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ものづくり・DIY

手びねり陶芸の始め方|玉作り・紐作り・タタラ作りと、乾燥から焼成までの流れ

ろくろを使わずに器を作る手びねり陶芸の入門です。粘土の練り方、玉作り・紐作り・タタラ作りの三つの技法の違いと手順、厚みをそろえるコツ、削りと乾燥、素焼き・施釉・本焼きの流れ、割れやひびを防ぐ考え方、陶芸教室や焼成サービスの使い方までをまとめました。

粘土の器を形づくる手元と陶芸の道具

陶芸というと、回転するろくろの上で土を引き上げる姿を思い浮かべる人が多いかもしれません。けれども、ろくろを使わず、手と簡単な道具だけで形を作る「手びねり」でも、湯のみや小鉢、小皿など、日常で使える器を十分に作れます。手の跡がそのまま残る、やわらかい形になるのも手びねりならではの魅力です。

この記事では、手びねりの三つの基本の技法である玉作り・紐作り・タタラ作りの違いと手順を中心に、粘土の準備、厚みをそろえるコツ、乾燥と削り、素焼き・施釉・本焼きという焼成までの流れ、そして割れやひびを防ぐための考え方を順に説明します。陶芸教室で体験してみたい人、自宅で成形して焼成だけ任せたい人の、どちらにも役立つ内容を目指しました。

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手びねりとは――ろくろとの違い

手びねりは、粘土を手でつまんだり、紐状にして積み上げたり、板状にして組み立てたりして、器の形を作る技法の総称です。陶芸のなかでもいちばん古い作り方の一つで、ろくろが広まる前から、世界各地で土器や陶器が手びねりで作られてきました。

ろくろは、回転の力を使って、同じ厚みの丸い器を素早く作るのに向いています。その反面、土を中心に据える「土殺し」や「芯出し」など、慣れるまで時間のかかる工程があります。手びねりは、形を作る速さではろくろに及びませんが、四角い器や楕円の皿、ゆがみを生かした形など、ろくろでは作りにくい形にも自由に挑戦できます。

手びねり ろくろ
必要な設備 作業台、手ろくろ(回転台)があると便利 電動ろくろなど
覚えやすさ 初日から形にしやすい 中心を取る練習が必要
得意な形 角皿、楕円、ゆがみのある形 左右対称の丸い器
仕上がりの印象 手の跡が残るやわらかい表情 均一でシャープな表情
時間 一つの器に時間がかかる 慣れれば短時間で作れる

どちらがよいということではなく、作りたいものや楽しみ方によって選ぶものです。初めて陶芸に触れるなら、手びねりで「粘土とはどういう素材か」を体で覚えておくと、のちにろくろに進んだときにも役立ちます。

粘土と道具の準備

陶芸用の粘土の種類

陶芸用の粘土には、産地や成分によっていろいろな種類があります。焼き上がりの色が白っぽいもの、赤みや茶色が出るもの、砂のような粒が混じってざっくりした手触りになるものなどです。初めてなら、陶芸教室や材料店で「初心者向け」「手びねり向け」とすすめられる、扱いやすい粘土を選ぶのが無難です。

粘土の種類によって、焼くのに適した温度が違います。窯で焼成してもらう場合は、その窯の焼成温度に合う粘土を使う必要があるので、あらかじめ教室や工房に確認しておきます。

最初にそろえたい道具

手びねりに必要な道具は、多くはありません。

手びねりの基本の道具(切り糸、竹べら、なめし皮、かきべら、手ろくろ)
最初は少ない道具で始められる。

ほかに、水を含ませたスポンジ、粘土の表面に傷をつける針状の道具(剣先)、タタラ作りで粘土を均一な厚さにのばすための「たたら板」と麺棒などがあると便利です。身近なもので代用できる道具も多く、たとえば竹べらはアイスの棒を削ったもの、なめし皮はやわらかい布でもある程度代わりになります。

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粘土を練って空気を抜く

成形の前に、粘土をよく練っておくことはとても大切です。練る目的は二つあります。一つは粘土の中の固さをむらなくそろえること、もう一つは、中に入っている空気を抜くことです。

空気の粒が残ったまま焼成すると、熱でふくらんで器が割れたり、表面がはじけたりする原因になります。また、固いところとやわらかいところが混ざっていると、乾燥のときに縮み方がずれて、ひびが入りやすくなります。

荒練りと菊練り

練り方には、全体の固さをそろえる「荒練り」と、空気を抜く「菊練り」があります。菊練りは、練っているうちに粘土に菊の花のような模様が出ることから名づけられた練り方で、手のひらで押し込みながら少しずつ粘土を回していき、空気を外に押し出します。

菊練りはきちんと身につけるまで時間のかかる技術です。初めのうちは、陶芸教室で練り終えた状態の粘土を使わせてもらったり、指導者に練りを見てもらったりして構いません。家で作業するなら、袋から出したばかりの練られた粘土を使い、作業中に粘土を折りたたまないよう気をつけるだけでも、空気が入るのをかなり防げます。

乾いた粘土の粉には、細かい鉱物の粒が含まれています。作業台や床に落ちた粘土は、乾いてからほうきで掃くより、湿った布でふき取るほうが粉が舞いにくく安心です。作業のあとは手をよく洗い、換気も心がけてください。

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