手びねり陶芸の始め方|玉作り・紐作り・タタラ作りと、乾燥から焼成までの流れ
乾燥と削り――形を仕上げる
成形が終わった器は、すぐには焼けません。粘土に含まれる水分を十分に抜く「乾燥」と、余分な部分を削って形を整える「削り」の工程があります。
乾燥は「ゆっくり、むらなく」
粘土は乾くにつれて縮みます。どれくらい縮むかは粘土の種類によって違いますが、成形してから本焼きを終えるまでに、全体で一割から一割数分ほど小さくなるのが一般的な目安です。作りたい大きさより、少し大きめに作っておくとよいでしょう。
縮むこと自体は問題ありませんが、乾き方にむらがあると、早く乾いた部分と遅い部分で縮み方がずれ、ひびや変形の原因になります。特に口縁や取っ手のような薄く出っ張った部分は、ほかより先に乾きやすい部分です。
乾燥のときに気をつけたいことをまとめると、次のようになります。
- 直射日光や暖房の風が直接当たる場所は避け、日陰でゆっくり乾かします。
- 乾き始めのうちは、器にビニールをゆるくかぶせて、乾燥の速さを抑えます。
- 口縁や取っ手など、先に乾きやすい部分は、ビニールで包んだり湿らせた布を当てたりして調整します。
- 底は台に接していて乾きにくいので、ある程度乾いたら器を逆さにして、底も乾かします。
半乾きで削る
器の底に高台(こうだい、器を支える輪のような台)を削り出したり、全体の厚みを整えたりする作業は、粘土が「半乾き」の状態で行います。半乾きとは、表面を指で押しても跡がつかず、それでいてまだ湿り気が残っている状態で、革のような固さという意味で「レザーハード」とも呼ばれます。
やわらかすぎると削った跡がよれてしまい、乾きすぎると固くて削りにくく、ひびの原因にもなります。器を逆さにして手ろくろに乗せ、かきべらで少しずつ削っていきます。指で底を軽くはじいて、音の変化で厚みを確かめる人もいます。

完全に乾くまでの日数は、器の大きさや季節、部屋の湿度によって大きく変わります。表面が乾いて見えても中には水分が残っていることが多いので、焦らず十分に時間をかけます。乾き切った器は、色が明るくなり、手で持ったときにひんやりした感じがなくなるのが一つの目安です。
素焼き・施釉・本焼き――焼成の流れ
乾燥した器は、窯で二回焼くのが一般的です。一回目を素焼き、二回目を本焼きといい、その間に釉薬(ゆうやく)をかける施釉の工程があります。

素焼き
素焼きは、比較的低い温度で器を焼く工程です。焼くことで粘土は水に溶けない状態になり、釉薬をかけやすくなります。素焼きした器はまだ水を吸う性質があり、この性質があるからこそ、釉薬が表面にむらなく付きます。
施釉
施釉は、釉薬を器にかける工程です。釉薬は、焼くとガラス質になって器の表面をおおい、色やつや、手触りを決めます。器を釉薬の中に浸す方法、ひしゃくでかける方法、筆で塗る方法などがあります。
本焼きのとき、釉薬は溶けて流れることがあります。底に釉薬がついたまま焼くと、窯の棚板に器がくっついてしまうので、底や高台の周りの釉薬は、スポンジでしっかりふき取っておくのが決まりです。
本焼き
本焼きは、素焼きよりずっと高い温度で器を焼き締め、釉薬を溶かしてガラス質にする工程です。焼成の温度や窯の中の空気の状態(酸化か還元か)によって、同じ釉薬でも色が大きく変わります。焼き上がるまで仕上がりがはっきりしないことも、陶芸の楽しみの一つです。
本焼きは非常に高い温度を扱う作業で、窯の操作には専門の知識と設備が必要です。初心者が自分で窯を扱うのではなく、陶芸教室や工房に焼成を任せるのが安全で現実的です。










