単位のしくみ入門|SI基本単位と接頭語、尺貫法やヤード・ポンドとの換算の考え方
接頭語――キロ、ミリ、マイクロ
単位の前につける「キロ」や「ミリ」は、接頭語と呼ばれます。1000倍や1000分の1などを表し、大きすぎたり小さすぎたりする数字を扱いやすくするための仕組みです。
| 接頭語 | 記号 | 倍数 | 例 |
|---|---|---|---|
| テラ | T | 10の12乗(1兆) | テラバイト(TB) |
| ギガ | G | 10の9乗(10億) | ギガヘルツ(GHz) |
| メガ | M | 10の6乗(100万) | メガワット(MW) |
| キロ | k | 1000 | キログラム(kg) |
| ヘクト | h | 100 | ヘクトパスカル(hPa) |
| センチ | c | 100分の1 | センチメートル(cm) |
| ミリ | m | 1000分の1 | ミリリットル(mL) |
| マイクロ | μ | 100万分の1 | マイクロメートル(μm) |
| ナノ | n | 10億分の1 | ナノメートル(nm) |
| ピコ | p | 1兆分の1 | ピコファラド(pF) |
接頭語の多くは、1000倍ごとに一つずつ並んでいます。キロ、メガ、ギガ、テラと上がるたびに1000倍、ミリ、マイクロ、ナノ、ピコと下がるたびに1000分の1です。ヘクトやセンチ、デシ(10分の1)のように、1000倍の間に入る接頭語は、決まった分野で使われることが多いものです。
接頭語は今も増えています。2022年には、さらに大きな数や小さな数を表す接頭語が新しく加えられました。データの量や宇宙の大きさなど、扱う数がどんどん大きくなっていることの表れです。
大文字と小文字は意味が違う
接頭語の記号は、大文字と小文字で意味が変わります。キロは小文字の k、メガは大文字の M です。小文字の m はミリなので、「mW(ミリワット)」と「MW(メガワット)」では10億倍もの差があります。
また、大文字の K は温度の単位ケルビンの記号です。キログラムを「Kg」と書いたり、キロメートルを「Km」と書いたりするのは誤りで、正しくは「kg」「km」です。
パソコンの「キロ」は少し特殊
パソコンの記憶容量では、1024倍を「キロ」と呼ぶ慣習が長く使われてきました。2の10乗が1024で、1000に近いためです。混乱を避けるため、1024倍を表す「キビ(Ki)」「メビ(Mi)」「ギビ(Gi)」という別の接頭語も定められています。パソコンの表示とストレージの表記で容量が少し違って見えるのは、この1000と1024の違いによることがあります。
組立単位を読み解く
速さ、面積、力、電力など、基本単位以外の量は、基本単位を組み合わせた「組立単位」で表します。
掛け算と割り算でできている
面積は長さ×長さなので「平方メートル(m²)」、体積は「立方メートル(m³)」、速さは長さ÷時間なので「メートル毎秒(m/s)」です。単位を見れば、その量がどのように計算されているかがわかります。
よく使われる組立単位には、固有の名前がついているものもあります。
| 単位 | 記号 | 表す量 | 基本単位などでの表し方 |
|---|---|---|---|
| ヘルツ | Hz | 周波数 | 1秒あたりの回数 |
| ニュートン | N | 力 | kg・m/s² |
| パスカル | Pa | 圧力 | N/m²(1平方メートルあたりの力) |
| ジュール | J | エネルギー、仕事 | N・m |
| ワット | W | 仕事率、電力 | J/s(1秒あたりのエネルギー) |
| ボルト | V | 電圧 | W/A |
| オーム | Ω | 電気抵抗 | V/A |
身近な数字を読み直す
組立単位がわかると、身近な数字の意味が読み解けるようになります。
- 天気予報のヘクトパスカル:1ヘクトパスカルは100パスカルで、1平方メートルあたり100ニュートンの力がかかる圧力です。天気図の読み方で出てくる等圧線の数字も、この単位で書かれています。
- 電気料金のキロワット時(kWh):1キロワットの電力を1時間使ったときのエネルギーです。ジュールに直すと、1キロワット時は360万ジュールになります。料金の明細は「電力(W)」ではなく「電力量(Wh)」で計算されていることがわかります。
- 食品のカロリー:カロリーはSIの単位ではありませんが、栄養の分野で広く使われています。1カロリーはおよそ4.2ジュールです。
電圧や抵抗の単位は、電子工作をするときにも欠かせません。テスター(マルチメーター)の基本を読むと、ボルト、アンペア、オームの関係を、実際の測定と結びつけて理解できます。











