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歴史・文化

寄席の楽しみ方|定席の番組の見方、色物の楽しみ、入退場と飲食のマナー

入退場のタイミングと客席のマナー

寄席は、何時間も続く番組のどこからでも入れて、どこで帰ってもよいという気軽さが魅力です。ただし、演者が話している最中に席を立ったり、前を横切ったりすると、演者にもほかのお客さんにも気が散ってしまいます。

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動いてよい時間

出入りに向いているのは、一人の演者が高座を下りて、次の演者が上がってくるまでの間です。高座返しの間や、出囃子が鳴っている間がこれにあたります。仲入りの休憩も、トイレや飲み物の購入にちょうどよい時間です。途中で入場したときも、場内の係の人の案内に従い、演者の切れ目を待って席に向かいましょう。

音とにおいへの気づかい

寄席のマナーの中心は、静かに聴くことより、ほかの人の楽しみを邪魔しないことです。笑うところで笑い、拍手をするところで拍手をするのは歓迎されます。一方で、次のような音は思った以上に響きます。

  • 携帯電話の着信音やバイブレーション
  • 菓子の袋やビニール袋をがさがさと鳴らす音
  • 演者のせりふを先回りして口にすること
  • 隣の人との長いおしゃべり

録音や撮影は、多くの寄席で禁止されています。高座の写真を撮りたくなっても、場内では控えましょう。

飲食について

飲食の決まりは寄席によって違います。場内で飲食ができるところでは、においの強い食べ物や、音の出る食べ物を避け、食べるのは演者の切れ目や仲入りにするのが無難です。お酒の扱いも寄席ごとに決まりがあるので、入口の掲示や公式サイトで確かめておきましょう。

寄席の決まりは、建物の構造や客層に合わせて寄席ごとに決められています。ほかの寄席で大丈夫だったことが、別の寄席でも同じとは限りません。迷ったら、入口の係の人に聞くのがいちばん確かです。

正月の初席や余一会など特別な興行

定席には、通常の旬とは別に、特別な形の興行があります。とくに年末年始は、寄席の一年でいちばんにぎやかな時期です。

初席と二之席

一月の上席は初席(はつせき)と呼ばれ、正月の特別な興行になります。ふだんより多くの演者が出演し、一人あたりの時間は短くなります。顔見せの意味合いが強く、晴れやかな雰囲気の中で、たくさんの演者を少しずつ聴けるのが特徴です。正月らしい太神楽の芸なども見どころです。

一月の中席は二之席と呼ばれ、こちらも正月の華やかさを残した興行になります。初席はとても混み合うことが多いので、落ち着いて聴きたい人は二之席を選ぶのも一つの方法です。初席・二之席は料金や入場方法がふだんと違うことがあるため、年末のうちに公式サイトで案内を確かめておきましょう。年明けの過ごし方は、お正月の行事と意味もあわせて読むと、初席の正月飾りや縁起の話が身近に感じられます。

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余一会

三十一日がある月は、その日だけ通常の旬から外れた特別な会が開かれることがあります。これを余一会(よいちかい)と呼びます。特定の演者の独演会や、テーマを決めた会など、内容は寄席ごと、月ごとに違います。ふだんの定席とはまた違った顔が見られる日です。

通常の興行と初席(通常の興行と初席の比較)
正月は出演者が多く、一人の時間は短め。

寄席に通って楽しみを広げる工夫

一度行って楽しかったら、少し間をあけて何度か通ってみてください。寄席は、同じ演者を何度も聴くうちに味わいが深くなる場所です。

気になった演者を書き留める

帰り道に公式サイトの番組表を見返しながら、印象に残った演者の名前をメモ帳に書き留めておきましょう。「声が好き」「間が心地よい」「この噺がおもしろかった」など、一言の感想を添えておくと、次にどの旬へ行くかを選ぶ手がかりになります。演目名がわからなくても、噺の筋を少しメモしておけば、後から調べられます。

季節の噺を楽しむ

落語には、季節を背景にした噺がたくさんあります。年末には大みそかを舞台にした噺、冬には火事や雪にまつわる噺など、季節に合わせて演目を選ぶ演者も少なくありません。同じ寄席に季節を変えて通うと、高座に上がる噺の顔ぶれも変わっていきます。

ほかの伝統芸能と見比べる

寄席で語りの芸に親しんだら、ほかの舞台芸能にも目を向けると、日本の芸能のつながりが見えてきます。落語には、歌舞伎の場面をまねた噺や、狂言と共通する笑いの型を感じさせる噺もあります。舞台の見方は、歌舞伎の見方入門や能と狂言の見方入門でも紹介しています。

迷ったときの選び方

どの寄席のどの旬に行けばいいか迷ったら、次の順で考えると決めやすくなります。

  1. 行ける日と時間帯(昼か夜か)を決める。
  2. その日の各寄席の番組を見比べる。
  3. 名前を聞いたことのある演者や、トリの演者で選ぶ。
  4. 迷ったら、色物の多い番組や、アクセスしやすい寄席を選ぶ。

寄席にはずれの日はない、とまでは言えませんが、初めてのうちは「どの寄席でもまず一回」と気軽に考えてかまいません。合う、合わないがわかるのも、実際に足を運んでこそです。

まとめ

寄席の定席は、十日ごとに顔ぶれが替わり、昼と夜に多くの演者が順に高座へ上がる場所です。番組には開口一番から仲入り、食いつき、ひざ、トリへと続く流れがあり、落語と色物が交互に場を作っていきます。入退場は演者の切れ目を選び、音やにおいに気を配れば、途中から入っても、途中で帰っても楽しめます。

最初の一歩として、次の休みの日に行ける定席を一つ選び、その日の番組を公式サイトで見てみましょう。開演の少し前に着いて前座から聴き、気になった演者の名前を一人だけメモして帰る。それだけで、次にどの旬へ行くかを考える楽しみが始まります。

よくある質問

寄席は予約しないと入れませんか?

定席の通常の興行は、当日に木戸口で入場料を払って入る形が多く見られます。ただし正月の初席や特別な興行、人気の演者がトリを取る日などは混み合い、事前の予約や整理券が必要な場合もあります。行く前に、その寄席の公式サイトで入場方法を確かめておくと安心です。

途中から入ったり、途中で帰ったりしてもいいのですか?

寄席は長い時間に多くの演者が順に出る場なので、途中の入場や退場はよくあることです。ただし演者が話している最中に出入りするのは避け、一人が高座を下りて次の人が上がるまでの間に動くのが気づかいです。

落語に詳しくなくても楽しめますか?

楽しめます。寄席は一席が短めで、落語のほかに漫才や奇術、紙切りなどの色物もはさまるため、知識がなくても場の流れに乗りやすい構成です。気になった演者の名前を覚えて帰るだけでも、次に行く楽しみが生まれます。

寄席の中で飲んだり食べたりできますか?

飲食の決まりは寄席ごとに違います。持ち込みや場内での飲食ができるところもあれば、決められた場所だけのところもあります。においや音の出る食べ物は避け、袋の音にも気を配るのが無難です。

何時ごろに行くのがおすすめですか?

番組を通して味わいたいなら、開演の少し前に着いて前座から聴くのがおすすめです。時間が取りにくい日は、仲入り後から入って後半とトリを聴くという楽しみ方もあります。寄席によっては、夜の部の途中から入れる割引を設けていることもあります。

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