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学び・仕事術

読点(、)の打ち方|意味が変わる例、打つ位置の基準、多すぎる文の直し方

長い修飾語と語順で考える

言葉のかかり先の次に大切なのが、修飾語の長さと順序です。本多勝一が読点の大原則として挙げた考え方も、この二点に関わっています。

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長い修飾語が並ぶときは境目に打つ

一つの述語に長い修飾語が二つ以上かかるとき、その境目に読点を打つと、構造がすぐに見えます。

先週の打ち合わせで決まった形式に、来月から新しい担当者が使う手順書を直します。

「先週の打ち合わせで決まった形式に」と「来月から新しい担当者が使う手順書を」は、どちらも「直します」にかかる長い修飾語です。境目の読点がないと、「形式に来月から……」と続けて読んでしまい、途中で戻ることになります。

語順で読点が要らなくなることがある

日本語では、一つの述語にかかる修飾語は、長いものを先に、短いものを後に置くと、読点がなくても読みやすくなる傾向があります。

  • 読点が必要な順: 明日、取引先の受付を長年担当してきた山本さんに電話します。
  • 読点が要らない順: 取引先の受付を長年担当してきた山本さんに明日電話します。

一つめの文は、短い「明日」が先にあるので、読点がないと「明日取引先の……」と続いて「明日」のかかり先に迷います。そのため読点が必要です。二つめの文は、長い修飾語から始まるので、読点がなくても自然に読めます。

短い語を先に置きたいときもあります。話題や時期を先に示したい場合は、読点を打って一つめの形にすれば問題ありません。大切なのは、語順を変えると読点の要否も変わると知っておくことです。読点が増えて困ったら、まず語順を入れ替えてみます。

主語は文の先頭でなくてもよい

「私は」「当社は」を必ず文頭に置くと決めていると、短い主語の後に長い修飾語が続き、読点が必要になりがちです。

  • 修正前: 当社は、昨年から続けてきた配送の見直しの結果を踏まえて、来年度の料金を改定します。
  • 修正後: 昨年から続けてきた配送の見直しの結果を踏まえて、当社は来年度の料金を改定します。

修正後は、長い部分を先に置いたことで「当社は」の後の読点が消えました。主語と述語が近づくので、誰が何をするのかもつかみやすくなります。

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位置ごとの打ち方の目安

ここからは、迷いやすい位置ごとに考え方をまとめます。どれも絶対の決まりではなく、仕事の文章で読みやすくするための目安です。

位置 打つことが多い場合 打たなくてよい場合 例
主語の「は」の後 主語が長い、述語が遠い 主語が短く、すぐ述語が来る 私は賛成です。
接続詞の後 文頭の「しかし」「ただし」など 文が短く、続けて読める ただし、例外があります。
条件・理由の節の後 「〜ので」「〜とき」の後の節が長い 節全体が短い 雨なら中止します。
語句の並列 三つ以上、または語句が長い 二つの短い語を「と」でつなぐ 東京、大阪、福岡
呼びかけ・応答の後 「はい」「田中さん」など ほぼなし はい、承知しました。

主語の後

「は」の後に読点を打つかどうかは、最も意見が分かれるところです。「私は、」と毎回打っても誤りではありませんが、短い主語の後に毎回打つと、文の出だしがつかえた印象になります。

判断の基準は、主語の長さと、述語までの距離です。「今年から営業部に配属された新入社員の皆さんは、」のように主語が長ければ打ちます。「本書は、」のように短くても、そのあとが長く続いて述語が遠いなら、打つほうが親切です。

接続詞と副詞の後

「しかし」「また」「ただし」「たとえば」などの後は、打つ書き手が多く、打っておいて困ることはまずありません。「特に」「まず」「さらに」など副詞に近い語は、後ろが短ければ打たなくてもかまいません。

  • 打つ: しかし、期限には間に合いませんでした。
  • 打たなくてよい: まず結論を書きます。

条件・理由の節の後

「〜ので」「〜が」「〜ときは」「〜すると」の後は、文の大きな切れ目です。そこで読点を打つと、前半と後半の関係が見えます。

「雨なら中止します」のような短い文は打たなくても読めますが、「当日の朝の時点で雨が降っている場合は、会場を体育館に変更します」のように長い場合は打ちます。

動詞の連用形で文をつなぐときも同じです。「資料を作り、上司に確認してもらい、提出しました」は、動作の切れ目に読点を打った形です。三つ以上続くなら、文を分けたほうが読みやすいこともあります。

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語句の並列

語を並べるときは、読点のほかに中黒(・)も使えます。短い語を並べるときは中黒、語句が長いときや助詞がつくときは読点、と使い分けると見た目がそろいます。

並びの中にさらに小さな並びがあるときは、小さな区切りに中黒、大きな区切りに読点を使うと階層が示せます。

東京・神奈川、大阪・兵庫、福岡の各支店に送ります。

ただ、項目が四つ、五つと増えるなら、一文に詰め込まず、箇条書きに変えることも考えます。並列のそろえ方は箇条書きの書き方で詳しく説明しています。

打たないほうがよい位置

読点は多いほど親切というわけではありません。文の結びつきを切ってしまう位置には打たないようにします。

避けたい読点と自然な形(切ってしまう例と自然な形の比較)
強く結びつく語の間は切らない。

修飾語とその直後の語の間

「大きな、会議室」のように、修飾する語とされる語がすぐ隣にあるときは、間に読点を打つと結びつきが切れてしまいます。例外は、二つの修飾語を並べて同じ語にかけるときです。「長い、白いひも」のように形容詞を続ける場合は、打つと切れ目がはっきりします。

「を」「に」と動詞の間

「資料を、送ります」のように、目的語の直後に読点を打って動詞へ続ける形も、普通は不要です。間に長い語句が入る場合だけ、例外的に打つことがあります。「資料を、先方の担当者が会議の前に読めるよう、今日中に送ります」は、間にはさまった説明が長いための読点です。

ただし、この文も「先方の担当者が会議の前に読めるよう、今日中に資料を送ります」と語順を変えれば、読点は一つで済みます。

読点で文をつなぎ続ける

書きながら考えていると、「〜ですが、〜なので、〜して、〜」と、読点だけで文が延びていきます。これは読点の問題というより、文を切っていないことの問題です。話す言葉をそのまま文字にしたときによく起きます。

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  1. 秋の戸口に並ぶかぼちゃの明かりとかぶ、麦束
  2. 資料を手に落ち着いて話し合う二人
  3. ノートパソコンと資料、外付け記憶装置がある机
  4. 冬の木で越冬する卵のうやミノムシ、テントウムシ
  5. 青い折り鶴と三角に折った紙、無地の折り紙