白菜の塩漬けの漬け方|塩の割合と重しのしくみ、乳酸発酵で酸っぱくなる理由
白菜の塩漬けを少量から作るために、株の割り方と干す理由、白菜の重さから塩を量る方法、水が上がるしくみ、重しを軽くするタイミングを紹介します。昆布やゆずの風味づけ、乳酸発酵による酸味と食べごろの考え方、冷蔵保存、水が上がらないときの確認、カビや異臭がある場合の扱いまでまとめました。

白菜の塩漬けは、塩をふって重しをするだけに見えて、干し加減や塩の量、葉の詰め方で仕上がりが変わります。厚い白い部分には歯ごたえが残り、葉先には味が入りやすいため、同じ株の中でも漬かり方は一様ではありません。手順の理由が分かると、水が少ないときに塩を足すべきか、まず詰め方を直すべきかも考えやすくなります。
初めてなら、大きな樽で長く保存するより、冷蔵庫に入る容器で少量を仕込む方法が向いています。ここでは下ごしらえ後の白菜500gと塩15gを例に、割る、干す、量る、詰めるという作業から、重しの調整、風味づけ、乳酸発酵のしくみまで紹介します。浅く漬かった味を楽しむ作り方と、酸味が出るまでの変化を分けて捉え、安全に管理できる範囲で作りましょう。
少量の白菜と冷蔵庫に収まる道具を用意する
一株の大きさより、食べ切れる量を基準にする
白菜は一株ごとの重さの差が大きく、「四分の一株」だけでは塩の量を決められません。まずは500g程度を一回分の目安にし、買った白菜の一部を使います。人数が少ない家庭なら、残りは汁物や蒸し物に回した方が、漬物を食べ切るために毎食多く食べる必要がありません。
選ぶときは鮮度のよいものを用意し、傷んだ部分がある白菜を保存のために漬け込むのは避けます。外葉の汚れや葉の間の土を確認できるよう、作業台を空けておきます。切った白菜は切り口が乾燥しやすいので、購入後は適切に冷蔵し、下ごしらえする分だけ取り出します。
基本の材料は白菜と塩です。例として、漬ける直前に量った白菜500g、塩15gを用意します。昆布、乾燥唐辛子、ゆずの皮は風味づけなので、最初は入れなくても構いません。初回を白菜と塩だけにすると、次に昆布を足したときの味の違いを捉えやすくなります。
容器は材質と洗いやすさを確かめる
用意する道具は、はかり、包丁、まな板、ざる、受け皿、漬物用容器、押しぶた、重しです。容器は食品用で塩分に対応したものを選びます。ガラスや樹脂でも、重しを載せる使い方に対応しているか確認し、欠けや深い傷があるものは使いません。金属の容器は材質や製品の使用条件を確かめてください。
容器の口が広いと、葉を並べる作業や洗浄がしやすくなります。大きすぎる容器はすき間が増え、少ない漬け汁で白菜を覆いにくくなります。逆に小さすぎると、押しぶたやふたが収まらず、汁がこぼれます。白菜がしんなりする前のかさと、汁が出る余地の両方を見込みます。
冷蔵庫には、重しを載せた高さで置ける場所を作ります。棚の耐荷重や容器の安定も確かめ、無理に重い物を積まないようにします。漬物用のねじ式容器なら外に重しを積まずに済みますが、締め付け方は製品の説明に従います。専用の道具を選ぶことも、少量で始める利点です。
作業前には手を洗い、容器と器具を洗って清潔にします。消毒する場合も、耐熱性や洗浄剤の表示に従い、使えない容器へ熱湯を注ぐことは避けます。道具の日常の手入れは、スポンジとまな板の衛生管理|においと雑菌を防ぐ洗い方・乾かし方・交換の目安も参考になります。
白菜は根元から割り、天候に合わせて短く干す
干すのは水分を少し抜き、扱いやすくするため
白菜を干すと水分が一部抜け、葉や白い部分がしなやかになります。容器へ詰めやすくなり、水っぽさが和らいで甘みも感じやすくなります。ただし、干した時間に比例して甘みが増し続けるわけではありません。乾かしすぎれば、外側がかたくなったり、水が上がりにくくなったりします。

