四つ目綴じの和綴じ入門|紙選び・穴あけ・糸の通し方と失敗の直し方
背と天地を回して糸を通す
二番から上側を綴じる
「表」は表表紙側、「裏」は裏表紙側です。型紙を外しても穴番号を確認できるようにします。糸を引く際は、すでに渡した部分を指で軽く押さえ、紙の端を曲げない程度に整えます。
- 二番の穴の位置で本文の束を途中からそっと開き、結ぶための糸端を残して、針を表側へ出します。束の内側から表側の穴までを通す始め方です。
- 二番から背の外側を回り、裏側の二番へ針を入れて表へ出します。これで二番の背に糸がかかります。
- 表側で二番から一番へ糸を渡し、一番に針を入れて裏へ出します。
- 一番から背を回り、表側の一番へ入れて裏へ出します。今度は一番の背に糸がかかります。
- 一番から天の外側を回り、表側の一番へ入れて裏へ出します。天を包む糸が加わります。
- 裏側で一番から二番へ渡し、二番に入れて表へ出します。表裏の一番と二番の間が埋まったか確認します。
ここで表から見た一番と二番の間だけでなく、裏の同じ区間にも糸があることを確かめます。一番の穴からは、背を包む糸と天を包む糸が出ています。天を回す動きと背を回す動きは別なので、片方だけで先へ進まないようにします。
三番と四番を綴じて戻る
- 表側で二番から三番へ渡し、三番に入れて裏へ出します。
- 三番から背を回り、表側の三番へ入れて裏へ出します。三番の背に糸がかかります。
- 裏側で三番から四番へ渡し、四番に入れて表へ出します。
- 四番から背を回り、裏側の四番へ入れて表へ出します。
- 四番から地の外側を回り、裏側の四番へ入れて表へ出します。背と地を別々に包めたか確認します。
- 表側で四番から三番へ渡し、三番に入れて裏へ出します。
- 裏側で三番から二番へ渡します。二番では、裏側から束の途中まで針を通し、始めの糸端がある位置へ出します。
二番で針を表まで抜かず、束の途中に止めるのが、今回の終わり方です。最後の糸と始めの糸端が、同じ本文の間にそろいます。針の先がどこへ出るか分かりにくい場合は、束を無理に曲げず、明るい場所で位置を確かめてから進めてください。

糸を切る前に全体を見る
結ぶ前に、前のページの点検図と照合し、糸の不足や掛け違いがないかを確かめます。
糸端は、一度交差させて結んだ後、反対向きにもう一度結ぶなど、緩まないように結びます。結び目だけを強く引いて、周囲の糸のたるみを無理に吸収しないようにします。本文の間に無理なく収め、少し糸端を残して切ります。穴へ押し込むために針で紙を突いたり、結び目のすぐ際を切ったりする必要はありません。
最後にクリップを外し、帳面を机に置きます。強く開かず、表紙と数枚の本文をゆっくりめくり、糸の食い込みや引っ掛かりがないかを見ます。紙の束が大きく反るなら、糸を締めすぎた可能性があります。完成直後に無理に押し広げず、次の項目で状態を確認します。
ゆるみ・ずれ・開きにくさを直す
原因を分けてから戻る
うまくいかないと、糸をさらに引く、穴を広げるといった修正を続けがちです。しかし、紙のずれが原因なら、締め直しても位置はそろいません。どの段階から状態が変わったかを見て、糸の経路、固定、紙の厚みを分けて調べます。
| 気になる状態 | 確認すること | 直し方の候補 |
|---|---|---|
| 糸が浮いている | 穴や紙の下に糸が引っ掛かっていないか | 引っ掛かりを外し、区間ごとにたるみを取る |
| 表紙が反っている | 締めすぎ、厚い表紙、束の硬さ | 結ぶ前まで戻して張りを調整する |
| 紙の端がずれている | 穴あけ前の整列、固定が外れた位置 | 糸をほどき、基準の二辺と穴をそろえる |
| 針が通らない | 穴のずれ、針穴の太さ、糸の重なり | 押すのを止め、薄い試作で組み合わせを確認する |
| 穴の周りが裂けた | 端との距離、糸の細さ、引く力 | 傷んだ紙を交換し、寸法や材料を見直す |
糸のたるみは、一つの区間ずつ取り、整えた部分を軽く押さえて次へ進みます。最後に全体を一度に引くと、穴の摩擦で一部だけが締まり、別の部分にゆるみが残ることがあります。長い糸がねじれてきたら、針を安全な位置に保ちながら、糸のねじれをほどいてから続けます。
針がすでに通した糸を割っている場合は、その先を引くほど戻しにくくなります。無理に進めず、一度針を戻して、先の糸の横へ通し直します。どうしてもほどけないときは、新しい紙の練習帳であることを確認し、針を外してから糸の交換を考えます。紙と糸の間へ刃先を差し込むような切り方は避けてください。
