四つ目綴じの和綴じ入門|紙選び・穴あけ・糸の通し方と失敗の直し方
紙の目と折り方を確かめる
紙の目を背と平行にする理由
紙には繊維が並ぶ方向があり、一般に「紙の目」と呼びます。多くの洋紙では、目に沿って折る方が折りやすく、折り目も整いやすい傾向があります。背と平行に目をそろえると、ページを開閉する際の曲がり方も確かめやすくなります。
見分けるときは、同じ紙を縦横の二方向に軽く曲げ、抵抗を比べます。さらに端紙を両方向に折って、折りやすさを確かめます。手すきの紙などでは違いが小さい場合もあるので、強く曲げたり、本番の紙を破ったりしてまで判定する必要はありません。実際に折って使えるかを優先します。
紙の目が合っていても、紙そのものが厚ければ開きにくくなります。反対に、薄い紙なら目の違いが作業に大きく響かない場合もあります。紙の目だけで良し悪しを決めず、数枚を重ねて表紙を添えた状態で、開閉の抵抗を試してください。
一枚ずつ折って、基準の辺をそろえる
折るときは、まず向かい合う端と角を合わせ、中央付近を軽く押さえてから上下へ折り目を整えます。最初から強く押すと、ずれたまま線が固まります。へらを使う場合も、表面をこすって傷めないよう、端紙で力加減を試します。角を合わせる基本は折り紙の折り図記号と基本形|谷折り・山折りから鶴と風船の基本形まででも扱っています。
- 本文紙の天地と、背にする開いた端を確認します。
- 一枚ずつ二つ折りにし、角を合わせてから折り目を整えます。
- 折り目をすべて小口へ向け、同じ向きに重ねます。
- 背と地など、基準にする二辺を机の上で軽くそろえます。
- 表裏の表紙を添え、当て紙をしたクリップで固定します。
折った紙をまとめて押しつぶすと、外側と内側でずれが出やすくなります。一枚ずつ折ってから重ねれば、どの紙が合っていないかを見つけやすくなります。端が少し不ぞろいでも、後から厚い束を力任せに切って整えず、一枚ずつの段階へ戻って確認します。
印刷するなら白紙の見本で読む順を試す
作品集は、使う面と順番を白紙で確かめてから印刷します。折った一枚の表に「一」、裏に「二」と番号を振り、読む順に重ねます。その紙を開くと、元の一枚のどちら側へ何を配置するかが分かります。右綴じと左綴じでは順序が変わるため、他の製本用の面付けをそのまま流用しないでください。
袋の内側になる面は通常は見せません。一枚の片面に二ページ分を配置する場合も、上下や左右が正しいか、試し刷りを折って確認します。本番の紙では、インクの乾燥、こすれ、裏抜けも確かめます。印刷時に自動で縮小される設定だと余白が変わるため、仕上がり寸法も測っておきます。
四つの穴を配置して安全にあける
まず型紙を作る
穴の線は、背から一定の距離で、背と平行に引きます。背に近すぎると穴と端の間が裂けやすく、内側すぎると書ける範囲が狭くなります。練習例の薄い帳面では、背から一センチほどを出発点にし、紙の丈夫さと開き方を見ながら決めます。これはすべての大きさに使える固定値ではありません。
縦15センチの試作なら、天から1.5センチと地から1.5センチに外側の二穴を置く例が考えられます。その間は12センチなので、三等分すると穴の間隔は4センチです。天からの位置は、1.5、5.5、9.5、13.5センチになります。この四点を型紙に記し、上から一、二、三、四と番号を書きます。
実際に穴をあける前に、型紙を本文へ重ねて、綴じる余白と文字の位置を比べます。紙の寸法を変える場合は、外側の二穴を決めてから間を三等分する考え方を使えます。前の作品の型紙を使い回す場合も、天地の向きと仕上がり寸法が同じかを確認してください。
束と受け板を安定させる
目打ちの下には、先端を受け止められる厚みのある、穴あけに適した板やマットを置きます。薄いカッターマットだけでは先端が貫通する場合があるため、道具の用途と受け材を確認します。机の縁や膝の上で作業せず、安定した台の上に束を置いてください。
クリップは穴と糸の経路を避け、束が動かない位置に残します。固定を直す必要があるときは、別の箇所を先に留めてから移動します。すべてを一度に外すと、せっかくそろえた穴の位置がずれることがあります。表紙に跡が付きそうなら、クリップと表紙の間の当て紙を厚めにします。

穴を広げすぎず、針の通りを確かめる
目打ちは、道具の使用方法に従い、台に対して安定する向きで少しずつ使います。束が厚くて通せない場合は力を増やさず、枚数を減らします。紙を小分けにして穴をあける方法もありますが、その場合は同じ型紙と基準の辺を使い、重ね直して四穴が合うかを確認する必要があります。
穴は、大きければ通しやすい一方で、糸が動きやすくなり、紙の傷みも増えます。最初は必要以上に広げず、試し紙で針と糸が繰り返し通ることを確かめます。穴の周囲が裂け始めたら、同じ場所を広げ続けず、その紙を交換できる段階で作業を戻します。
針や目打ちを、手で受け止めるように使わないでください。通りにくい針をペンチなどで力任せに引くことも避けます。道具が滑る、束が動く、強く押さないと通らない場合は作業を止め、薄い試作へ戻すか、製本を教える人に扱いを確認してください。
糸を通す前に表裏と経路を確認する
途中で本を返しても名前を変えない
ここからは、表紙を上に置いたときに右が背、上が天になる状態を基準にします。穴は天から一〜四と呼び、裏返しても番号は変えません。作業の都合で本を回転させた場合も、その時の見た目の上から数え直さないでください。型紙や小さな付箋で天と番号を確認できるようにします。
糸は一本どりにし、針に通した側を作業する糸、反対側を始めの糸端と考えます。ここでは二番の穴の位置で、本文の束の途中に糸端を残して始め、最後に二番へ戻って結ぶ方法を使います。始め方と結び方には別の方法もあるので、途中で他の手順の終わり方へ切り替えないようにします。
本文の途中に残す糸端は、最後に指で扱って結べる長さを取ります。短すぎると結べず、長すぎるとほかの糸と混ざるので、位置が分かるようにそっと外へ出しておきます。小さな束を軽く開くときは、穴をずらさないよう固定を保ち、糸端を留めるために新しい穴を増やす必要はありません。
「背を回る」と「隣へ進む」を分ける
背を回るときは、今出ている穴から背の外側へ糸を回し、反対の面から同じ穴へ針を通します。二番から背を回るなら、戻るのも二番です。隣の穴へ斜めに戻すと、基本の形とは異なる線ができてしまいます。
隣へ進むときは、今針が出ている面の上で、次の穴まで糸を渡し、その穴へ通します。一番や四番で天地を回るときも、端を包んで同じ穴に戻します。一回通るたびに、糸が束の下に引っ掛かっていないかを見てから、少しずつたるみを取ります。
写真や動画と見比べたい場合は、国立国会図書館の四つ目綴じの綴じ方が参考になります。始める穴や終端処理がこの記事の方法と異なるため、番号を混ぜず、一つの手順を通して追ってください。以下では、面と穴番号を組み合わせて動きを確認します。
完成時に見る場所を知っておく
完成時には、表裏とも一〜二、二〜三、三〜四の区間に糸がある状態になります。さらに四穴それぞれから背へ糸が回り、一番は天、四番は地にも回ります。斜めの線や、不自然に二重になった区間があれば、経路を見直す手掛かりです。下の図を仕上げの点検にも使ってください。