目的は乾物にすることではなく、軽くしんなりさせることです。日照、風、湿度、白菜の大きさによって進み方が違うため、時間だけではそろいません。塩事業センターの基本の白菜漬けでは、切り口を上にして半日ほど干す方法が紹介されています。家庭では天候と衛生条件を優先し、屋外に長く置くことを目的にしないでください。
根元の切れ目から手で裂く
株の形を残して漬ける場合は、葉先まで包丁で押し切るより、根元に切れ目を入れて手で分けると、葉がばらばらになりにくくなります。大きな白菜を無理に扱わず、まな板に安定する大きさから始めます。切れ目が入らないほどかたい場合は、手や包丁に強い力を掛け続けないでください。
- 外側の汚れた葉を外し、白菜をまな板へ安定させます。
- 根元側に包丁で切れ目を入れ、包丁を置いてから両手で左右へ分けます。
- 容器に収まらなければ、同じように根元からさらに分けます。
- 葉を少しずつ開き、根元や葉の間の土を水で丁寧に洗い落とします。
- ざるに載せて水を切り、表面に残る水滴を清潔なペーパーなどで取ります。
葉をつないでいる根元を全部切り落とすと、持ち上げたときに崩れます。食べる直前に切り落とす部分と、仕込み中に葉をまとめておく部分を分けて考えましょう。葉を無理にめくって折るより、開ける範囲で洗い、土が残るところは分けて洗う方が確実です。
干せない日は省いて、塩の計量を確実にする
干すなら、清潔なざるに切り口を上にして重ならないよう並べます。下にも空気が通るようにし、虫やほこり、鳥などから守れる場所を選びます。雨、結露、強い日差しでの温度上昇が心配な日は、干す工程を省いて構いません。室内の暖房のそばで急いで乾かす方法は避けます。

葉が少ししなやかになったら取り込み、すぐに仕込みます。干した後に汚れが付いた疑いがあれば洗い直し、水けを切ってください。その場合も、最終的に漬ける状態の白菜を量り直します。干す工程を省いた白菜も同じ基準で量れば、塩を計算する段階で迷いません。
塩の量は漬ける直前の白菜の重さから計算する
2%、3%、4%は使う場面と一緒に見る
短時間で食べる浅漬けでは2%前後、株の形を残して漬ける白菜漬けでは3〜4%程度を使う例があります。料理のレシピを見比べても、白菜の重さの3%とするもの、4%とするものなど幅があります。割合の違いは、漬け方全体の違いと合わせて読みます。
| 作り方の方向 | 白菜に加える塩の目安 | 考え方 |
|---|---|---|
| 小さく切る短時間の浅漬け | 2%前後 | 冷蔵し、短期間で食べ切る別の作り方 |
| この記事の少量の塩漬け | 3% | 下ごしらえ後に計量し、最初から冷蔵 |
| 比較的しっかり漬ける方法 | 3〜4%程度の例 | 温度や工程も含めてレシピに従う |
これは安全性を保証する濃度の表ではありません。長く漬けたいからと塩だけ増やしても、常温で長期間保存できる方法にはなりません。昔ながらの大量仕込みには別の塩の割合や漬け返しの工程があり、その一部分だけを小さな容器へ当てはめると条件がずれます。
この記事では、外葉を除き、洗って水けを切り、干す場合は干し終えた白菜の重さを基準にします。500gなら500×0.03で15g、800gなら24gです。株数や見た目で塩を増減せず、はかりで量ります。容器を載せて表示をゼロにしてから白菜を入れると、容器の重さを含めずに済みます。
干す前の重さと混ぜない
例えば、干す前に600gあった白菜が、下ごしらえ後には500gになったとします。この場合、この記事の基準では塩15gです。干す前の600gを使った18gとは差が出ます。どちらの重さを使うかが曖昧だと、毎回同じ3%のつもりでも味が変わってしまいます。
塩は、銘柄の違いを比べる前に重さをそろえます。大さじ一杯の重さは粒の大きさや詰まり方などで変わるため、少量仕込みを体積だけで合わせるのは難しくなります。初回は食品用の一般的な塩を使い、減塩用の調味料などを同じ重さで置き換えるのは避けます。
なお、白菜に対して塩を3%加えることは、でき上がった漬け汁や白菜の食塩濃度が必ず3%になるという意味ではありません。白菜に含まれる水分、汁として出る量、塩が葉と汁へ分かれる割合が関わります。食べるときの塩分量を、仕込みの割合だけから正確に計算することもできません。










