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歴史・文化

除夜の鐘と年越しそば|108回の意味、鐘の撞き方の作法、そばを食べる由来と地域の年越しの膳

梵鐘のつくりと音のしくみ

除夜の鐘を撞きに行くと、近くで見る梵鐘の大きさと、表面に刻まれたさまざまな模様に驚く人も多いでしょう。梵鐘は青銅(銅とすずの合金)で鋳造されたもので、部分ごとに名前があります。名前を知っておくと、お寺で鐘を見るときの楽しみが増えます。

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梵鐘のおもな部分(竜頭(りゅうず)、乳(ち)、撞座(つきざ)、撞木(しゅもく))
どこを撞くか、どこで吊るすかに名前がある。

鐘の各部分

鐘のいちばん上には、竜の頭をかたどった「竜頭」があり、ここで鐘楼(しょうろう)の梁から吊り下げられています。鐘の上部には「乳」と呼ばれる小さな突起がいくつも並び、その下に文字が刻まれることの多い「池の間」という平らな区画があります。

鐘の胴の下のほうには、ハスの花などの模様が入った円い「撞座」があり、ここを撞木で撞きます。撞座の位置は、鐘がよく響く場所を考えて決められているとされます。撞木は、鐘楼の横に綱で吊るされた太い丸太で、多くは木の種類にもこだわって作られています。

「ゴーン」のあとに続く余韻

梵鐘の音は、撞いた瞬間の音、そのあとに広がる響き、長く残る余韻の三つに分けて語られることがあります。撞いた瞬間は強い打撃の音がしますが、すぐに低く柔らかい響きに変わり、そのあと「うおーん、うおーん」と波打つような余韻が長く続きます。

この波打つような音は「うなり」と呼ばれます。鐘は完全な円筒ではなく、鋳造の際にわずかなゆがみや厚みの違いができるため、少しだけ高さの違う音が同時に鳴ります。少し違う高さの音が重なると、音が強くなったり弱くなったりを繰り返して聞こえるのです。ギターのチューニングで、二本の弦の高さが少しずれていると音がゆらぐのと同じしくみです。

鐘の音が遠くまで届く理由

梵鐘の音が遠くまで聞こえるのは、低い音が多く含まれているからです。低い音は、高い音に比べて建物や木などの障害物を回り込みやすく、空気中で弱まりにくい性質があります。冬の夜は、昼間よりも周りの音が少なく静かなことも、鐘の音がよく聞こえる理由の一つです。

また、晴れて冷え込んだ夜は、地面近くの空気が冷やされ、上空のほうが暖かくなることがあります。音は暖かい空気のなかのほうが速く進むため、上に向かった音が地面のほうへ曲がって戻り、遠くまで届きやすくなると言われます。大晦日の夜に、ふだんは聞こえない遠くのお寺の鐘が聞こえることがあるのは、こうした条件が重なるためです。

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除夜の鐘を撞きに行く・聞きに行く

除夜の鐘を自分で撞けるお寺は、各地にあります。一方で、僧侶だけが撞いて参拝者は聞くだけのお寺や、法要に参加した人だけが撞けるお寺もあります。行く前に、そのお寺が参拝者の撞鐘を受け付けているか、どのような形で受け付けているかを確かめておきましょう。

鐘楼で撞木の綱を引いて鐘を撞く人の後ろ姿
撞木は軽く揺らして勢いをつける

事前に確かめておくこと

参拝者が撞けるお寺でも、受付の方法はさまざまです。当日に整理券を配る、事前に申し込みを受け付ける、先着順に並ぶ、などの形があります。人気のあるお寺では、整理券の配布が早い時刻に終わることもあります。

志納金(お布施)を納める形を取るお寺もあります。また、夜遅い時間の行事なので、帰りの交通手段も大切です。大晦日は終夜運転をする鉄道もありますが、路線や年によって違うため、最新の情報は各鉄道会社の案内で確かめておきます。

