古い写真とアルバムの保存|色あせの原因、台紙からのはがし方、スキャンして残す手順
のりの付いた台紙のアルバムの扱い方
昭和のころに広く使われたアルバムの一つに、台紙にのりが塗られていて、写真を置いた上から透明なフィルムをかぶせて押さえるタイプがあります。写真を自由に並べられて便利だった一方で、長い年月がたつと、のりが写真の裏に強く貼りついたり、フィルムやのりが黄ばんで写真を変色させたりすることがあります。
このタイプのアルバムに入った写真は、できればアルバムから出して保存し直すのが望ましいとされています。ただし、はがし方を誤ると写真を傷めてしまいます。まずはフィルムをめくってみて、写真が台紙から軽く浮くかどうかを確かめます。手で軽く持ち上げただけで浮く写真は、そのまま取り出せます。
はがれにくい写真は、無理に引っぱらないことが何より大切です。写真の角を少しだけ持ち上げてすき間をつくり、そこに薄くて丈夫な糸やデンタルフロスを差し込んで、写真と台紙の間をのこぎりのように少しずつ動かしながら進める方法がよく知られています。薄いへらを使う方法もありますが、写真を曲げないよう、写真ではなく台紙のほうをたわませる意識で進めます。

どうしてもはがれない写真は、無理にはがさず、台紙ごとスキャンしたり撮影したりして、画像を先に確保しておきましょう。画像があれば、元の写真が万一傷んでも、思い出の姿は残せます。アルバムごと保存する場合は、ページの間に中性の薄い紙をはさみ、フィルムどうしが触れないようにすると、劣化を少し遅らせることができます。
写真どうしが固く貼りついているもの、水にぬれたもの、カビが広がっているものは、家庭で無理に処置すると取り返しがつかなくなることがあります。大切な写真ほど、写真の修復を扱う専門の業者に相談することを考えてください。
取り出した写真の裏に、のりが残っていることがあります。のりを溶かそうとして液体を使うと、写真に思わぬ傷みを与えることがあるので、家庭では無理に取らず、そのまま保存して問題ありません。のりが残った面がほかの写真に触れないように、一枚ずつ袋に入れるか、紙をはさんで重ねるようにします。
保存に向く袋・箱と置き場所
取り出した写真は、写真に悪い影響を与えにくい素材の袋や箱に入れて保存します。選ぶときの目安は、紙なら酸性ではない中性紙や無酸性紙、プラスチックならポリプロピレンやポリエステルでできたものです。写真用の保存用品には、写真の保存に適していることを表示したものがあるので、そうした表示を手がかりにするとよいでしょう。ポリ塩化ビニルの袋は、長く使うと写真に影響を与えることがあるとされ、写真の長期保存には向かないといわれます。

| 保存のしかた | 向いている場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 一枚ずつ透明な袋に | よく見返す写真 | 袋の素材を確かめる |
| 中性紙の封筒に | 量の多い写真 | 中身を外に書いておく |
| 写真用の保存箱に | まとめてしまう写真 | 詰め込みすぎない |
| フリーアルバムに | 飾って見たい写真 | のり付きの台紙は避ける |
置き場所は、温度と湿度の変化が少なく、光の当たらない場所を選びます。家の中では、人が過ごす部屋のクローゼットや棚の中段などが比較的条件を整えやすい場所です。屋根裏、物置、外壁に面した押し入れの下段、窓際、暖房器具の近くは、暑さや湿気、日光の影響を受けやすいので避けましょう。湿気がこもりやすい場所なら、箱の中に乾燥剤を入れておく方法もありますが、乾燥させすぎても写真が反るので、極端にならないようにします。押し入れの湿気対策については、窓の結露対策のやり方|水滴の原因と換気・除湿を見直す基本のコツで紹介している換気の考え方も参考になります。
飾って楽しみたい写真は、元の写真ではなく、スキャンした画像から作った複製を飾ると、元の写真を光から守れます。どうしても元の写真を飾るなら、直射日光の当たらない壁を選び、ときどき飾る写真を入れ替えるようにします。
額入りの写真や台紙付きの写真の扱い
古い写真の中には、ふつうのプリントとは違う形のものも混じっています。扱い方を誤ると傷めやすいものがあるので、見分けておくと安心です。
長く額に入れて飾っていた写真は、写真の表面がガラスに貼りついていることがあります。特に湿気の多い場所に掛けていた額は要注意です。額から外そうとして写真をガラスからはがすと、画像がガラス側に残ってしまうおそれがあります。貼りついているように見える場合は、無理にはがさず、ガラスごとスキャンしたり撮影したりして画像を確保し、そのまま額に入れて保管するか、専門の業者に相談しましょう。
写真館で撮った昔の記念写真には、厚い台紙に貼られ、表紙のついた台紙にはさまれたものがあります。台紙そのものが写真の一部として大切な情報を持っていることが多く、写真館の名前や撮影の時期を推定する手がかりにもなります。写真を台紙からはがそうとせず、台紙ごと保存するのが基本です。台紙を開いたまま長く置くと、表紙の内側と写真がこすれることがあるので、間に薄い中性紙をはさんでおくとよいでしょう。
インスタント写真は、写真とフィルムの層が一体になった独特のつくりをしています。切ったり、強く曲げたりすると、内部の層が傷んで画像に影響が出ることがあります。一枚ずつ袋に入れ、ほかの写真と同じように暗く涼しい場所で保存し、曲げずに扱いましょう。
どの写真にも共通するのは、「わからないものには手を加えない」ことです。家庭でできるのは、それ以上傷まない環境を整えることと、画像を残しておくことまでと考えると、取り返しのつかない失敗を防げます。










