日本茶の淹れ分け|煎茶・玉露・ほうじ茶の湯温と茶葉量、二煎目のコツ
種類別の目安は茶葉量と湯量を組にして使う
茶葉量だけが決まっていても、湯量が倍なら味は変わります。まず一回分の茶葉と湯を組にして覚え、温度と浸出時間を合わせます。以下は二人で小ぶりの器に分ける場合の練習用の目安で、茶液の出来上がり量は、茶葉が湯を吸う分だけ投入した湯量より少なくなります。
| 種類 | 茶葉量の目安 | 注ぐ湯量の目安 | 湯温の目安 | 一煎目の時間の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 煎茶 | 4g | 200ml | 70〜80℃ | 30〜60秒 |
| 深蒸し煎茶 | 4g | 150〜200ml | 70〜80℃ | 約30秒 |
| 玉露 | 6g | 60ml | 50〜60℃ | 約2分 |
| かぶせ茶 | 4〜5g | 150ml | 60〜70℃ | 約1分 |
| 番茶 | 4g | 200ml | 90〜100℃ | 30〜60秒 |
| ほうじ茶 | 4g | 200ml | 90〜100℃ | 約30秒 |
| 玄米茶 | 4g | 200ml | 90〜100℃ | 約30秒 |
表はすべての製品に最適な一つの答えを示すものではありません。煎茶にも高温で短く淹れる案内があり、玉露にも茶葉をより多く使う少量抽出があります。玉露の欄は大きな湯のみ二杯分ではなく、一人当たり少量を分けて味わう想定です。飲む量を先に決めてから茶葉を量ります。
茶葉の量は、最初だけでもはかりで確かめると便利です。細かな煎茶と大きなほうじ茶は、同じスプーン一杯でも重さが違います。ほうじ茶は軽くかさがあるため、煎茶と同じ見た目の量では足りないことがあります。茶葉の種類が変わったら、自分の茶さじ一杯の目安も取り直します。
専用の茶さじがなくても、いつも使うスプーンで構いません。「この茶葉は、このスプーンのこの盛り方で約二グラム」と一度確かめれば、日常ではその目安を使えます。すりきりや山盛りを毎回混ぜず、同じ入れ方にします。量り方の基本は、大さじ・小さじの正しい量り方|味付けが安定する計量スプーンの基本も参考になります。
湯量は、飲む器の普段の位置まで水を入れ、計量カップへ移すと把握できます。急須いっぱいまで入れてから人数で割る方法では、茶葉が広がる空間をなくし、狙った比率も変わります。急須の満水容量と、おいしく注ぎやすい一回量は同じではないことを覚えておきます。
深蒸し煎茶は、短めの浸出から試し、茶こしに葉が寄りすぎないように注ぎます。細かな葉による濁りは、溶けた成分だけを表すものではありません。色が薄くなるまで待つ、緑が濃いほどよいと考える、といった見た目だけの基準を避け、同じ時間で味を比べます。
一人分へ減らす場合は、まず湯と茶葉の比率を大きく変えずに試します。ただし、少量になると器の熱の影響が大きくなるため、二人分を半分にした条件が完全に再現されるとは限りません。温度が下がりすぎるなら、使う器の大きさや予熱も見直します。
一煎目は待ち時間と回し注ぎをそろえる
茶葉と湯の準備ができたら、注ぐ前に器を並べておきます。待ち時間が来てから湯のみを探すと、その間も抽出が続きます。タイマーを使うなら、急須へ湯を入れ始めた時点か、入れ終わった時点かを自分の基準として決め、次回も同じにします。

- 清潔な急須へ量った茶葉を入れ、注ぎ口とふたの収まりを確かめます。
- 茶葉に合う温度へ整えた湯を、決めた量だけ注ぎます。
- ふたをして待ち、葉を早く開かせようと激しく揺すりません。
- 決めた時間になったら、湯のみへ少量ずつ分けて注ぎます。
- 急須に茶液が残りにくい位置まで傾け、流れが切れたら戻します。
