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ものづくり・DIY

Raspberry Piの始め方|準備するものから初期設定、LEDの点滅まで

GPIOのしくみと、つなぐ前の注意

Raspberry Piの基板の端には、二列に並んだたくさんのピンがあります。これがGPIO(汎用入出力)と呼ばれる端子で、プログラムから電気をオン・オフしたり、スイッチが押されたかどうかを読み取ったりできます。電子工作の楽しさは、このピンから始まります。

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ピンの種類と番号

ピンには、電気を出し入れできるGPIOのほか、3.3Vや5Vの電源のピン、0V(GND)のピンが混ざっています。どのピンが何かは、公式の資料のピン配置図で確かめられます。ターミナルで pinout と入力すると、ピン配置を表示できるOSもあります。

注意したいのは、ピンの番号に二種類の数え方があることです。

  • 物理番号:基板の上で、ピンを端から順に1、2、3と数えた番号。
  • GPIO番号(BCM番号):プログラムの中で使う、機能に付けられた番号。

この二つは一致しません。たとえば「GPIO17」は、物理番号では11番目のピンにあたります。配線図やプログラムを読むときは、どちらの番号で書かれているかを必ず確かめましょう。

壊さないための三つの約束

GPIOを使うときの約束(3.3Vで扱う、抵抗を挟む、電源を切って配線)
配線は電源を切ってから行う。

一つ目は、電圧です。Raspberry PiのGPIOは3.3Vで動いていて、5Vの信号を直接入れると、基板の中の部品が壊れるおそれがあります。5Vで動くセンサーなどを使うときは、信号の電圧を変換する部品を挟むなど、部品の仕様をよく確かめてからつなぎます。

二つ目は、電流です。GPIOから流せる電流は小さく、LEDをそのままつなぐと流れすぎてしまいます。LEDには必ず電流を抑える抵抗を直列に入れます。抵抗の値の読み方は抵抗のカラーコードとコンデンサーの表記で紹介しています。モーターのように大きな電流が必要な部品は、GPIOから直接動かさず、専用の駆動回路や別の電源を使います。

三つ目は、配線のタイミングです。配線を変えるときは、シャットダウンして電源ケーブルを抜いてから行います。通電中に金属のピンどうしを触れさせると、ショートして基板を傷めることがあります。

この記事で扱うのは、Raspberry Pi本体の電源で動く、低い電圧の電子工作だけです。家庭のコンセントにつながる機器を操作する回路や、高い電圧を扱う配線は、感電や火災のおそれがあるので自作しないでください。必要な場合は、安全性が確かめられた市販の製品を使うか、専門家に相談しましょう。

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LEDを点滅させてみる

GPIOの使い方を覚える最初の一歩は、LEDの点滅です。用意するのは、LED一つ、抵抗一本(数百オーム程度のもの)、ブレッドボード、ジャンパーワイヤー数本です。

配線

  1. Raspberry Piをシャットダウンし、電源ケーブルを抜きます。
  2. ブレッドボードにLEDを差します。LEDは足の長いほうがプラス(アノード)、短いほうがマイナス(カソード)です。
  3. GPIO17のピンから、ジャンパーワイヤーでLEDの長い足の列につなぎます。
  4. LEDの短い足の列から抵抗を通し、抵抗のもう一方をGNDのピンにつなぎます。
  5. 配線を見直し、ピンの番号が合っているか、隣のピンと触れていないかを確かめてから電源を入れます。

プログラム

Raspberry Piの標準のOSには、Pythonと、GPIOを簡単に扱える gpiozero というライブラリが入っています。ターミナルで nano blink.py と入力し、次の内容を書いて保存します。

from gpiozero import LED
from signal import pause

led = LED(17)
led.blink(on_time=0.5, off_time=0.5)
pause()

python3 blink.py で実行すると、LEDが0.5秒ごとに点いたり消えたりします。止めるときは、キーボードの Ctrl と C を同時に押します。LED(17) の17は、物理番号ではなくGPIO番号です。

点かないときは、次の順番で確かめると原因を見つけやすくなります。

  • LEDの向きが逆になっていないか。
  • 物理番号とGPIO番号を取り違えていないか。
  • ブレッドボードの列がずれていないか。
  • プログラムの番号と、実際につないだピンが合っているか。

