揚げ油の後始末|こし方と保存、繰り返し使う目安、固めて捨てる手順
保存のしかた
こし終えた油は、空気・光・熱・水を遠ざけて保存します。
容器を選ぶ
金属製のオイルポットや、ふたのできるガラス瓶、金属の缶などが使えます。条件は次の三つです。
- 乾いていること。洗った直後の容器には水滴が残りやすいので、よく乾かす。
- ふたが閉まること。空気に触れる面が小さいほうがよい。
- 油が冷めてから入れること。樹脂の容器は熱で変形したり、におい移りが起きたりする。
ペットボトルや食品の空き容器は、油が完全に冷めていないと変形したり破れたりします。保存用としては、前の中身のにおいや洗い残しの水分も気になるので、繰り返し使う油の容器にはあまり向きません。ガラス瓶は光を通すので、戸棚の中に置くなどして光を避けます。
置き場所
涼しくて暗い場所が基本です。避けたいのは、コンロの横、窓際、冷蔵庫の上、給湯器の近くです。コンロの横は取り出しやすいので置きがちですが、調理のたびに温められ、油が傷みやすくなります。冷蔵庫に入れる必要はなく、入れると油の種類によっては白く濁ったり固まったりします。
記録と保存期間
容器にマスキングテープを貼り、使い始めた日と、揚げた物を書いておくと判断の材料になります。
保存の期間は、状態や季節で変わるので決まった数字は言えませんが、家庭向けの解説では数週間ほどを目安にしている例が多く見られます。暑い時期は短めに考えて、ひと月も放置するくらいなら、次の項目で書く使い切りに回すほうが安心です。古い油を新しい油に継ぎ足して長く使い続ける方法はおすすめしません。
油がしみたふきんや紙を、オイルポットの横や袋の中にためないでください。油を含んだ布や紙は、まとめて置くと熱がこもることがあります。
繰り返し使えるかを判断する
揚げ油の再利用で最も多い質問が「何回使えるか」です。家庭向けの解説では2〜4回程度とされることが多いものの、この数字はあくまで目安です。野菜の素揚げ1回と、衣の厚い唐揚げを大量に揚げた1回とでは、油の状態がまったく違うからです。
回数より状態を見る
判断には、次のような変化を使います。

色だけでは判断しにくい点に注意します。ごま油のように最初から色のある油もありますし、衣の色が移っただけの場合もあります。逆に、色が薄くても、においや粘りが悪くなっていることがあります。一つの変化だけでなく、合わせて見ます。
揚げている途中の泡は分かりやすい目安です。新しい油で出る泡は大きく、食材を上げると消えます。傷んだ油の泡は細かく、食材を取り出しても残ります。泡が鍋いっぱいに広がるようであれば、吹きこぼれの危険もあるので、加熱をやめて処分に回します。
また、迷う油を味見するために加熱したり、口に入れたりする必要はありません。「使うか迷ったら捨てる」と決めておくほうが、後悔が少なくなります。
揚げた物による傷み方の違い
食材の違いによる傷みやすさの傾向は次のとおりです。
| 揚げた物 | 油への影響 | 次の使い方の考え方 |
|---|---|---|
| 素揚げの野菜、いも類 | 比較的小さい | こして次の揚げ物に使いやすい |
| 天ぷら | 衣のかすが出やすい | かすを丁寧に取れば再利用しやすい |
| 唐揚げ、下味のついた肉 | 調味料が焦げて色がつきやすい | 色とにおいを見て判断する |
| パン粉のフライ | 細かいかすが多い | 早めにこし、かすの焦げに注意する |
| 魚 | においが移りやすい | 魚用に分けるか、早めに使い切る |
順番を考えるのも一つの工夫です。一度に何品か揚げるなら、においの少ない野菜を先に、肉や魚をあとにします。天ぷらの衣から出るかすの減らし方は、天ぷらの衣のコツも参考になります。
油の種類の違い
どの油でも基本は同じですが、ごま油やオリーブ油のような香りを楽しむ油は、繰り返し加熱すると香りが飛びます。香りが目的なら、最後に少し加えるほうが向いています。また、古い油の見た目がきれいでも、賞味期限を過ぎて長く開封したままの油は、揚げ物に使わないほうが無難です。
残った油を使い切る
こした油が少しだけ残ったときは、次の揚げ物を待つより、普段の加熱調理で使い切るのが無駄の少ない方法です。
向いている料理
揚げ油は、高温で加熱する炒め物に向いています。チャーハン、野菜炒め、焼きそばなど、香りの強い料理ならにおいも気になりません。揚げ焼きのように少ない油で作る料理も、使い切りやすい方法です。
逆に向かないのは、油の風味がそのまま出る料理です。ドレッシング、マリネ、卵かけご飯にたらす、といった加熱しない使い方は避けます。肉や魚を揚げた油は、におい移りのある料理を想像して使い道を選びます。
使い切りの順番
- こした油を週の前半に炒め物で使う。
- 少なくなったら、次回の揚げ物の油は新しい油を中心にする。
- 古い油を新しい油に足し続けない。
揚げ物をあまりしない家庭なら、はじめから少ない油で揚げる方法もあります。小さめの鍋やフライパンで、食材の半分が浸かる程度の油で揚げ焼きにすると、後始末の油も少なくなります。ただし油の量が少ないと温度が上がりやすく、発火までの時間も短くなるので、加熱中はそばを離れないようにします。使っているコンロに油量の指定があれば、それに従います。