二つの器へ分けるなら、最初にA、次にB、折り返してB、Aと少しずつ注ぐと、濃さと量をそろえやすくなります。注ぎ始めと終わりでは茶液の濃さが違うため、Aへ全量を入れてからBへ移る方法では差が出やすくなります。これを回し注ぎと呼びます。
器が三つなら、A、B、C、C、B、Aのように往復します。順番を暗記することより、一つの器へ先に注ぎ切らないことが大切です。一回の量を少なくしすぎて何度も往復すると冷めるため、器の大きさに合わせて、落ち着いて数回に分けます。

「最後の一滴まで」は、茶葉を物理的に押して絞る指示ではありません。急須へ自由に流れる茶液をなるべく残さず、次の一煎まで葉が液に浸り続けないようにする考え方です。スプーンで押す、注ぎ口を振り回すといった動作は必要ありません。
注いでいる途中に流れが止まったときは、茶こしへ葉が寄っている可能性があります。無理に強く振らず、いったん水平へ戻して様子を見ます。毎回詰まるなら、葉の細かさと茶こしの相性、入れすぎ、葉が広がる余地を次回の準備で見直します。
湯冷ましや注ぎ分けでは、器とふたが熱くなります。持ち手のない器へ高温の湯を入れて持ち上げず、ふたを支える方法は器の説明に従ってください。熱い茶液を味見するときも、飲める温度まで落ち着いて待ちます。
来客用に淹れるときは、全員の器をそろえ、注ぎ分けを終えてから出すと味の差を減らせます。人数が多く急須の容量が足りない場合は、無理に茶葉も湯も詰め込まず、回数を分けるか、人数に合う器を使います。味の再現性は、手順を複雑にするより、一回量をそろえることで保ちやすくなります。
二煎目と三煎目は開いた葉に合わせて時間を短くする
一煎目の後は、乾いた茶葉が水を含み、ある程度開いた状態になっています。新しい湯が触れると成分が出やすいため、二煎目は一煎目より短い時間から試すのが基本です。毎回同じ一分を待つと、二煎目の方が予想以上に濃く、渋く感じることがあります。
煎茶なら、一煎目より少し湯温を上げ、注いでから短く待つ方法が候補です。すぐ注ぎ始める案内もあれば、十〜二十秒ほど置く例もあり、葉の細かさと一煎目の抽出によって違います。最初は袋の二煎目の案内を確認し、なければ短い時間で試し、次回に調整します。
玉露も、二煎目から少し温度を上げて変化を楽しめますが、いきなりほうじ茶と同じ条件へそろえる必要はありません。一煎目が濃厚だったなら、二煎目は少し軽い味でも、その違いとして楽しめます。三煎目まで同じ濃さを保とうとして、長時間だけで補わないようにします。
深蒸し煎茶は、葉が細かいので二煎目も出方が速い傾向があります。茶こしへ寄った葉をほぐすために、熱い急須へ指や硬い道具を入れないでください。次の湯を穏やかに注ぎ、十分な流れがあるかを見る程度にし、詰まりやすさは道具の相性として次回見直します。
一煎目と二煎目の間が長いほど、葉の温度と湿りの状態も変わります。比較するときは、同じ席で続けて淹れるなど、間隔も大きく変えない方が分かりやすくなります。熱い状態を保とうとして、葉を少量の湯に浸したまま待たせると、その間も抽出が続きます。
三煎目は、香りとうま味がどれくらい残っているかで判断します。飲んでみて心地よい味が少なければ、無理に規定の回数まで続ける必要はありません。逆に軽い味を食事に合わせたいなら、その日の好みとして楽しめます。「何煎まで出るか」を茶葉の優劣の唯一の基準にしないようにします。
同じ席で楽しんだ後の湿った茶葉を、そのまま翌日用に取っておく方法は避けます。使い終えた葉は取り除き、急須を洗って乾かします。回数を増やす工夫より、次に淹れるときも茶こしと注ぎ口が清潔で、古い茶葉が残っていない状態にすることを優先してください。










