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歴史・文化

鏡餅の飾り方と鏡開き|三方・裏白・橙の意味、飾る日と下げる日、硬い餅の開き方まで

鏡餅の名前の由来と年神様との関係、三方・四方紅・裏白・ゆずり葉・橙など飾りの一つひとつの意味、28日に飾る理由と29日・31日を避ける考え方、床の間がない家での置き場所、鏡開きの日の地域差と「割る」と言わない理由、硬くなった餅を安全に開いて食べる手順までを整理します。

三方に載せた鏡餅と裏白、ゆずり葉、橙

年末になると、スーパーの売り場に大小さまざまな鏡餅が並びます。毎年なんとなく飾っていても、「上に載せるのはみかんでよいのか」「下に敷く白いシダは何のためか」「いつ下げて、どう食べるのか」と聞かれると、説明に迷う人は多いのではないでしょうか。

鏡餅は、門松やしめ飾りとともにお正月を形づくる飾りですが、ほかの飾りと違って、最後に「いただく」ところまでが一続きの行事です。この記事では、鏡餅の由来と飾りの意味、飾る日と置く場所、鏡開きの日の地域差、硬くなった餅を安全に開いて食べるまでを順に整理します。お正月の行事全体の流れはお正月の行事と意味にまとめているので、ここでは鏡餅に絞って掘り下げます。

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鏡餅とは何か:年神様の居場所としての餅

「鏡」の名前の由来

鏡餅の「鏡」は、古い時代の丸い銅鏡に形が似ていることに由来するとされます。鏡は古くから神様の宿るものとして大切にされ、三種の神器の一つにも数えられています。丸く平たい餅を鏡に見立てて供えたことが、鏡餅という名前の始まりと考えられています。

大小二つの餅を重ねる形には、「円満に年を重ねる」「月と日(陰と陽)を表す」などの解釈があります。どれか一つが正解というより、縁起のよい意味が重ねて語られてきたと受け止めると分かりやすいでしょう。

年神様と「お年玉」の関係

お正月は、新しい年の実りと家族の健康をもたらす年神様(歳神様)を家に迎える行事です。門松が年神様が迷わず来るための目印、しめ飾りがその場所を清めるしるしだとすると、鏡餅は年神様が滞在する間の居場所、つまり依り代(よりしろ)にあたります。

年神様が宿った餅には、その年の力(年魂)が込められると考えられました。この餅を家族で分けていただくことが、お年玉の起こりの一つだという説があります。今はお金を渡す習慣になっていますが、もとは「神様の力を分けてもらう」という意味合いがあったわけです。鏡開きで餅を食べることは、飾りの後片付けではなく、行事の締めくくりだと考えると、扱い方にも自然と気持ちが入ります。

正月飾りの役割の違い(門松、しめ飾り、鏡餅、鏡開き)
鏡餅は年神様が滞在する場所にあたります。

飾りの一つひとつに込められた意味

伝統的な鏡餅は、餅だけでなく台や敷き紙、植物などを組み合わせて飾ります。市販のセットでは簡略化されていることも多いので、まずはそれぞれが何を表しているのかを知っておくと、手に入る物で無理なくそろえられます。

飾り 見た目 主な意味・いわれ
三方(さんぽう) 白木の台。台の三方向に穴がある 神様へのお供えを載せる正式な台
四方紅(しほうべに) 四辺を紅色で縁取った和紙 天地四方を拝み、災いを払い繁栄を願う
裏白(うらじろ) 葉の裏が白いシダ 裏表のない心、共に白髪になるまでの長寿
ゆずり葉 大きく艶のある緑の葉 新しい葉が育ってから古い葉が落ちる=家が代々続く
橙(だいだい) 小ぶりの柑橘 「代々」家が栄える
紙垂(しで)・御幣 白い紙を切って折ったもの 神聖な場所であることを示す
昆布・串柿など 地域によって加える 「よろこぶ」、幸せをかき集めるなど
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裏白とゆずり葉

裏白はシダの一種で、葉の裏が白いことから「心に裏表がない」「夫婦が共に白髪になるまで」と、清らかさと長寿の象徴とされました。左右に対になって葉が伸びる姿から、夫婦円満を表すとも言われます。飾るときは、白い面を表にして敷くのが一般的です。

ゆずり葉は、春に新しい葉が出そろってから古い葉が落ちる性質があります。親から子へ、子から孫へと家が譲られ続ける様子に重ねて、子孫繁栄の願いが込められました。どちらも生の葉が手に入らない地域では、造花や紙で作られたものを使ってもかまいません。

橙とみかんの違い

上に載せる柑橘は、本来は橙です。橙の実は冬を越しても木から落ちにくく、一本の木に何年分かの実がついていることもあるため、「代々」家が続く縁起物とされました。一方、手に入りやすさからみかんを載せる家庭も多く、市販のセットには作り物の橙が付いていることもあります。意味を知ったうえで、身近なもので代用するのは自然なことです。

飾る日と下げる日:28日がよいとされる理由

飾り始めの考え方

正月の準備は、12月13日の「正月事始め」から始まるとされます。すす払いで家を清め、年神様を迎える場所を整えてから飾るのが本来の順番です。大掃除の由来と段取りはすす払いと大掃除の由来で詳しく紹介しています。

実際に鏡餅を飾る日として好まれるのは12月28日です。「八」は末広がりで縁起がよいとされ、年内の仕事納めとも重なりやすいため、準備の区切りとして選ばれてきました。

避けたほうがよいとされる日

日にち 考え方
12月28日 末広がりの「八」。最もよいとされる
12月29日 「九」が「苦」に通じるとして避ける(「福」と読んで良しとする地域もある)
12月30日 差し支えないとされることが多い。旧暦では大晦日にあたるため避ける考えもある
12月31日 「一夜飾り」となり、葬儀の飾り方に通じる、年神様への誠意に欠けるとして避ける

29日を避ける習慣は広く知られていますが、「二重苦」と読んで嫌う一方で、「九」を「く(福)」と読み替えて縁起物の日にする地域もあります。日にちの決まりは地域と家ごとの考え方が反映されたものなので、迷うときは、家族や地域で続いてきたやり方を優先して構いません。

下げる日は鏡開きの日

飾った鏡餅は、松の内が明けたあとの鏡開きの日に下げます。しめ飾りや門松を片付ける日と、鏡餅を下げる日が違うこともあるので、「お正月飾りを全部同じ日に片付ける」と考えず、鏡餅だけは鏡開きまで残すと覚えておくと迷いません。

次のページへどこに飾るか:床の間がない家での置き場所
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  1. 秋の戸口に並ぶかぼちゃの明かりとかぶ、麦束
  2. 資料を手に落ち着いて話し合う二人
  3. ノートパソコンと資料、外付け記憶装置がある机
  4. 冬の木で越冬する卵のうやミノムシ、テントウムシ
  5. 青い折り鶴と三角に折った紙、無地の折り紙