単位のしくみ入門|SI基本単位と接頭語、尺貫法やヤード・ポンドとの換算の考え方
単位記号の正しい書き方
単位記号には、国際的に決められた書き方があります。論文や仕様書だけでなく、ふだんの資料を書くときにも知っておくと、誤解のない表記ができます。
基本の決まり
- 数値と単位の間には空白を入れる:「5 kg」「20 ℃」のように書くのが国際的な決まりです。ただし、日本語の文章の中では空白を入れない書き方も広く使われています。一つの文書の中でそろえておけば問題ありません。
- 単位記号は立体(まっすぐな文字)で書く:斜めのイタリック体は、数式の中の変数(量)に使うものです。
- 複数形にしない:英語の文章でも「5 kgs」とは書かず、「5 kg」と書きます。
- 単位記号のあとにピリオドをつけない:文の終わり以外では「kg.」のようにしません。
- 人名に由来する単位は記号の頭を大文字にする:ニュートン(N)、パスカル(Pa)、ワット(W)などです。一方、英語で単位の名前をつづるときは「newton」「watt」のように小文字で書くのが原則です。
よくある書き間違い
- 「Kg」「Km」→ 正しくは「kg」「km」
- 「cc」→ 体積は「mL」や「cm³」で書くのがSIの表記です(1 cc は 1 mL と同じ量)
- 「sec」「hr」→ 秒は「s」、時は「h」
- 「KW」→ キロワットは「kW」
リットルの記号は、数字の「1」と見分けやすいように大文字の「L」を使うことも認められています。日本では「mL」「L」の形がよく使われています。

尺貫法とヤード・ポンド法との付き合い方
SIが広く使われるようになった今でも、ほかの単位系に出会う場面は少なくありません。日本の尺貫法と、英米で使われてきたヤード・ポンド法です。

尺貫法は暮らしの中に残っている
尺貫法は、長さを尺、重さを貫、体積を升で表す日本の伝統的な単位系です。取引や証明の場では、法律でSIを使うことが定められていますが、暮らしの中には今も尺貫法の名残がたくさんあります。
| 単位 | 量 | メートル法での目安 | よく出会う場面 |
|---|---|---|---|
| 尺 | 長さ | 約30.3 cm | 大工道具、着物、建築の寸法 |
| 寸 | 長さ | 約3.03 cm(尺の10分の1) | 釘の長さ、和裁 |
| 坪 | 面積 | 約3.3 m² | 土地や部屋の広さ |
| 合 | 体積 | 約180 mL | 米の量、日本酒 |
| 升 | 体積 | 約1.8 L(合の10倍) | 日本酒のびん |
1尺は、メートル法との関係で「33分の10メートル」とされています。坪は「6尺四方」の面積で、そこから約3.3平方メートルという値が出てきます。お米を炊くときの「1合」が180ミリリットルほどなのも、尺貫法の升から来ています。
「6畳」「8畳」という部屋の広さもよく使われますが、畳の大きさは地域や建物によって違います。部屋の広さを正確に比べたいときは、平方メートルで書かれた値を確かめるほうが確実です。
ヤード・ポンド法は定義でつながっている
インチ、フィート、ヤード、マイル、ポンドなどのヤード・ポンド法の単位は、現在はメートル法との関係が正確に決められています。1インチはちょうど25.4ミリメートル、1ポンドはちょうど0.45359237キログラムです。
自転車のタイヤの太さ、パソコンの画面の大きさ、ねじや工具のサイズなどには、今もインチ表記がよく使われます。インチのねじとミリのねじは、似ていても規格が違うので、混ぜて使うとねじ山を傷めることがあります。工具やねじを買うときは、どちらの規格かを確かめておくと安心です。
換算で迷わないための考え方
単位を換算するときは、「1単位がいくつにあたるか」を分数の形にして掛けると、間違いが減ります。たとえば10インチをセンチメートルに直すなら、10インチ×(2.54センチメートル/1インチ)=25.4センチメートルです。インチが約分されて消え、センチメートルだけが残るのを確かめながら計算すると、掛けるのか割るのかで迷わなくなります。










