潮の満ち引きのしくみ|1日2回の満潮と大潮・小潮の理由、潮見表の読み方
大潮・小潮・長潮・若潮:月の形と潮の大きさ
潮見表やカレンダーには、日ごとに「大潮」「中潮」「小潮」などの呼び名が書かれていることがあります。これは、その日の干満差の大きさをおおまかに表したもので、月の満ち欠けと深く関係しています。
新月と満月の頃は大潮
新月や満月の頃は、太陽と月と地球が、ほぼ一直線に並びます。このとき、月による起潮力と太陽による起潮力が同じ方向に重なり合うので、ふくらみが大きくなります。その結果、満潮はより高く、干潮はより低くなり、干満差が大きくなります。これが**大潮(おおしお)**です。
半月の頃は小潮
上弦や下弦の半月の頃は、地球から見て月と太陽が直角の方向にあります。このとき、月と太陽の起潮力は、互いに打ち消し合うように働くので、ふくらみが小さくなり、干満差も小さくなります。これが**小潮(こしお)**です。月の形と月齢の関係は、月の満ち欠けのしくみ|月齢と見える時間帯、上弦・下弦の見分け方で詳しく紹介しています。

潮の呼び名と月の形
日本では、月の形や月齢をもとに、潮の大きさに次のような呼び名を付けることが広く行われています。呼び名の割り当て方には、地域や資料によって少し違いがあります。
| 呼び名 | 時期の目安 | 干満差の傾向 |
|---|---|---|
| 大潮 | 新月・満月の前後 | 大きい |
| 中潮 | 大潮と小潮の間 | やや大きい |
| 小潮 | 上弦・下弦の前後 | 小さい |
| 長潮 | 小潮の終わり頃 | 小さく、満ち引きがゆるやか |
| 若潮 | 長潮の翌日 | 小潮から大きくなり始める |
**長潮(ながしお)**は、干満差が小さく、潮の動きがだらだらと長く続くように感じられることからの呼び名とされています。**若潮(わかしお)**は、その翌日から潮が再び大きくなり始めることを、潮が若返ると見立てた呼び名です。新月から次の新月まで約29.5日の間に、大潮から小潮への移り変わりがおよそ2回くり返されます。
大潮は新月・満月の当日より少し遅れる
干満差がいちばん大きくなるのは、新月や満月の当日ではなく、その1〜2日後になることがよくあります。月と太陽の並びが整ってから、海水が実際に動いて大きな潮になるまでに、時間がかかるためです。潮の大きさを知りたいときは、月の形だけで判断せず、潮見表の潮位を確かめるのが確実です。
潮見表の読み方
潮の満ち引きは、月と太陽の動きをもとに、前もって計算できます。その計算結果をまとめたものが**潮見表(しおみひょう)や潮汐表(ちょうせきひょう)**です。気象庁や海上保安庁などが、地点ごとの潮位の予測を公表しており、釣りや海のレジャー向けの情報サイトやアプリでも見ることができます。
表に書かれている主な項目
潮見表には、次のような項目が並んでいることが多いです。
- 地点: 潮位を予測した港や観測点の名前です。行き先にいちばん近い地点を選びます。
- 日付と潮の呼び名: その日が大潮か小潮かなどが書かれています。
- 満潮・干潮の時刻: 1日に2回ずつの満潮と干潮の時刻です。日によっては片方が1回だけのこともあります。
- 潮位: それぞれの時刻の海面の高さで、センチメートルで書かれていることが多いです。
- 月齢や日の出・日の入り: 月の形や明るさの目安として、あわせて書かれていることがあります。
潮位の数字は「その地点の基準」からの高さ
潮位の数字は、それぞれの地点で決められた基準の高さからの差で表されています。基準は地点ごとに違い、多くの場合、干潮でもそれより下がることがめったにない、低い位置に決められています。そのため、潮位がマイナスになっている日は、潮がとても大きく引くことを示しています。
基準が地点ごとに違うので、別の港の潮位と数字をそのまま比べることはできません。比べるときは、同じ地点の中で、満潮と干潮の差や、ほかの日の潮位と比べるようにします。
潮見表を使った計画の立て方
海辺の散歩や磯の観察に出かけるときは、潮見表を次の順番で見ると計画を立てやすくなります。
- 行き先にいちばん近い地点の潮見表を開きます。
- 行きたい日の干潮の時刻と潮位を確認します。
- 干潮の時刻の前後、それぞれ1〜2時間ほどを、潮が引いている時間帯の目安にします。
- 干潮を過ぎると上げ潮になることを踏まえ、帰りの時間を早めに決めておきます。

地域・季節・天気で潮はどう変わる?
潮の満ち引きは、月と太陽だけで決まるわけではありません。同じ日でも、場所や季節、その日の天気によって、潮位の上がり方や引き方は変わります。
地形による違い
干満差は、海の地形によって大きく変わります。外海に面した海岸よりも、奥行きのある湾や、入り口が狭い内海のほうが、干満差が大きくなりやすい傾向があります。湾の形や深さによっては、潮の波が湾の中で増幅されるように動くためです。九州の有明海は、日本でも特に干満差が大きい海として知られています。
一方、日本海側は、太平洋側に比べて干満差が小さい場所が多いです。日本海は、外の海とつながる海峡が狭く浅いため、太平洋からの潮の動きが入りにくいことが理由の一つと考えられています。日本海側の海辺では、潮の満ち引きよりも、風や波の影響で海面の高さが変わることのほうが目立つ場合もあります。
季節による違い
日本の太平洋側では、春から初夏にかけて、昼間の干潮で潮が大きく引く日が多くなります。一方、秋から冬にかけては、大きく潮が引く干潮が夜間にあたることが多くなります。春の潮干狩りが盛んなのは、こうした潮の巡り方とも関係しています。
また、海面の平均的な高さも季節によって変わり、日本の沿岸では、夏から秋にかけて高くなる傾向があります。海水が温まって膨らむことなどが関係しているとされています。秋の大潮の満潮の頃は、海面が普段より高くなりやすいことを覚えておくとよいでしょう。
気圧と風による違い
台風や発達した低気圧が近づくと、潮位が予測より大きく上がることがあります。気圧が低くなると、海面を押さえつける空気の重さが減るので、海面が吸い上げられるように高くなります。目安として、気圧が1ヘクトパスカル下がると、海面は約1センチ上がるとされています。さらに、強い風が海から陸に向かって吹くと、海水が岸に吹き寄せられて潮位が上がります。
これらが大潮の満潮と重なると、高潮による浸水の危険が高まります。天気の変化を空から読み取る方法は、雲の種類の見分け方|十種雲形の基本と、空から天気の変化を読むコツでも紹介していますが、海辺の安全については、必ず気象庁などが出す最新の気象情報や警報・注意報で確かめてください。