除夜の鐘に出かける前に(参拝者が撞けるかを確かめる、整理券や申し込みの方法を見る、帽子・手袋・カイロで防寒する、足元の明かりを用意する、帰りの交通手段を決めておく、小銭や志納金を用意する)
夜の屋外で長く待つことを考えて準備する。

寒さと混雑への備え

大晦日の夜は冷え込みが厳しく、屋外で1時間以上並ぶこともあります。手袋、帽子、マフラー、使い捨てカイロなどでしっかり防寒し、足元は歩きやすく底の厚い靴にします。お寺の境内は石段や砂利道が多く、夜は暗いため、小さな明かりがあると安心です。

子どもや高齢の家族と一緒に行く場合は、待ち時間の長さを考えて、無理のない計画にしましょう。体が冷えすぎたと感じたら、撞くことにこだわらず早めに切り上げることも大切です。

鐘を撞くときの作法

撞き方の作法はお寺によって違うため、その場の案内に従うのが基本です。多くのお寺で見られる流れは、次のようなものです。

鐘を撞くときの流れ(1. 鐘に向かって合掌、2. 撞木の綱を持つ、3. 軽く振って勢いをつける、4. 撞座に当てる、5. 撞いた後に合掌)
お寺の案内があれば、そちらを優先する。

撞木は重いので、無理に力を入れて引っ張るより、綱を軽く前後に揺らして勢いをつけ、最後にふわりと送り出すように撞くと、きれいな音が出やすいと言われます。強く打ちつけようとすると、音が割れたり、撞木が大きく跳ね返ったりして危ないことがあります。

撞いたあとは、余韻が消えるまで少し待ってから、次の人に場所を譲ります。鐘の音に耳を傾けながら一年を振り返り、新しい年の願いを心のなかで唱える人も多いでしょう。

撞木は思ったよりも重く、跳ね返りも大きいものです。小さな子どもが撞く場合は、大人が一緒に綱を持ち、周りの人との距離にも気を配りましょう。

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除夜の鐘をめぐる近年の変化

住宅地に囲まれたお寺では、夜遅くの鐘の音に対して近隣から苦情が寄せられ、除夜の鐘のあり方を見直すお寺が出てきたことが、ニュースなどで取り上げられることがあります。参拝者が集まることで深夜に人の話し声や車の出入りが増えることも、近隣にとっては負担になる場合があります。

昼や夕方に撞くお寺も

そうした事情から、深夜ではなく、大晦日の昼間や夕方に鐘を撞くお寺もあります。小さな子どもや高齢者でも参加しやすく、夜道の心配も少ないことから、参加しやすい行事として受け止められている面もあります。

また、担い手の高齢化で、夜通し鐘を撞く行事を続けるのが難しくなったお寺もあると言われます。除夜の鐘は、地域の人々に支えられて続いてきた行事でもあります。形が変わっても、年を送る祈りの場であることに変わりはありません。

家で鐘の音を聞く

テレビやラジオでは、毎年大晦日の夜に各地のお寺の除夜の鐘を中継する番組があります。インターネットで鐘を撞く様子を配信するお寺もあり、遠く離れた場所からでも鐘の音を聞けるようになりました。

家で鐘の音を聞くなら、テレビの音量を少し落として、部屋の明かりを一つ消してみるのも一つの楽しみ方です。にぎやかな番組から、静かな鐘の音に切り替わる瞬間に、一年が終わっていく感覚を味わえます。

出かける人のマナー

除夜の鐘に出かける場合は、お寺の周りが住宅地であることを意識して、話し声や車の音に気を配りましょう。路上駐車や、境内での飲食のごみの放置は、近隣の人やお寺の負担になります。お寺によっては、甘酒や年越しそばのふるまいがあることもありますが、受け取る際も案内に従い、ごみは持ち帰るか指定の場所に捨てます。

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  1. 秋の戸口に並ぶかぼちゃの明かりとかぶ、麦束
  2. 資料を手に落ち着いて話し合う二人
  3. ノートパソコンと資料、外付け記憶装置がある机
  4. 冬の木で越冬する卵のうやミノムシ、テントウムシ
  5. 青い折り鶴と三角に折った紙、無地の折り紙