開きにくさを糸だけのせいにしない
綴じる幅が広い、本文が厚い、紙の目が合っていないといった条件でも、開きにくくなります。糸を大きく緩めると紙が動くため、開きやすさのためだけに極端に緩めるのは避けます。次の一冊で本文を減らす、表紙を薄くするなど、一つずつ変えて比べます。
表紙の工夫と使い方、保管
柄と糸の色を少しずつ変える
二冊目は、本文と穴の位置を同じにして、表紙か糸のどちらかだけを変えると違いを比べられます。大きな柄を使うときは、切り取る位置で表情が変わります。表表紙にしたい部分を先に決め、天地のある柄が逆さにならないかを、穴あけ前に確認してください。
伝統的な柄を選ぶ場合は、日本の伝統文様の意味|麻の葉・青海波・市松・七宝の見分け方と込められた願いを参考に、麻の葉や青海波などの形を見比べる楽しみもあります。柄の意味を知らなくても使えますが、贈る相手の好みや用途に合わせて選ぶと、一冊のまとまりを考えやすくなります。
題名を書く細長い紙を表紙に貼る方法もあります。こうした題名の紙を「題簽」と呼びます。貼る位置は、糸や表紙の曲がる場所を避けて決め、のりを使う場合は端紙で反りやしみを試します。装飾を増やす場合も、開閉や筆記の邪魔にならないかを先に確かめます。
用途に合う紙かを試す
旅の記録なら、日付と場所を書く欄を先に印刷し、空白を広めに残すと使いやすくなります。詩集や短文集なら、読む順を試作で確認し、文章が綴じ際に隠れない配置にします。書き込む道具が決まっている場合は、同じペンや墨を端紙へ使い、乾いた後のにじみや裏抜けを見ます。
御朱印用への応用は、墨に向く紙か、開き方が受付で扱いやすいかなど、別の確認が必要です。手作りの帳面を受け付けるかも持参先によって違うため、先に案内を確認してください。普段のメモに使えることだけでは、別の用途への適性までは判断できません。
湿気と光、無理な開き方を避ける
使った後は、直射日光や湿気のこもる場所を避け、紙と糸が引っ掛からないように置きます。湿った手で触ったり、濡れた物と同じ袋へ入れたりしないようにします。輪ゴムで強く締めると端に跡が付くため、持ち歩くなら余裕のある袋やケースを使います。
仕上がりを記録するなら、本文紙、折る前と後の寸法、枚数、穴の位置、糸の長さをメモします。「三番の穴が通りにくかった」「表紙をもう少し薄くしたい」といった具体的な点を一つ残せば、次に変える条件が分かります。使いながら確かめた結果も、材料選びに役立ちます。
まとめ
四つ目綴じは、折り目を小口へ向け、開いた端を背にそろえる袋綴じの仕組みから始まります。薄い束で寸法と紙の曲がり方を確かめ、型紙で四穴をそろえた後、表裏の穴間と背、天地へ順に糸を渡します。
糸を強く引くことより、固定した紙をずらさず、一工程ずつたるみを取ることが大切です。針が通らないときや紙が裂けそうなときは、力を増やさず、材料と穴の状態を確かめてください。
最初の一冊は、余った紙を少しだけ折った練習帳で十分です。寸法と材料を記録しておけば、次は表紙の柄、糸、本文紙を一つずつ変えながら、用途に合う一冊へ調整できます。
よくある質問
折り目は背と小口のどちらに向けますか?
袋綴じでは折り目を小口側に向け、開いている二枚の端を背側にそろえます。折った内側は袋になるため、通常は外側の面に文章や絵を配置し、小口を切り開かずに使います。
コピー用紙でも四つ目綴じを作れますか?
少ない枚数で手順を練習する用途には使えます。厚みや紙の目によって折りやすさと開きやすさが変わるので、本番の紙を選ぶ前に薄い試作品で確かめてください。
穴の位置は必ず同じ寸法にしますか?
本の大きさや厚みに合わせて決めるため、唯一の寸法があるわけではありません。四穴が背と平行に並び、端に近すぎて裂けないことと、書く余白が残ることを試作で確かめます。
糸を強く締めれば丈夫になりますか?
強すぎると穴の周囲が裂けたり、表紙が反ったりします。一工程ずつたるみを取り、束を机に置いたときに無理なく平らに収まる程度に整えます。
古い和本の綴じ直しにも同じ方法を使えますか?
この記事は新しい紙で作る練習用で、古い本の修復にはそのまま当てはめないでください。資料を傷めるおそれがあるため、大切な和本は糸を切ったり穴を増やしたりせず、資料保存や修復の専門家に相談します。










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