豚汁の作り方|具を炒める順番、味噌の分け入れ方、大鍋で作るときの分量と保存
豚汁がふつうの味噌汁と違うところを整理し、肉の部位の選び方、ごぼうやこんにゃくの下ごしらえ、具を炒める順番、味噌を二回に分けて入れる理由を説明します。味が決まらないときの直し方、大鍋で作るときの分量の考え方、翌日までの安全な保存もまとめました。

寒くなると、湯気の立つ豚汁が恋しくなります。肉と野菜がたくさん入り、おかずを兼ねた汁ものとして、一杯でかなり満足できる料理です。ところが、味噌汁の延長で作ってみると、汁の味がぼんやりしたり、逆に塩辛くなったり、ごぼうのにおいが強く残ったりと、意外にうまくいかないことがあります。
豚汁のおいしさは、肉の脂、具から出る味、味噌の三つが重なってできます。この記事では、ふつうの味噌汁と違う点を確かめたうえで、肉と具の選び方、下ごしらえ、炒める順番、煮る時間、味噌の入れ方を順に説明します。味が決まらないときの直し方と、大鍋で作るときの考え方、保存の注意まで含めて整理しました。
豚汁とふつうの味噌汁の違い
豚汁は味噌汁の仲間ですが、組み立て方は少し違います。基本の味噌汁は、だしの味を土台に、具を少なめに合わせる料理です。味噌汁のだしと味噌の合わせ方は味噌汁の作り方とコツで説明しています。
豚汁の場合、味の土台は、だしだけではありません。
- 豚肉の脂とうまみが汁全体に広がる
- 根菜を長めに煮ることで、野菜の甘みが出る
- 具が多いので、汁より具が主役になる
- 味噌は、具に味を含ませるためにも働く
呼び方の違い
「とんじる」「ぶたじる」の二通りの読み方があり、地域や家庭によって分かれます。どちらが正しいということはありません。自分の家の読み方と違っていても、同じ料理と考えて大丈夫です。料理の起こりについてもはっきりした記録はなく、鹿児島の鶏肉の味噌汁である薩摩汁が元になった、といった説が語られますが、一つには決められません。
味の濃さの考え方
豚汁は、具が水分を吸い、具から水分と味も出ます。汁だけを飲むと濃くなくても、具と一緒に食べるとちょうどよい、というくらいが目安です。具が多い分、味噌汁よりも味噌の量がやや多くなるのが一般的ですが、塩分が気になる場合は具を増やし、汁の量を減らすと、味噌の量が少なくても満足感が出ます。

4人分の材料と、肉の部位の選び方
はじめて作るなら、次の分量を出発点にします。
- 豚肉(こま切れまたはバラ薄切り)200g
- 大根 5cmほど(約150g)
- にんじん 1/2本
- ごぼう 1/2本
- 里芋 3〜4個、またはじゃがいも 1個
- こんにゃく 1/2枚
- 長ねぎ 1/2本
- サラダ油またはごま油 小さじ2
- だし 800ml
- 味噌 大さじ3〜4
- 好みで七味唐辛子、しょうが
味噌の量は商品の塩分でかなり変わるので、大さじ3を入れて味をみてから調整します。
肉の部位
| 部位 | 味わい | 向いている人 |
|---|---|---|
| バラ薄切り | 脂が多くコクが出る | 汁に厚みがほしい |
| こま切れ | 脂が中くらいで手軽 | 迷ったらこれ |
| 肩ロース | 肉の味が濃く、かみごたえがある | 肉を主役にしたい |
脂が多い肉ほど汁にコクが出ます。脂が気になるなら、こま切れを使い、食べる前に表面の脂を軽く取ると落ち着きます。肉は一口大に切ります。バラ肉の長いものは短めに切っておくと、箸で取りやすくなります。
肉の扱い
冷凍した肉を使うときは、冷蔵庫で解凍してから、ペーパーで水気を押さえておきます。凍ったまま入れると鍋の温度が下がり、炒めるというより煮る状態になってしまいます。酒を小さじ1ほどふっておくと、においが気になる肉も食べやすくなります。肉の色が変わるまで火を通すのは、味のためだけでなく安全のためでもあります。後で煮る工程が続くので、炒める段階で中まで完全に火を通す必要はありません。
具の選び方
具は、固さの違うものが混ざるとおいしくなります。大根とにんじんは定番で、ごぼうは香りを加えます。芋はとろみと甘みを足します。里芋は汁に自然なとろみが出て、じゃがいもはほくほくした食感になります。じゃがいもは煮崩れしやすいので、メークイン系を選ぶか、入れる時間を遅めにします。
大根は真ん中あたりが甘くて、煮物に向きます。部位ごとの違いは大根の部位別の使い分けが参考になります。
だしの選び方
かつおだしと昆布だしが合います。煮干しのだしを使うと、より力強い味になります。肉の脂と野菜からもうま味が出るので、顆粒だしでも十分に作れます。粉のだしを使うときは、塩分が含まれている分、味噌の量を少なめに始めます。だしの取り方はだしの取り方の基本にまとめています。
鍋の選び方
豚汁は厚手の鍋が向いています。炒めるときに温度が下がりにくく、弱火で煮るときも焦げにくいからです。4人分なら、直径20〜22cmほどの深さのある鍋がちょうどよい大きさです。薄手の鍋を使うときは、炒める時間を短めにして、具が焦げつかないようにかき混ぜます。
全体の時間割
慣れないうちは、下ごしらえに20分、炒めるのに5分、煮るのに15〜20分、味噌を入れて仕上げるのに5分ほどを見ておくと余裕があります。ご飯を同時に炊くなら、米をセットしてから、こんにゃくの下ゆでを始めると、ちょうどよく炊き上がります。
具の量は、鍋に入れたときに、だしからわずかに頭が出るくらいが目安です。だしに対して具が少ないと、汁の味が薄く感じられます。逆に、具が多すぎるとかき混ぜにくく、火の通りにもむらが出ます。野菜の合計が500〜600gくらいになると、4人分としてまとまりがよくなります。










