごと記録 |
| 白い斑点やにおい | カビ | 別の袋に分け、乾いた場所へ |
| 大きく反っている | 乾燥や湿度の変化 | 無理に伸ばさない |
| 写真どうしがくっつく | 湿気による貼りつき | 無理にはがさず専門家に相談 |