うまく点滅したら、点灯する時間を変えたり、スイッチを追加して押したときだけ点くようにしたりと、少しずつ発展させてみましょう。

よくある失敗と避け方

Raspberry Piの困りごとの多くは、電源、記憶装置、熱、電源の切り方の四つに関係しています。

よくある症状 考えられる原因 対処の方向
急に再起動する、動作が不安定 電源の容量不足、ケーブルの品質 モデルに合った電源と短めのケーブルにする
起動しなくなった microSDカードのデータ破損 電源の切り方を見直し、書き込み直す
動作が急に遅くなる 熱による速度の低下 ヒートシンクやファンをつけ、置き場所を変える
SSHでつながらない ホスト名の解決や設定の問題 IPアドレスで接続する、設定を見直す
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電源の切り方

いちばん大切なのは、電源の切り方です。動作中にいきなりケーブルを抜くと、書き込み途中のデータが壊れ、次に起動しなくなることがあります。電源を切るときは、sudo shutdown -h now(または sudo poweroff)を実行し、基板の動作ランプの点滅が止まってから、ケーブルを抜きます。

バックアップ

設定を作り込んだmicroSDカードは、壊れると元に戻すのが大変です。うまく動く状態になったら、カードの中身を丸ごとパソコンに保存しておくか、設定の手順をメモに残しておくと安心です。大事なデータは、Raspberry Piの中だけでなく、ほかの場所にも保存しておきましょう。

慣れてきたら試したい使い方

最初の設定とLEDの点滅ができたら、Raspberry Piの得意な「動かしっぱなしにできる小さなパソコン」という性格を生かした使い方に進めます。

  • 温度や湿度のセンサーをつないで、部屋の環境を一定の間隔で記録する。
  • 決まった時刻に処理を自動で実行する。定期実行のしくみはcronで定期的にコマンドを実行するが参考になります。
  • 家の中だけで使う小さなファイル置き場や、写真を表示するフォトフレームにする。
  • カメラモジュールをつないで、植物の成長を一定間隔で撮影する。

常時動かしておく場合は、熱がこもらない場所に置き、パスワードを強いものにし、OSの更新を定期的に行いましょう。インターネット側からアクセスできるように公開するのは、セキュリティの知識が必要になるので、慣れるまでは家の中のネットワークだけで使うのが安全です。

まとめ

Raspberry Piは、パソコンとしての機能と、GPIOによる電子工作の入り口をあわせ持った小さなコンピューターです。最初の山は、モデルに合った電源とmicroSDカードをそろえ、OSを書き込んで起動するところまでです。Imagerの設定でWi-FiとSSHを入れておくと、画面がなくても手軽に始められます。

使い始めたら、GPIOの電圧は3.3V、LEDには抵抗、配線は電源を切ってから、電源はシャットダウンしてから抜く、という約束を守るだけで、多くの失敗は避けられます。最初の一歩として、OSを書き込んで起動し、sudo apt update と sudo apt full-upgrade でシステムを最新にするところまで進めてみてください。

よくある質問

ArduinoとRaspberry Piはどちらから始めるべきですか?

センサーやモーターを決まった動きで制御したいならArduino、ネットにつないだり、データを保存したり、小さなサーバーとして動かしたいならRaspberry Piが向いています。迷ったら、作りたいものが「パソコンでやる作業に近いか」で考えると選びやすくなります。

モニターやキーボードがなくても使えますか?

使えます。OSを書き込むときにSSHとWi-Fiの設定をしておけば、同じネットワークにあるパソコンから遠隔で操作できます。この使い方はヘッドレスと呼ばれ、常時動かしておく用途でよく使われます。

電源はスマホの充電器で代用できますか?

動くこともありますが、出せる電流が足りないと、動作が不安定になったり、ファイルが壊れたりする原因になります。使うモデルに合った規格の電源を用意するのが安全です。必要な電源の条件は公式サイトで確認してください。

電源はケーブルを抜いて切ってもよいですか?

動作中に急に抜くと、microSDカードのデータが壊れることがあります。シャットダウンのコマンドを実行し、動作中のランプの点滅が止まってからケーブルを抜くようにしましょう。

GPIOに5Vのセンサーをそのままつないでも大丈夫ですか?

Raspberry PiのGPIOは3.3Vで動いていて、5Vの信号を直接入れると壊れるおそれがあります。5Vで動く部品を使うときは、信号の電圧を変換する部品を挟むなど、仕様をよく確かめてからつなぎましょう。

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